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同じ阿呆なら踊らにゃSONG

痛い題名をつけてしまった。

前回の投稿で #スキな3曲を熱く語る というお題に参加し、劇団にいた頃に芝居で使わせていただいた3曲を選んだ。そしてその文末に「間に合いそうなら学生時代にモダンダンスで踊った3曲も次回選びたいと思う。」などと付け足してしまったので、今日はそれを書いてみようと試みている。

昨日まではそれについて書く事を躊躇していた。なぜならその3曲は紹介したところで聴いてもらえる術がないのでは?と危惧したからだ。購入は定価で入手できないし、サブスクは勿論、レンタルなどもない。だが、2曲はspotifyに見つけることができた。びっくり。凄いなspotify。(Apple Music他にも存在した)

3曲のうち、1つめは私は踊っていない。大学の憧れの先輩が踊るのに選ばれた音楽だ。

メレディス・モンク「Madwoman's vision」

私は近畿大学の、演劇芸能専攻というところの三期生だ。憧れの先輩は一期生。彼女は演劇の時もダンスの時も、普段の佇まいすらも私の憧れだった。高校演劇の時から知っていて、近隣校だった彼女の情報を入手し、追いかけて大学を選んだ。
当時、関西で演劇を学べる大学は大阪芸術大学と近畿大学、その二つを併願したが私の希望はその先輩のいる近大だったので、推薦入学で先に近大の演劇芸能専攻に合格した私は大阪芸大の入試は願書出しただけになった。(今は演劇芸能専攻ではなく、舞台芸術専攻になっている)

その先輩がソロで自分の振り付けで踊られていた音楽。直訳すると狂った女の視覚、若しくは狂った女の幻。後者の気がする。

メレディス・モンクの音楽はどれも面白い。空を突き抜けるような声と実験的要素の強いリズム。是非一聴していただきたい。リンクを画像で貼りたいがやり方がわからない(汗)。今後、勉強します。

https://open.spotify.com/track/6yHbPP2ft1yIavK8IRPmpl?si=kZISWyqHRB-lOHOZhBq1pg&dl_branch=1

2曲目は私も総タイツで踊った群舞のダンスの音楽。舞踊家の神澤和夫教授の作品「シンフォニー」。生徒総出で踊る迫力。密。密。密。今では考えられないくらいの密。

マイクオールドフィールド「Tubular Bells,Pt.Ⅰ」

この曲を聴くと当時のしんどさが甦り、呼吸が浅くなりそうなのだが、今聴いても変化に驚かされる。曲は25分くらいあるがダンスでは途中が編集され15分くらいだった。
同じメロディが繰り返されていく中、少しずつ音が足されて、やがて夜になり、朝になり、戦場かと思えば天国、劇的に変化し、終盤に向けて混沌が浄化してゆく。最後は飛行機のように舞い、飛び立つように重なる姿を光が迎える。

とても長い曲だけど、飽きさせない。
歌はないのにドラマチックなのだ。

https://open.spotify.com/track/7ERSQrRptZVM7q3VOdM7OL?si=svicu0X3Rlye37V_ORvJ_Q&dl_branch=1

最後は私が3回生の時に創作舞踊の授業を専攻して公演形態で発表した作品で使わせていただいた曲。残念ながらこの曲はspotifyでもなかった。

Yoko Ono「Georgia Stone」

オノ・ヨーコさんがジョン・ケージのトリビュートアルバム「Chance Operation」で参加された曲。
ダンスの内容は「女に生まれて」というタイトルで、今となっては小っ恥ずかしくて穴があったら私を埋めてほしい。
今の私は自分の事を、男でも女でもないどちらの要素も持っている、そもそもそれ自体をあんまり意識していない人間なんだと思いたいのだけど、当時は母への願望や、女のリビドー、戦争と母性、聖女と娼婦、みたいな事を考えて創作した。

群舞形式で同期のメンバーにダンサーとして協力してもらい、振り付けし、そして私は下着で踊った。ダンスは色気を出さず、生きる様を見せるためにやった事。とはいえ、若気の至りですわ…穴に埋もれて出て来れない。

そんな気持ちは当時にもあって、終演後は「やってしまった」と堂々とできない自意識過剰な自分がいて、公演を見に来てくれた英語の教授が「ミホ!ブラボー!」と凄い感激ぶりでハグしてくれた時、救われたことを覚えている。

今になって、ダンスはともかくこの曲を見つけた自分には感心している。ジャケ買いするようなCDでもないし、賭けで買えるような値段でもない。タワレコで買った記憶はあるが、視聴した記憶はない。ジョン・ケージやオノ・ヨーコが好きだということと、あと先程挙げたメレディス・モンクも参加していたアルバムというのが大きかったのかもしれない。

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さて。3曲選んで書いてみたものの、この選曲はやはり誰かに共有してほしいと思えるほど普遍性のある選曲ではないし、自己満足にしかならなくて恐縮だが記録として残しておきたい。

当時の写真が殆どないので、上記の3つのダンスとは別のダンスの写真を貼った。
もともと私はスポーツ苦手、バレエも未経験、ただこの場では自分の創作ができるという事でダンスを専攻した。
もう舞台で踊る事はないだろうが、家では一人で踊ってみたりする。この歳になっても、こんな体型になっても、踊ろうと思えるのは、なかなか肯定感が上がる。(3年くらい前には息子の幼稚園の謝恩会でU.S.Aも踊った!)踊る肉まん…旨味は残ってないけど。


いくつになってもダンスは楽しい。どんなダンスでもいいから何か好きな音楽で無理矢理にでも踊ってみたら、きっと楽しくなれるはず。最期まで踊る阿呆でいたい。