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新しいキャリアの地図を持って、Bon voyage(良い航海を!)

ここ最近、個人のキャリアについて、これまでのルールがガラガラと崩れ落ちるぐらいの変化が起こっていますね!このゲームチェンジについて、先日、大学の「キャリア」の授業に呼んでいただいた際に、初めてお披露目したのですが、ほとんどの学生さんが初耳のようだったので、もしかして巷では気づいている人が多くないのかもしれません。

今日はこの、大きくゲームが変わりつつある、新しいキャリアの航海地図をお伝えします。1人でも多くの人が充実したライフキャリアを送られますように!

直線のキャリアはもう古い

キャリアといえばキャリアプランニング。
「なりたい姿を描いて、それに向かっていきましょう」
と、大学の授業に呼ばれる度、私もずっと言ってましたが、ごめんなさい。あれは今では大きな間違いです。

これまでのキャリアの攻略法は「直線」でした。目指したい目標を描いて、そのために最短の直線距離で頑張る。これは、仕事の種類がシンプルで、そこに至るルートが概ね決まっているという、一昔前のルールを前提にしたものでした。今はむしろキャリアを「直線の最短距離」で考えていると危険かもしれません。

これからは「点をつなぐ」キャリア

これからは線ではなく「点をつなぐ」キャリアです。
リンクトイン日本代表の村上臣氏が「転職2.0: 日本人のキャリアの新・ルール」 
で「タグ付け」と表現されているように、自分のできることや好きなことを#(ハッシュタグ)として、タグ付けするイメージです。

例えば、入社以来、上場企業で、一貫して海外事業の仕事をしてきた人ならこのようなタグでしょうか。

#海外事業 #上場メーカー 

これはこれで素晴らしいのですが、担当されている仕事が一生続く保障は全くない今、転職やキャリアチェンジは常に頭におかなければいけません。そして、転職の際、専門分野が一つだけだと、それが相当強くないと選ばれません。(AIやデータサイエンティストなど、需要が非常に強い分野はある程度戦えると思いますが)

また、旧来は「上場企業」というキーワードがパワーを持っていたので#に入れましたが、これからはどうでしょうか。

上記は極端な例で、同じ仕事をされている人でも、本来はもっと多様な深みのあるキャリアのタグをお持ちだとは思います。(前述の村上氏の本が参考になります)

一方、例えば、こんなハッシュタグはいかがでしょうか?

#海外 #ファイナンス #M&A #起業 #金融 #経営
#女性のキャリア #子育てとキャリア #教育  
#非営利事業 #US会計士 #中小企業診断士
#アクロバット #ポップスピアノ

ちなみに、上は私のキャリアのハッシュタグです。複業大好き、アドバイザーでも立ち上げメンバーでも、ぜひお気軽にお誘いください(PRでした!笑)

少し脱線しましたが、要は、これからのキャリアの攻略法は、多様なタグ(点)をかけあわせることです。ひとつだけのタグを磨き続けるのも良いですが、強いタグ+そこから外れたタグがあった方が、さらに人間的にも魅力的に感じませんか?

人生を通して好きと向き合う

このキャリアのタグづけについて、ふたつポイントがあります。

ひとつは、必ずしも様々な仕事のつまみ食いを勧めるわけではないこと。自分の心にピンと来ることをタグにしていくのです。自分のSNSでも、嫌いなタグは、つけたくないですよね。

ふたつ目は、キャリアのタグは仕事や資格だけではないこと。プライベートでの生活や生き方自体がタグになりうるのです。例えば、子育てをしながら働いているワーキングマザー(ファーザーもですが!)なんて、普通に日々過ごすだけで「子育て」、更には「共感力」「マルチタスク」なんていうタグがどんどん増えていくのです。従来は仕事の障害であると考えられていた、子育てや介護のような、ライフイベント自体も強みになるのです!

キャリアにおける多様性という武器

感覚論だけではありません。経営学での理論からも、多様なタグを持つキャリアの方が強いことがわかります。

プランド・ハップンスタンス理論
「キャリアの8割は偶然から生まれる」と、スタンフォード大学の教授が1999年に提唱。偶然に出会うチャンスを大きくするためには、機会を増やす=タグを増やすことが有効なはず!(参考記事:成功するキャリアはわらしべ長者?!〜実現する夢の描き方

イノベーション理論
イノベーションは「知」と「知」のかけあわせから生まれる、と言われています。(参考:「世界標準の経営理論」著:入山章栄)あなたのキャリアのタグも、掛け合わせからのイノベーションで、新しい独自性のあるキャリアが生み出せるかもしれません?!

ダイバーシティー(多様性)としきりに言われるここ最近ですが、ダイバーシティ(多様性)は、組織を強くしたい場合だけではなく、個人のキャリアにおいてもとっても強い武器になるのです。

たったひとつ忘れがちなこと

これからのキャリアの攻略法は、自分の好きなタグをつけていくこと。そう考えると、少しワクワクしませんか?

このタグ付けのキャリアで、ひとつ、多くの人が忘れがちだけどとっても大切なことがあります。それは、自分のタグを周囲に「伝える」こと

いくらワクワクするタグがそろっていても、人に知られなければ何事もおこりません。このタグを知った人が、あなたに声をかけて初めて、何かが起こるのです。

直接の知人に伝えても良いでしょうが、SNSはどんどん活用していくと強いでしょう。SNSでの発信は単なる趣味を超えて、これからはキャリアを切り開く武器になるはずです。

Bon voyage(よい航海を!)

こうして今、新しいキャリアのルールを知ったみなさんに「よい航海を!」という言葉で締めたいと思います。

実はこの言葉、単なる挨拶以上の、深い意味があります。
Bon voyageとは、リスクを自らとって、意思決定をする人たちだけの挨拶なのです。

これは、私がとても影響を受けた故人瀧本哲史先生の本から知りました。以下、「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 (星海社新書)」から抜粋します。

これはフランス語で「よき航海をゆけ」という意味で、見送りの際なんかに交わされるんですけど、もともとは船長同士の挨拶になります。
 自分の船を持っている船長っていうのは、リスクを自ら取っている人で、意思決定者なんです。航海において意思決定をする立場にない船員は、「ボン・ヴォヤージュ」って挨拶は、しないんですね。
 (中略)
「俺たちはお互いに自分の判断でリスクを取っている」ということに対する敬意があるから、余計なことは言わずに、ただ「よき航海を」なんです。
 そういう、自立した人間たちの挨拶だってことを覚えておいてほしくてですね、

ぜひみなさんも、自らリスクをとって意思決定をすることで、大海原への航海を楽しんでくださいね。

Bon voyage!


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