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1人でいるのが好きなのに孤独が辛いのはなぜ~愛着障害の話

基本的に単独行動が大好きで、みんなでわいわいしたり、ずっと周りに人がいるのは苦手だ。

しかし、今はだいぶ改善されているが、昔は少し空いた時間ができると、ふと孤独を感じることがあった。

だからと言って、ずっと誰かと一緒にいたい訳ではない。
むしろ疲れてしまう。

それどころか、人と長時間一緒に過ごしていても、ちっとも心が満たされないことがある。

なぜだろう?

分析してみると、私の求めているものは理解者だということに気付いた。

誰かと理解し合え、共鳴できたと実感できる瞬間に一番心が満たされる。

その人との関係性は友達でも、恋人でも、先生でも、どんな立場の人でもあまり私には関係ない。

逆に、一緒に長時間過ごしても、表面的な話で終わってしまったり、会話が嚙み合わなかったりすると心がカサカサになる。

同調しなければならない、というのとも違う。
意見や立場の違いはむしろ面白い。ただ、もっと奥の部分で分かり合えるかが大切なのだ。

ソウルメイトを求めているのかな。

一緒に過ごしたいわけではなく、理解者が必要。

それに気が付くと楽になるし孤独を感じない。
なぜなら、丁寧に日々を振り返ってみると、派手な表現で目立つアピールをしなくても、寄り添ってくれている人、心が通い合っている人は案外いるものだから。

理解者の存在をしっかり確信し、それを自分を守ってくれるネットのように感じていると、1人の時間をもっと悠々と楽しめる。

いわゆる安全基地の存在だ。


愛着障害という言葉をご存知だろうか?

この本以外にも、愛着障害に関する数々の本を出版されている、精神科医の岡田尊司先生によると、

対人関係にはそれぞれのパターンがあり、それは「愛着スタイル」によって支配されていると言われている。

愛着スタイルはまず大きく分けて2つあるとされ、

①「安定型」 一般的な成人の3分の2
②「不安定型」 一般的な成人の3分の1

さらに、②の「不安定型」を3つに分けて

(1)不安型
(2)回避型
(3)恐れ・回避型

と分類できるという。


「安定型」の特徴

対人関係でも仕事でも、高い適応能力を持ち、人としっかりとした深い信頼関係を結ぶことや、相手に対してきちんと自分を主張することができ、不要な衝突は避けられる。
困った時には上手に人に助けを求めることも、自分で自分を守ることもできる。
健全な自己肯定感も持てるためストレスに強く、うつに陥ることもめったにない。

②「不安定型」
(1)「不安型」の特徴

いつも人に気を使っているので疲れており、
上司や同僚だけでなく、自分の恋人や家族に対してまで、相手の顔色を異常に気にする。
自己アピールがうまくできず、本心を抑えて人に合わせようとするが、そういう自分に自己嫌悪感を持っているので、相手の反応をつい悪い方に取ってしまいがち。
また、「人に嫌われたくない」「人に受け入れてもらいたい」という欲求が強いため、気遣いしすぎる上に、人にも同じくらいの気遣いを求めて空回りしてしまう。
強く相手を求めているのに拒絶されるのが怖くて、逆に相手を拒絶してしまうこともある。

(2)「回避型」の特徴

距離を置いた対人関係を好み、親密さは重みに感じてしまい、縛られたくないので人に依存もしない代わりに、人から依存されることを迷惑と感じる。
仲間と一緒にいても否定的な意見が多く、自分に責任がかかることを避けようとする。
人とぶつかることが嫌いで、一歩引いて衝突を避けることが多いのに、人の気持ちに無頓着なため、急に攻撃的になって相手を傷つけてしまうこともある。
人に悩みを相談されたとしても、共感ができないため、関心がないように見えてしまう。

(3)「恐れ・回避型」の特徴

「不安型」と「回避型」のいずれも強い人が、「恐れ・回避型」である。
「安定型」以外の愛着スタイルの人は抑うつ気分に陥りやすく、人間関係も器用にできないことから適応障害も発症しやすくなる。

愛着障害は、その二次的状態であるうつ病や適応障害を発症している場合や、依存性・回避性・境界性のパーソナリティーの人に対しては薬物療法を要することもあるが、幼少期の環境が原因となっているため、薬物療法や認知療法などで治していくものではないと言われている。

不安定な愛着スタイルの人が持つ愛着の傷の修復には、自分がつらいときや不安なとき、満たされたいときなどに、心理的に安心できる「人」や「場所」のことである「安全基地」の存在が重要である。

幼少期に、親の絶対的な愛を信じられなかったりなど、「安全基地」を作れなかった人々は大人になってからも「不安定型」の愛着スタイルに苦しむケースがあるが、その満たされなかった気持ちを補っていきながら、愛着障害は自ら克服できるものでもある。

そこにいれば、自分は守られている、安心していられると心から思える居場所である、ありのままの自分を話せる人や信頼できる人、好きな映画や音楽、本の世界でも良い。

「安全基地」を手に入れ、「そこに自分がいてもいいんだ」という感覚が芽生えると、心の奥に引っ込めていた本当の自分自身を出せるようになってくる。

人との関わりかたも少しずつ上手くなっていき、自信を持つことで、自己肯定感が育っていくという。


絵に描いたような典型的不安定型愛着スタイルの私は、1人で過ごすのが好きだが、「安全基地」を求めている。

幸い、趣味が色々あり、そのそれぞれが「安全基地」としての役割を果たしてくれている上、数は少ないが2~3人の「安全基地」になってくれる友人たちがいる。

同じ空間にいなくても、深い部分で自分を受け止めてくれているその存在を感じている時は、孤独を感じずにのびのびとあるがままの自分でいられる。

一緒に過ごしていてもむしろ孤独しか感じない相手は、本能が「安全基地ではない」と知らせているからなのだろう。

信頼関係に基づいた質の高い人間関係を築き、安心して心を開きながら日々の生活を送れたらと思う。

そして、私も悩める誰かの「安全基地」になれていたら良いなと心から願う。


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