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つらい時は声に出して

誰の期待?

「君に期待しているよ。」なんて言われたこともありません。誰に何を言われた訳でもありません。なのに、いつの間にか失敗してはいけないと思い込んでいました。

「君は強いね。」って、誰かが言ってくれた訳ではありません。「君の弱いところなんか見たくない!」そんなことを言われた訳でもありません。なのに、誰であっても人に弱音を吐いてはいけないと思い込んでいました。自分が大切にしたいと思う人なら尚更です。勝手に強くあらねばって決意して、弱い自分を必死に隠しては、強がっていました。

一度失敗してしまったら、もう立ち上がれない。そんな気がしてなりませんでした。今にも壊れてしまいそうなのに、もう限界をとっくに過ぎていたのに、大丈夫な振りをしました。

「あなたはみんなの意見に従うべきだ。」そんなことを言われてもいないのに、みんなと意見が違うと、ひとりぼっちになってしまいそうで、不安になった。僕は大丈夫だからといって、黙ってうなずいていました。孤独になるのだけは嫌だったから。

いったいぜったい、誰の期待なんだろう。僕がこんなにも必死になってしまうのは。時々、疑問に思うけど、答えは出ませんでした。

今孤独を感じるのは?

そんな自分を振り返ってみて思うのです。心の拠り所がなかったんだなって。そんな人は、たぶん、よく大丈夫な振りをするものだから。自分がとんでもないピンチになったとしても、どんなに助けてと叫んだとしても、手を差し伸べてくれる人なんていないと、思っていたから。

でも、分かっていたんです。そんな風に思うから、余計に苦しくなってしまうんだって。でも、考え過ぎるのを辞められない。辛くても辛く見えないように明るく振舞うのです。悲しくても悲しくないかのように、おどけて誤魔化すのです。大変でも大変な姿を見せないように強がってみせるのです。

人には自分の負の部分を見せないように、頑張れば頑張るほど、気持ちは穏やかではなくなるし、どんどん、孤独を感じてしまうのでした。

そうやって、孤独を感じてしまうは、自分でさえも大丈夫だと思っていても、心はボロボロになってしまっていることが多いものです。

自分を許してあげる

人はどうして不安になるのかというと、頑張って頑張っているのに、必死になって生きているのに報われない時なんだ。必死になって走っているのにゴールが見えてこない。ひとり残業して必死に頑張っているのに、仕事が終わらない。毎日、必死にばって、誠心誠意、子どもと接しているのに、思うように成長してくれない。とにかく、必死になっていきているのに幸せを感じられない。

まるで、迷子になったかのように不安になってしまうのです。

子どもの頃、走ったら危ないと散々注意されたところを走ったら、案の定こけてしまい膝小僧をすりむいてしまった。注意されていたから、走ってこけたことを両親には言えなかった。平気な振りをしてはいたが、内心、膝がじんじんして痛かった。何よりも、何でもないような振りをするのが、凄く辛かった。だから、今でも思い出すのだと思う。

本当は、凄く傷付いているのにもかかわらず、平気な振りをするのは、とても辛いことなんです。それよりも、もっと辛いことがある。それは、何よりも孤独を感じること。その孤独を感じたくないから、平気な振りが辛いと分かっていても、平気な振りをしてしまう。誰かの期待なのかも、分からなくても確かめもしないのに、その期待に応えようとする。

そんな虚しさに声も出せなくなってしまった人には安心することが出来る支えとなる場所が必要だと思うのです。何もかも身に付けてしまい、重くなった鎧を脱いでしまってもいい場所。何も考えることなく、力を抜いてありのままの自分の姿で休むことが出来る時間が必要なのです。

僕は階段を上り、丘の上を目指す。そこは、見晴らしの良い景色が広がっている。そこで、ただただ、風を感じて、遠くの景色を見渡している、そこでは、何も考える必要はなかった。その丘には、時折、花が咲いている。何気ない花だとは思うけれど、ちょっぴり徳をしていると思う。こんな見晴らしのいい場所で生まれて立つことが出来たのだから。

そんな風なことを感じていたら、少しずつ心は晴れてくる。今日は誰かに、伝えてみよう。今日は少ししんどいから助けて欲しいって。お天道様はきっと許してくれるはず。頑張らない自分を。

そう言えば、夢中で本を読んでいるときに、物語に夢中になってしまって時間を忘れるくらい読みふけったことがあります。他にもやらなくてはいけないことがたくさんあったのに。その時は何故だか、時間を忘れてしまう自分を許すことができたのでした。それくらい物語が素敵なお話しだった。僕の書くお話しも、いつかは、誰かにとって、そうなれたらいいなと思えたのでした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー

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