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《第1章》戦略が機能しないのは『計画の精度』ではなく『実務担当者の実行力』が原因だった

【戦略の効果を高めるための実践テクニックとは?】

精巧に練られたとしても、あなたの戦略はなぜか失敗する。
その理由は実行フェーズに答えがある。
実体験から効果的な戦略の取り扱いについて共有します。


〚いったい誰のための戦略か?〛

 私はベンチャー企業と大企業、それぞれの戦略立案プロセスを多く見てきました。
戦略立案というものは、多くのケースにおいて、ごく一部の人間によって作成されていました。
経営ボードメンバーと経営企画室です。もちろん、情報収集段階では、各部署とのコミュニケーションやデータ提供のやり取りは発生するのですが、最終的に資料としてまとめ上げるのはごく一部のマネジメント層というわけです。
そして、完成された戦略資料は会社全体に共有されて、それぞれの部門長が各部署ごとに予算や戦術を考えていきます。
部長未満の社員は戦略資料や部門計画を読み込み、具体的なアクションを取っていくわけですが、多くのケースで戦略の浸透がなかなかうまく行きません
私が経験した例では、部長からも戦略に対する異議申し立てが出てくる始末で、戦略に対する拒否感が組織全体に蔓延してしまった、なんてこともありました。
 飲み会で他社の知り合いと話していると、こうした経験をされている方が結構いらっしゃって、マネジメント層の深刻な課題なんだなと実感しました。

 今回のまとめは、M&A後の企業統合プロセス、ベンチャー投資での経営へのハンズオン、事業収支改善プロジェクトを通じて、私が失敗と改善を重ねた実体験によって得られた具体的なテクニックです。


〚機能しない戦略の3つの要素〛

 結論から言いますと、優れた戦略とは『結果として成果に繋がったかどうか』で判断すべきだと私は考えています。
そして、その点において機能しない戦略の共通点に気づきました。

① 戦略と実行プランとが連動していない
② 実行する担当者を主語に書かれていない
③ リスクシナリオと対策が用意されていない


 それぞれの組織が戦略を受けても適切に行動ができないのであれば、それは戦略として成り立ってはいません。
戦略によって実行が規定され、②現場担当が行動可能な状態を作り、③阻害要因となる事象を極力排除する、ということに戦略の本質があると考えています。

 次回から、この3つの要素について更に踏み込んで議論したいと思います。

それでは、また。

《第2章》戦略が機能しないのは『計画の精度』ではなく『実務担当者の実行力』が原因だった https://note.com/mem_yu/n/n8f040865eca2

vol.22

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