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「ウェヌスとウルカヌスの休息」フランチェスコ・アルバーニ【ルーヴル美術館の名品150選】70

作品が語っているメッセージは何か?
世界屈指のコレクションを誇るルーヴル美術館。何万という作品中、絵画に注目、世界的に有名な作品群のうち「意味を読み解く」観点から面白い150の作品を厳選。
人物は?場面は?出典は?意味深なディテールが語っているものは?作品に隠されたメッセージを読み解きます。

*フランチェスコ・アルバーニ作 連作「ウェヌスの物語」(1621-1633年)*

*フランチェスコ・アルバーニ作 連作「ウェヌスの物語」、1621-1633年
左上:「ウェヌスとウルカヌスの休息」、INV10、2.03×2.52m
右上:「ウェヌスの化粧」、INV9、2.02×2.52m
左下「愛の神たちにウェヌスのもとへ導かれるアドニス」、INV12、2.03×2.52m
右下:「武器を奪われる愛の神たち」、INV11、2.02×2.50m
(いずれもイタリア絵画部門、ドゥノン翼)

ここから解説するのは四枚組の連作「ウェヌスの物語」。

ウェヌスとはすなわちギリシア神話の愛の女神ヴィーナスのこと。
ここには愛の女神ウェヌスをはじめとして神話の人物が描かれる。

後に解説する「ヘラクレスの物語」も同じく四枚組の連作で、同様にギリシア神話の人物を題材とする【名品84-87】。
連作「ヘラクレスの物語」は、一つ一つの場面が神話の特定の物語を表わし、最終的にヘラクレスの死に至る一連の物語を語る、というもの。

こちらの四枚は構成が若干違う。
こちらは神話の物語を前提に、人物や場面を組み合わせ見る者に思索を促す。

◆四枚組の作品◆

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