#132 ひとり暮らしをしたあの部屋にまつわる思い出
若いころ、看護師という職業柄か学生時代そして社会人になっても、寮というありがたいものがあった。
私の一人暮らしは社会人一年目、ぎりぎり敷金礼金が貯まった時に迷わず始まった。
もちろん、寮という選択があったことを『ありがたいことだった』と感じたのはもっと大人になってからのことだ。あの頃は早く寮を飛び出したい思いしかなかった。
そう、あの全員が同じ玄関を通る、門限のある場所。
外泊する時は赤い札を掛けて出る。
気が変わったら、門限までに必ず電話を入れて誰かに札を掛け直すお願いを