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【精神疾患】「統合失調症」幻覚・妄想を主症状とする精神疾患
こんにちは、Medです!
今回は「統合失調症」を取り上げます。
「うつ病」と同様に、誰でも罹患するリスクはあるにも関わらず、社会的には奇異の目で見られやすい疾患です。
よく事件が起きた時の「精神鑑定」で、「刑事責任能力がなかった」とされる場合かと思われますが、世の中の事件化率をみても、「クラスターB者」の方が圧倒的大差で事件化率が高いとされています。
今回は、そんな「誰でも罹患リスクがある」にも関わらず、色んな「偏見」で見られやすい「統合失調症」についてスポットを当てていきたいと思います。
当ブログ執筆にあたり、参考にさせて頂いた各種参考サイト様、画像サイト様には心より感謝の意を表します。
また、当ブログ閲覧によるいかなるトラブルも一切責任は負いません。
今回の記事内容については、捜査機関の捜査内容を妨害するものではありません。
当方は「診察業務」「相談業務」は一切行っておりません。お問い合わせは「法律関連」の場合は「弁護士事務所」など、「精神医学関連」の場合は「心療内科」や「精神科」などお尋ねください。
当方の記事の中で「診る」という言葉を使用する場合があります。これは、当方が「診察する・治療する」という意味ではなく、読者の方が「鑑別すべき・判断すべき」という意味です。
※当ブログ内容、構成、コンセプト等の盗用、窃用、応用、無断転載等は一切許可しません。
※注意書きをご確認ください。
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①「統合失調症」とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1646961085736-KHZ8JZjDp5.jpg?width=1200)
◆概要
統合失調症は「Schizophrenia」とも言います。
この疾患は、「幻覚」や「妄想」などといったものを主症状とし、「思考吹入(すいにゅう)」などの「自我障害」なども見られる精神疾患で、精神疾患の中でも「精神病圏」と最も重い病態です。
かつては「精神分裂病」などと言われていました。
・「自分や家族の悪口が聞こえる」「その考えは間違いだ!」などと急に怒り出す、復讐心に燃える
・「面白い音が聞こえる」などと急に笑い出す
・「私は高貴な生まれで神の化身」などと本気で信じ込んでいる
・レストランなどで見ず知らずの他の客を指し「あの人が私の命を狙っているんです!」「すぐ警察を呼んでください!」などと懇願する
(実際に相手が危険人物で凶器などを持っていた場合は別)
・「壁に蛇が這いあがっている!」などと驚愕反応を示す
・「人や物が歪んで見える」
はっきり言って、同じ「統合失調症」と言えど、その症状はその人その人で全く異なります。
人によっては、「幻聴だけ」の人も居れば、「対象が歪んで見える」人も居ます。
この後者の症状を呈した人物で有名なのが、「ルイス・ウェイン」という猫を描く画家です。
彼の描く猫は非常に好評を博しましたが、晩年にウェインは「統合失調症」を発症。
症状の経過によって変わる彼の作品を見ることで、彼が見ている世界を垣間見ることができます。
この絵を見る限り、こんな状態では誰も近づいて欲しくはないでしょうね。
どんなに健全な人でも化け物のように映ってしまい、誰が誰かも分からない上に、社会からは奇異の目で見られる二重の苦しみとの戦いを常時強いられているのと同じです。
◆分類
主に3つの型があります。
A.破瓜型
B.緊張型
C.妄想型
A.破瓜型
「はかがた」と読みます。破瓜とは、以下にもありますが、主に「思春期」のことです。
思春期~青年期までの発病が多く、喜怒哀楽の起伏の減少、意欲の低下など陰性症状から始まり、「人格荒廃」に至る予後不良の型です。
B.緊張型
青年期に突然発症しますが、「精神の核」が破壊されないため、意外にも予後良好である場合もあるとのこと(精神医学講師談)。
C.妄想型
30代前後の発症が多く、「幻覚」「妄想」を主症状としますが、コミュニケーションは保たれ、「人格荒廃」なども見られません。
②診断基準
![](https://assets.st-note.com/img/1646958580482-axMaXocKCf.jpg?width=1200)
◆アメリカ精神医学会(DSM)による診断基準
診断基準は以下の通りです。
A. 以下のうち2つ(またはそれ以上)、おのおのが1カ月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくとも1つは(1)か(2)か(3)である。
(1) 妄想
(2) 幻覚
(3) まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
(4) ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
(5) 陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)
B. 障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能のレベルが病前に獲得していた水準より著しく低下している(または、小児期や青年期の発症の場合、期待される対人的、学業的、職業的水準にまで達しない)。
C. 障害の持続的な徴候が少なくとも6カ月間存在する。この6カ月の期間には、基準Aを満たす各症状(すなわち、活動期の症状)は少なくとも1カ月(または、治療が成功した場合はより短い期間)存在しなければならないが、前駆期または残遺期の症状の存在する期間を含んでもよい。これらの前駆期または残遺期の期間では、障害の徴候は陰性症状のみか、もしくは基準Aにあげられた症状の2つまたはそれ以上が弱められた形(例i奇妙な信念、異常な知覚体験)で表されることがある。
D. 統合失調感情障害と「抑うつ障害または双極性障害、精神病性の特徴を伴う」が以下のいずれかの理由で除外されていること。
(1) 活動期の症状と同時に、抑うつエピソード、躁病エピソードが発症していない。
(2) 活動期の症状中に気分エピソードが発症していた場合、その持続期間の合計は、
疾病の活動期および残遺期の持続期間の合計の半分に満たない。
E. その障害は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。
F. 自閉スペクトラム症や小児期発症のコミュニケーシ∃ン症の病歴があれば、統合失調症の追加診断は、顕著な幻覚や妄想が、その他の統合失調症の診断の必須症状に加え、少なくとも1カ月(または、治療が成功した場合はより短い)存在する場合にのみ与えられる。
「妄想」とは、いくつか種類がありますが、代表的な5つをご紹介します。
「被害妄想」根拠なく自らの被害を確信する
「血統妄想」自らは「貴人の隠し子」などと確信する
「誇大妄想」自らは等身大の自分より偉大で、裕福だと確信する
「嫉妬妄想」配偶者や恋人の不貞行為を疑って修正困難
「被毒妄想」自らの飲み物に「毒を盛られた」と確信する
「幻覚」とは、次の5つの種類があります。
「幻聴」実在しない音や声がはっきりと聞こえる病態
「幻視」実在しないものが見える病態
「幻嗅」嗅覚を失った人物が視覚情報や記憶から幻嗅を感じることがある
「幻味」味覚の幻覚
「幻肢」四肢のいずれかを欠損した人物が、失われた肢体の感覚を錯覚する状態
◆DSMを元にしたセルフチェック表
では、上記の「診断基準」を元にした「セルフチェック表」を提示したいと思います。一つ目と二つ目はどちらか一つ、合計二つ以上でかなり疑わしいです。
・面白い声や音が聞こえてきて、つい「プッ」と吹き出したり、何か突っ込みを入れるようにつぶやく(独語)
・許せない声が聞こえてきて、急に怒り出したり、罰を与えたくなる
・美しい/可愛い私を好きでしょうがない人物が居て、なかなか諦めてくれなくて困っている(直接相手と話し、相手の感情を確認したことはない)
・自分は、常に怪しい集団に命を狙われている感覚が拭えない
・夜、部屋の天井や壁を生き物や害虫が這ったりすることがある
・俺の女(嫁)は根拠がないが、絶対不倫しているのは間違いない
・俺の本性は実はこんな貧しい生活ではなく、本気出したらヤバい
・実際に目の前に出されていない料理の味がすることが多々ある
・実際に周囲に存在しない匂いや臭いを実感することが多々ある
ただ、このセルフチェック表でも「否定」するかもしれません。
それぐらい、当事者にとっては「現実味」を持ち、「修正が困難」な疾患なのです。
学生時代の精神科医の講師が話していたのは、「修正が困難なこと」でした。
例えば、一人暮らしなのに「同居していない男性の声が聞こえる」とか、「(音源が近くにないにも関わらず)何か音楽のようなものが聞こえる」という訴えが、実に「現実味」を持ち、「それはおかしいでしょ?」と修正を加えても、「いや絶対に聞こえる!」と修正が困難な病態です。
ただ鑑別しなければならないのは、「ソシオパス」など、「ガスライティング」などの習性を持つ人物による実害の可能性を排除する必要性があることです。
昨今では、スマホ、パソコン、ネット、SNSの普及が容易となりました。
反面、あらゆる「結束」が「ガスライティング方面」に向かってしまった場合、対象者は「被害妄想」や「関係妄想」などと混同される危険性があるためです。
「ガスライティング」についてはコチラを参考にしてください。
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③「専門家」による解説
![](https://assets.st-note.com/img/1646958580642-p4wyRxw8Ge.jpg?width=1200)
◆精神科医①
統合失調症について解説します。実は身近な脳病です。
<動画の要約>
・ドパミンという脳の神経伝達物質が過剰に分泌させる脳症
・脳内のドパミン蛇口が壊れてしまう疾患
・主に「陽性症状」「陰性症状」の二つに分かれる
・陽性症状は「幻覚」「妄想」で、ほぼ「幻聴」
・陰性症状は「抑うつ気分」「意欲低下」
・ムンクの叫びは、叫んでいるのではなく「叫び声が聞こえている」幻聴だと言われている
・再発の多い疾患で、長期化することもある
・人口の1~2%が発症、10~20代で発症することが多い
・中高年女性で発症する場合は「遅発パラフレニー」などと呼ばれる
・ドパミンをキャッチする「受容体」ブロックの薬を使用
・副作用として錐体外路症状と呼ばれるパーキンソン症状、過鎮静、糖尿病、代謝障害などが出る場合も
・治療者や家族ですら敵になってしまうこともある
・入院になることも多い
・社会復帰が困難になることも多い
・最終的に生活保護を申請する方は結構いる
◆精神科医②
統合失調症について
<動画の要約>
・思春期~20代30代に症状が出やすい疾患
・幻覚・妄想が主体
・多くの場合、病識が持てないので治療に結び付けるのが難しい
・継続した適切な治療が難しい
・閉鎖病棟は患者さんの意思で出入りができないだけで、内部はそれほど一般の病棟と変わらない
・幻覚妄想が強い状態の患者さんは鍵付きの個室に一時的に保護することはある
・あくまで本人の安全を守るための措置
・完治は今の医学で難しい(寛解)
・服薬を止めてしまうと症状が悪化してしまうため、服薬管理は重要
・状態によっては一般の人と同様に仕事ができる状態まで近づける可能性はある
・身近で症状が出たら、一刻も早く医療機関受診へ
どちらの動画も、「幻覚・妄想」の件や「服薬治療の早期開始」の重要性に触れています。
2つ目の動画にもあったように、「完治」は現在の医療では困難であり、一時的に「良好な状態」を「寛解」と言います。
逆に「服薬」を「自己判断」で止めてしまうなどして、「悪化」してしまうことを「増悪」と言います。
いずれにせよ、「早期発見」と「早期治療開始」が重要ですね。
④まとめ
![](https://assets.st-note.com/img/1646958715245-3Aoe3MDl2N.jpg?width=1200)
この疾患が発覚した場合は、早期に薬物治療を開始する必要性があります。
現在は、徐々に副作用の少ない治療薬が徐々に開発され、早期の治療開始が、予後の経過にも大きく作用します。
うつ病と同じく「精神病圏」であり、「増悪」と「寛解」を繰り返すことがありますが、適切なコントロールをすることで、円満な社会生活を送っていけることもあります。
「自らに不安がある場合」や「身内に不安がある場合」は早期受診、早期発見、早期治療をできるようにしていきたいですね。
逆に何らかの「実害」があった場合には、「妄想」と混同されないように適切な対処が必要です。詳細はコチラをご覧ください。
最後まで閲覧して頂き、ありがとうございました。
健全な方が少しでも安心して暮らせるようなブログ執筆を目指してまた頑張ります。
<関連記事>
追伸:
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無論、誹謗・中傷の類は一切受けつけません。
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⑤関連リンク集
⑥参考・引用など
・ルイス・ウェイン wikipedia
・カラパイア/猫を描き続けた画家、ルイス・ウェインに関する真実
・青山会 関内クリニック
・破瓜期 コトバンク
・統合失調症 ハートクリニック
・幻覚 wikipedia
・ガスライティング wikipedia
・統合失調症について解説します。実は身近な脳病です。
・統合失調症について
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