大学教員H.O.K

関東在住,30代の大学教員。 教育研究の場で感じたこと,読書,ライフハックに関すること…

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関東在住,30代の大学教員。 教育研究の場で感じたこと,読書,ライフハックに関することを書いています。

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はじめに

地方の国立大学で教員をしている。 大学は教育研究機関なので,学生の教育と研究が主な仕事だ。 学生の教育には,日々の授業や研究室の学生の指導がある。 研究には,大学での研究活動に加えて,学会での活動なども含まれる。 これらに加えて,大学の運営や何かしらの委員会に参加することもある。 このように色々な仕事をしているけども,大学教員はたくさん文章を書く仕事だなと思う。 他の仕事をしたことがないので比較の仕様はないけども,授業で使う資料,論文や報告書,資金獲得のための申請

    • 新型コロナの感染記録(自分用:2023年9月)

      8月の終わりに,初めて新型コロナウイルスに感染した。 日記代わりに,感染からの経過を記録しておく。 -1日目就寝前に,喉に少しだけ違和感を感じる。 しかし,これまでも感じたことがあるレベルで,その他の体調には全く問題なかったため,感染など疑うことなく就寝する。 0日目朝起きると,強いだるさと悪寒を感じる。 昼には37.5℃まで熱が上がり,起きていられなくなったので,仮眠することにする。 何度か起きて検温したが,その度に体温が上がり,最終的には39℃になる。 辛いの

      • 大学教員は朝活で何をすべきか?

        社会人になってから朝活への漠然とした憧れを持つようになった。 「朝活を制するものは人生を制す」みたいな本もいくつか読み,「やっぱり自分の人生に必要なものは朝活だ」と思い立つのだが,なかなか継続しない。 あまりにも継続しないので,その理由について整理する。 朝活で何をするか先ずは,朝活で取り組むべきことを明確にする必要がある。 書籍では,朝活=自分磨きとして示されることが多い。 一般的なものを挙げると,以下のようなところだろう。 運動系:ランニング・ヨガ・ジムなど

        • 若手大学教員の仕事 Part 2

          最近はやるべきことが多く,noteの更新頻度も下がってきた。 以前,「若手大学教員の仕事」という記事を書いた。 あれから1年以上経った今のタイミングで内容をアップデートし,自分の仕事内容を整理してみたいと思う。 ↓の記事も併せて読んでほしい。 1. 授業今年度は,担当する授業数が大幅に増えた。 授業数は,総授業数とそれを担当できる教員数の関係で決まる。 毎年,定年退職や異動する教員がいるが,基本的には出ていった数だけ補充される。 しかし,新任教員が着任するまでに

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          高専と大学のあれこれ

          大学教員として働く中で,高専からの編入や,高専生のインターンシップ,高専との共同研究,高専卒の大学教員など,高専と関わることは意外と多い。 その中で,高専には専攻科や準学士など,一般には多少わかりにくい独特の制度がある。 自分は高専卒でもないし,高専で働いたこともないので,以下の内容は全て書籍やネットからの情報になるが,自分の理解のためにまとめてみた。 概要高専の正式名称は,高等専門学校である。 1962年に最初の国立12校が設置され,今では,滋賀・山梨・佐賀・神奈川

          高専と大学のあれこれ

          大学院生から助教になって苦しんだこと

          以前にも書いた通り,大学教員の主な仕事は,研究・授業・学内外の業務だ。 この中で,授業と学内外の業務は人生初めての経験だったことから,社会人として当たり前の仕事としてすんなり受け入れることができた。 一方,研究は博士課程から継続しているものであり,博士の学生にとってはほぼ唯一の仕事である。 大学教員になると,この研究という仕事の上に学生指導という仕事が新しく乗っかる。 この学生指導という研究に対する博士時代とのギャップに,赴任後の数年間苦しんだ。 基礎的な指導学部生

          大学院生から助教になって苦しんだこと

          研究指導での「知識 vs Google検索 vs ChatGPT」

          1年以上前のnoteの下書きに,「知識 vs Google検索」という書き掛けの記事があった。 学生を指導する中で,「知っていること」と「調べるたらわかること」についてどう折り合いをつけて教育していくべきか書いていたが,結局ありきたりな結論になる気がして途中で書くのを諦めた。 そんな中,最近ではChatGPTに代表されるチャットAIが流行りを見せており,「知識」「検索」に次ぐ「AI」という選択肢も出てきている。 そこで,あらためてこれら3つについて整理し,大学教育の現場

          研究指導での「知識 vs Google検索 vs ChatGPT」

          若手大学教員のギャップモチベーション

          以前,モチベーションに関する記事を書いた。 そこでは,モチベーションが上がらない時の対処法として,「とりあえず始める」ことの効果について書いた。 「神モチベーション」は,このモチベーション(やる気)が上がらない・続かないことの理由と,その対策についてまとめられた本だ。 モチベーションの種類本書によると,モチベーションの種類は以下の3つに分けられる。 以前自分が考えた対処法は,アクティブモチベーションだったことがわかるるが,著者はギャップモチベーションを意図的に作り出す

          若手大学教員のギャップモチベーション

          Aer Travel Pack 3 Small X-Pacを個人輸入してみた話

          1~2泊の出張や旅行用のバッグを探していたところ,AerのTravel Packにたどり着いた。 Aerは2014年にカリフォルニアでスタートした企業で,日常使いから今回買った旅行向けまで幅広いラインナップのバックパックを揃えている。 Travel Pack の話Travel Pack 3には35Lサイズと28Lサイズ(Small)の2種類の展開がある。 今回は街中で背負っていても違和感がないようSmallサイズを選んだが,Smallでも2泊は余裕な容量がある。 また

          Aer Travel Pack 3 Small X-Pacを個人輸入してみた話

          博士取得から直接大学教員になるデメリット

          博士在籍当時は博士取得から大学教員に直接なることが普通だと考えていたが,大学教員となった今周りを見渡すと,いったん就職した後に大学教員になった例も意外と多い。 よくある道を示すと以下の通りだろうか。 多いのは①の例。博士を取得後,一般企業や国の研究所で研究員として採用され,それから数年~10年後ぐらいに大学教員になる。 ②の例も周りに多い。修士取得後,普通に就職したものの,研究職への思いを断ち切れずに数年で退職して博士課程に入学し直す。 ③の例もありえるが,数としては

          博士取得から直接大学教員になるデメリット

          研究の効率化と教育効果の天秤

          実験研究は,①データを計測し,②データを整理し,③傾向を考察し,④結論を導く,が基本的な流れである。 この中で最も時間がかかって作業的な意味合いが強い工程は,②のデータ整理だと思う。 データ整理とは,計測器で計測したデータを我々がわかりやすい形に変換し,統計処理やグラフ化するものである。 同じ系統の実験では,同じような作業を繰り返し行うことになるため,自分がそのような作業をする場合には, Excelのフォーマットを作成したり,プログラムを書いて自動化して効率化を試みる。

          研究の効率化と教育効果の天秤

          「1分で話せ」を1分で

          本書は,「伝える力」を世界で一番簡単に習得できることを目指したスキル本だ。 内容は小難しいものではなく,題材が日常的なことなだけにイメージもしやすく読みやすい。 自分がなるほどと思った要点を簡単にまとめると,以下の通りだ。 プレゼンの目的は伝えることではなく,相手を動かすことにある。 相手の頭の中に,自分が伝えたいことの骨組みや中身を移植する。 頑張ったことは話さない。それはただのエゴ。 ロジカルな(正しいこと)だけでは,人は動かない。 特に最後の点は盲点だった

          「1分で話せ」を1分で

          1476文字で「運動脳」

          「スマホ脳」の著者であるアンデシュ・ハンセンが,著書「一流の頭脳」を加筆・再編集したものが「運動脳」であり,2022年8月に刊行された。 この本を一言でいうと「有酸素運動は脳にとって良いことだらけなので,皆さんとにかく運動しましょう」というものだ。 それだけといえばそれだけのことを,366ページに渡って膨大なエビデンスと共に説明した説得力の高いものになっている。 少しくどい内容でもあるので,運動が脳に与える影響について,ざっくりと要点だけまとめてみる。 ストレスに対し

          1476文字で「運動脳」

          少年野球から学んだこと

          少年野球に夢中になっていたのは,もう20年近くも前のことになる。 地元の普通の小学校の軟式チームではあったが割と熱心に活動するところで,土日には休みなく県内各地へ遠征に行っていたことを思い出す。 後に高校卒業まで野球を続けることになるが,振り返るとこの時期の少年野球での経験は,後の人間形成に大きな影響を与えたように思う。 そんな自分の人生の転換点となった当時を振り返りながら,少年野球から学んだことを書き綴ってみる。 成功体験と失敗体験母の影響で元々野球が好きだったこと

          少年野球から学んだこと

          卒業研究におけるコーチングとティーチング

          コーチングとティーチングの違いは人材育成の場でよく指摘されるところだ。 ティーチングで何でもかんでも「教える」のではなく,相手に考えさせることで「自分で答えに到達してもらう」のがコーチングの良さだという。 自身の経験からも,自分で本当に理解したと感じたことは忘れないものだ。 一通り義務教育を終えて,社会に踏み出す手前の大学生にとっては,ティーチングで知識を詰め込む指導をするよりも,相手の考えを尊重したコーチングによって課題解決能力を伸ばす方が良いように感じている。 一

          卒業研究におけるコーチングとティーチング

          「限りある時間の使い方」をできているか?

          80歳まで生きるとして,私たちの人生はたった4000週間しかない。 そんな短い人生をどのように捉えて生きるべきかについて書かれたのが,「限りある時間の使い方」だ。 忙しない日々を生き抜くために,仕事の効率化やタスク管理に興味を持っている人は多いと思う。 また,今の自分に満足しておらず,将来的にはもっとマシな自分になりたいと自己研鑽に時間をかけている人も多いだろう。 本書は,自分も含めた「何か忙しい」人たちに対して,少し違った視点から時間に関する解釈を与えてくれる。

          「限りある時間の使い方」をできているか?