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ドイツに移り住むまでの道のりと、これから

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#ドイツ

これから⑭ いつかの孤独と向き合う

これから⑭ いつかの孤独と向き合う

2020年2月

わたしは、今まで感じることを避けてきた孤独に直面しはじめている

転職した新しい職場のスパは、ワイン畑に囲まれた地域のとても綺麗なホテルで、サービスもお客さんの質もすごく良い
忙しくないときは、本を読んだりYouTubeで勉強したりできるくらい自由だ

だけど、いままでのように心を許して話ができる同僚がいない環境は、思った以上に辛かった

暇な時間に、思考が頭のなかに沸いてくる

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ドイツに移り住むまでの道のりと、これから⑬ 絶望がくれた勇気

ドイツに移り住むまでの道のりと、これから⑬ 絶望がくれた勇気

2019年12月

わたしが2013年12月から6年間、働いていたスパのオーナーは、ドイツで生まれ育ったトルコのひとだった

行動力と、有無をも言わせないようなつよさがあり、
意思のチカラでものごとを進めていく
でもあたまの中がカオスなようで、何度も話したり聞いたりしないと忘れられてしまうこともある

日本に一時帰国したり、旅行や勉強のために休暇の申請をしたいときわたしはいつも気を揉んだ

同僚た

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ドイツに移り住むまでの道のり⑪新しい風

ドイツに移り住むまでの道のり⑪新しい風

2015 / 7

腰をあげて、自分の意志で新しいシェアハウスを探す

部屋を探すという投稿に反応してくれた友達が、同じくルームメイトを探している知りあいとわたしを繋いでくれた

それが、約3年半続くケビンとのルームシェアのはじまり

出会いって、たいていこんな風に石にぶつかるように始まる

重いガラスの歴史的な扉の玄関と石の外装、木の板を敷き詰めた床、高い天井と真っ赤なソファー、黄色い壁

ノリ

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ドイツに移り住むまでの道のり⑨ハグする友達

ドイツに移り住むまでの道のり⑨ハグする友達

2014.03

こっちのひとの挨拶は、ハグとキスだった。

慣れない文化と生活、考え方、言葉がうまく喋れなくても、日々は前に進んでいく。

仕事のあと、同僚が声をかけてくれて一緒にご飯を食べに行く。

面倒見のいいシルビアは、メニューをあれこれ説明してくれる。

何を食べたいかよりも、何が注文できるのかの方が、その当時わたしには重要だった。

オレンジ色の飲み物と、サラダがこんもりとのったピザ。

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ドイツに移り住むまでの道のり⑧光が欲しい

ドイツに移り住むまでの道のり⑧光が欲しい

2014.01

めまぐるしく、日々が過ぎていったように思う。

体も頭も疲れて家に帰り、シャワーを浴びる。なぜか、お湯が出ない日があった。ルームメイトがいつ帰ってくるかもわからない、誰かに、何かを質問することも緊張する。頭はいつも熱を上げている。

毎日、知らない言葉に囲まれて過ごすのは、ストレスだったのかもしれない。ひとりで遠くにいることが、辛かったのかもしれない。自分の中身と外の世界でのコミ

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ドイツに移り住むまでの道のり⑦ドイツ語の耳と溢れる感情

ドイツに移り住むまでの道のり⑦ドイツ語の耳と溢れる感情

2014.02

帰って眠れる自分の部屋もみつかり、あたらしい仕事も始まった。

家から職場までの道のりを開拓したり、ワクワクするほど種類のたくさんあるパン屋さんでパンを買ったり、身振り手振りで同僚とコミュニケーションをとったり、毎日があたらしい冒険の日々。

部屋でインターネットが使えるようになるまで、カフェで必死に携帯電話の契約や銀行口座の開設の仕方、ビザや家探しの情報を集めたりしていた。

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ドイツに移住するまでの道のり⑥家探し

ドイツに移住するまでの道のり⑥家探し

2013.12

住む街と仕事が見つかったので、住む家を見つけなければならない。

私の持ち物は、大きめのバックパック一つ。

難しい契約がなくて、キッチンや家具が付いている家がいい。できればわからないことを聞ける人がいるといいので、ルームシェアの部屋を探そうと思う。

WG Gesuchtという、ルームシェアの部屋やアパート、一戸建てなどが探せるサイトがあることを知る。スパの建物内にある寝泊まり

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ドイツに移り住むまでの道のり⑤お客さんとコミュニケーション

ドイツに移り住むまでの道のり⑤お客さんとコミュニケーション

Gibt es bei Ihnen etwas zu beachten?
「マッサージの施術を始める前に、怪我や不調などなにか気をつけるところはありますか?」

面倒見のいいシルビアに教えてもらい丸暗記した言葉をポケットに忍ばせながら、不慣れなドイツ語の発音でお客さんに質問する。

私の言いたいことがわかってもらえても、返ってくる言葉がマシンガントークにしか聞こえなくて理解できない。得意な笑顔と身

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ドイツに移住するまでの道のり④同僚との出会い

ドイツに移住するまでの道のり④同僚との出会い

働くことになったスパの扉を開くと、白い服を着た綺麗な人達がいた。

一緒に働く同僚達をボスに紹介され、私は緊張しながら「初めまして」と挨拶をする。

freut mich! よろしくね!

とっさに言われたそのドイツ語は、そのとき全く聞き取れなかった。

英語のできるコニーがスパの案内をしてくれる。

仕事内容や、提供しているサービス内容、休憩室の場所や、洗濯室の使い方など。

やる気だけは誰より

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ドイツに移住するまでの道のり③仕事探し

ドイツに移住するまでの道のり③仕事探し

2013.12.11

三角屋根の素敵なおうちに住むナターシャ。わたしはリビングにある大きなソファーで寝泊まりさせてもらいながら、仕事を探すことにする。いつまでも彼女の親切さに甘え続けるわけにはいかない。

はじめはベルリンに行こうと思っていた。

大きな街だし、ドイツの首都だし、きっと何かあるだろう。インターネットで見つかる多くの情報もベルリン発だ。

だけど、再会したナターシャや周りの人たちの

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ドイツに移り住むまでの道のり ②再会

ドイツに移り住むまでの道のり ②再会

2013/12/05

ドイツに住む唯一の知り合い、ナターシャと待ち合わせする。

南西ドイツで小学校の先生をしている彼女が、フランクフルトまで車で迎えに来てくれた。

彼女との出会いは2009年11月。ハリウッドのホステルでたまたま同じ部屋になり、友達になった。

一緒にユニバーサルスタジオに行ったり、ビバリーヒルズの1ドルショップでパーティーの買い物をしたり、チャイニーズシアターで開催される

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ドイツに移り住むまでの道のりと、これから①

ドイツに移り住むまでの道のりと、これから①

初めてドイツに足を踏み入れたのは、2013年12月。わたしは25歳だった。

ワーキングホリデービザを使って、仕事をしながらドイツ語を喋るようになるとだけ決めて、日本を飛び出した。
知り合いといえるのは、旅行中に出会ったドイツ人くらい。
仕事のあても先の計画も、貯金もほとんどなかった。

フランクフルト空港に着き、市内のホステルに泊まるためにフランクフルト中央駅まで電車で向かう。
駅で電車の乗り場

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