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ドイツに移り住むまでの道のりと、これから①
初めてドイツに足を踏み入れたのは、2013年12月。わたしは25歳だった。
ワーキングホリデービザを使って、仕事をしながらドイツ語を喋るようになるとだけ決めて、日本を飛び出した。
知り合いといえるのは、旅行中に出会ったドイツ人くらい。
仕事のあても先の計画も、貯金もほとんどなかった。
フランクフルト空港に着き、市内のホステルに泊まるためにフランクフルト中央駅まで電車で向かう。
駅で電車の乗り場を尋ねると、
パディントンのような赤い帽子をかぶった大きな駅員さんが、
大きな声と、大きな仕草で、乗る電車を教えてくれた。
初めて話しかけたドイツ人が親切だったので、それだけでほっとした。
中央駅について外に出る階段を上がると
、ピリッとした寒さと異国の建物に包まれる。
そこには、巨大なクリスマスツリーがあった。
わたしは不安で、だけど、ドキドキしていた。
いま思えば、先のことなど何も考えず、旅行に来たような感覚だったかもしれない。家族の心配や反対も押し切って、好きなようにだけ生きていた。
駅前のホステルは、19世紀に建てられたような古い建物の中にある。
ベルを鳴らすとジーーっという音とともに、重い扉が開いた。
ひとりかふたりしか乗れそうもない、タイタニックに出てくるような手動で扉を閉めるエレベーターがあった。
***
朝食ビュッフェのパンやハムが、とても豪華だった(ように見えた)ことを覚えている。
ジャムやチーズや果物が、とてもカラフルだった。
たまたま近くに座ったドイツ人の親子3人に
「ベルリンに行くかもしれない」と話すと
彼らは、電車のチケットが安く取れる予約サイト教えてくれた。
ドイツで長距離電車の普通運賃は、直前に買うと高いのだそうだ。
やっぱりドイツ人は親切だ、
そう思えて、また少し安心した気になる。
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あなたはあなたらしく、わたしはわたしらしく。