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これから⑭ いつかの孤独と向き合う

2020年2月

わたしは、今まで感じることを避けてきた孤独に直面しはじめている

転職した新しい職場のスパは、ワイン畑に囲まれた地域のとても綺麗なホテルで、サービスもお客さんの質もすごく良い
忙しくないときは、本を読んだりYouTubeで勉強したりできるくらい自由だ

だけど、いままでのように心を許して話ができる同僚がいない環境は、思った以上に辛かった


暇な時間に、思考が頭のなかに沸いてくる

調べてみると、本籍が日本にあるわたしがもしドイツで死んだ場合、遺体はドイツでは処理できないので、日本に運んでこないといけないらしい

ドイツ語も英語もできない家族に、どれだけの迷惑と苦労がかかるだろうか
そしてその死を、悲しんでくれるひとがどれくらいいるだろうか

わたしは、孤独と、死と、なにかを恐れていた

手探りで薬を探すかのように、わたしはnoteを綴りはじめる

人にどう思われるか、子どもの頃からずっと意識していて、蓋をしていたわたしの弱い醜い部分
それを、少しづつ曝け出す作業

まったく上手く書けないが、何時間もかけて、書いて読んで直してはまた読んでを繰り返していった

仕事の暇な時間に、アドラーの嫌われる勇気という本を読んだ

控え室のヨガマットのうえに横になって、平静を保った


そして、コロナがやってくる

忘れもしない、春が訪れるまえに
ロックダウンが宣告され、街の空気は一変した

わたしは、何か大きな力に押されないと動けないくらい臆病だ

仕事ができなくなって真っ白になった毎日は、
あとから振り返れば、わたしにとってかけがえのない貴重な時間のはじまりだった




あなたはあなたらしく、わたしはわたしらしく。