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道標

19
詩集です。
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記事一覧

道標-19「悪夢」

道標-19「悪夢」

悪夢悪夢から覚めたあと
それを現実かと疑ってしまう自分が
弱い

皆さんは、悪夢にうなされた経験はありますか。
目が覚めたあと、どんな気分になりましたか。

私は、最近でこそ悪夢にうなされることはなくなりましたが、以前は悪夢から覚めた直後、それを現実かと疑ってしまう自分が弱く、嫌になっていた時期がありました。

もっと強い自分になりたいと思っていました。
絶対こんなこと現実なはずはないと、強く言い

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道標-18「歴史の意味」

道標-18「歴史の意味」

歴史の意味病院の待合室で本を読んでいたら
隣にお婆さんが座った

私の読んでいる本をのぞき込むので
たまたま読んでいたエッセイの「ヒロシマ」のページを
気まずく思って急いでページを繰った

この人はどんな戦争体験をしたのだろうと想像し
そのあとで、いや、老眼で見えていないか、と思い直す

名前が呼ばれ、本を閉じて立ち上がったとき
お婆さんは独り言のようにぽつんと言った

今日は8日6日、と

私の

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道標-17「忘れる」

道標-17「忘れる」

忘れる忘れる、とは
記憶の片隅から
こぼれ落ちてしまうこと

今の私は
忘れたい

記憶の片隅に
こびりついたあなたを
必死で落とそうとしている

最近忘れたいことと忘れたくないことが混沌としています。
人ってなかなか厄介な生き物ですね。
忘れたいことを忘れられなくて、忘れたくないことを忘れてしまって。

これまでの経験から、こういう気持ちになるときは、自分が次のステージに進むときだと感じています

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道標-16「日曜午後四時」

道標-16「日曜午後四時」

日曜午後四時今日にやり残したことは
たくさんあるのだが
とりあえず
麦茶を一杯飲んでみた

やる気がないのか
やるせないのか
日曜午後四時
この時が過ぎてゆくのが惜しまれる

皆さんは、この前の日曜の夕方、何をしていましたか。
久しぶりの休日で、やりたかったことを色々できるな~と思ってスタートした一日が、あっという間に終わろうとしている…。
そんな風に感じることも多いのではないでしょうか。

そん

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道標-15「明日に向かって」

道標-15「明日に向かって」

明日に向かって国道の信号がいっせいに赤になり
あたりが静けさに包まれたとき
太陽が沈み夜が始まる

その風の凪いだだなかを
私は風をつくりながら自転車をこぎ出す

今がどうこうと深く考えて
何かを無理して解決していかなくても
時が経てば
ちゃんと片づいていく
学習していく
終わっていくのだ

気持ちの整理をつけるとき、私はよく外の風に打たれに行きます。
風に打たれに行くといっても、川沿いを歩くとか

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道標-14「微弱な気持ち」

道標-14「微弱な気持ち」

微弱な気持ち今もしあなたが死んでしまったら
私はどうするだろう

少し悲しむだろう
でもきっと泣かないだろう

なのに今
あなたがそばにいなくて
こんなに寂しい気持ちになる

この感情は何だろう

こんな微弱な気持ちを
好きというのなら

一つ前の記事で書いた「あなたが死んでしまったというのに」とは対照的な微弱な気持ちを描いたのが、この詩です。

大切な人を失ったショックから、何とか日常生活に復帰

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道標-13「あなたが死んでしまったというのに」

道標-13「あなたが死んでしまったというのに」

あなたが死んでしまったというのにあたしは何と残酷な生き物なのだろう

脳ミソが小さすぎて
全部覚えていられないので
過ぎ去ったことは
どんどん忘れていってしまう

通り過ぎた景色
すれ違った人の顔
踏みつけた足元の草

目の前から見えなくなったものは
全部最初からなかったように

本当は全部覚えていたい

足元にあったすべての草のことを
死んでしまって目の前からいなくなった人のことを

強くなんて

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道標-12「待ち合わせ」

道標-12「待ち合わせ」

待ち合わせあなたとの待ち合わせはいつも
田舎の電車の駅の
ホームの一番先端だった

初夏の心地よい風が
ワンピースの裾を揺らし
わたしはまるで映画のヒロインのよう

いつもわたしが先に来て
わざとあなたの降りてくる階段と逆の
遠い線路の先をぼんやりと見つめている

この線路のずうっと先に
わたしの捨てきれない過去と近い未来があって

この線路のもっとずうっと先に
わたしとあなた、二人の遠い未来があ

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道標-11「大時化の夜に」

道標-11「大時化の夜に」

大時化(おおしけ)の夜に乱暴な言葉で
頭の中をかき乱されてもなお
私はあなたの手を握りしめている

それはきっと
体だけではなくて
心の奥深くで
あなたとつながっていたいという
強い意志の表れなのだ

あなたにとって、心の奥深くまで繋がっている人は誰でしょうか。
家族、恋人、親友、もしくは、思いつかないという人もいるかもしれません。

人は誰かから厳しい言葉を浴びせられたら、やはり悲しいものですよ

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道標-10「なんとなく」

道標-10「なんとなく」

なんとなく「なんとなく」っていう言葉は
あたしが一番大切にしている言葉だから
あなたの「なんとなく」を
あたしは受け入れるよ

「なんとなく」っていう直感は
きっと当たっているから
「なんとなく」は、たぶん「なんとなく」ではないから
今のあたしは、あなたの「なんとなく」を受け入れるよ

第六感ってありますよね。
言葉では明確に説明できないけれど、「なんとなく」そうじゃないかと思うこと。

実は、こ

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道標-9「黙っている間」

道標-9「黙っている間」

黙っている間一つのベッドの中で
黙っている二人は
それぞれの歩いてきた道を
たどっている

二本の道が互いに近づき
ふとした拍子で一つに交わる
やがてはまた別れ
それぞれの道へと戻ってゆく

天井を凝視しながら
この現実は長い道のりにおける
ほんの一瞬の出来事なのだと思う

どんなに親しくなっても、完全に相手のことを理解することはできません。
これまで生まれ育ってきた背景や積んできた経験が一人ひと

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道標-8「秘密」

道標-8「秘密」

秘密秘密、という言葉を口に出した時点で
秘密は秘密でなくなる

秘密は第三の登場人物の出現によって
いとも簡単に壊れてゆくもの

秘密は情や隙というあやふやに
どこからか生まれてくるものを
どうしても抑えられなくて
かくも簡単に壊れてゆくもの

安っぽい秘密は誰かにしゃべられたくてうずうずしている

皆さんには墓場まで持って行くと決意している秘密はありますか。

幼い頃、近所の家の門の扉にいたずら

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道標-7「夜のキンモクセイ」

道標-7「夜のキンモクセイ」

夜のキンモクセイ夜のキンモクセイは
私に大切なことを教えてくれる

あなたがどんなに変わったって
キンモクセイの香りはずっと変わらないんだって

こんなに酔っぱらって
こんなに欲に溺れて
こんなに誰かといたくて

大人になるって
こんなはずじゃなかった

夜のキンモクセイは
私に大切なことを教えてくれる

あなたがどんなに変わったって
キンモクセイの香りはずっと変わらないんだって

私の嫌いなキン

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道標-6「自分の殻をこわす」

道標-6「自分の殻をこわす」

自分の殻をこわす枯れ葉を足で蹴ると
カラカラと乾いた音がした

中身のない音
まるで我が身の軽さのよう

踏みつけると
パリッと小気味のよい音を立てて
あっという間に粉々になった

あぁこれで明日からも生きてゆける

自分の殻をこわすのって、勇気がいりますよね。
歳を重ねるたびに、別に特別好んでいるわけでもないのですが、積み重ねてきた自分のキャラやセオリーが着実にできあがってしまって、それ以外の選

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