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日記

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思い出したこと。気がついたこと。考えてること。その他。
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2020年6月の記事一覧

中庸

中庸

昭和と平成の狭間で、四書五経を読むということが仲間内で流行った。

バブル最盛期だった。私たちはボディコンの服を着て、長く伸ばした髪を振りながら、マハラジャのお立ち台確保のため、ハイヒールから血を流して踊っていた。

そして、家に帰ると四書五経を読んで、友達や先輩とその意味について真剣に話をしていた。狂った時代だったからこそ、教養というものに憧れ惹かれたのかもしれない。

今となっては、覚えている

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叔父の話

叔父の話

私の叔父は小児麻痺で四肢に障害を持っている。松葉杖なしで歩けないし、力をいれて何かを握ったり回したりするのが大変そうだった。

それでも叔父は普通の会社に入社し、その寮で健常の人たちと一緒に暮らしていた。

叔父がそこでどういう評価を得ていたのかは知らないが、大きな揉め事になるようなこともなく、寮の友人との話などを笑いながら父と話している様子は、私からは楽しそうに見えた。

そのうち家を買って寮を

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ケアラー/介護する人

ケアラー/介護する人

無償の介護者をケアラーという。
成人に限ったことではなく、親や祖父母、兄弟姉妹の世話をしている未成年の子どもも、ヤングケアラーというのだそうだ。

日本では、介護の必要な人を地域にもどす方向で政治が動いている。病院の長期入院が認められなくなったところあたりから始まったと言えそうだ。

それまで、年寄りで病気や怪我により体が不自由になったりして、今まで通り家で暮らせなくなった人などは長期入院していた

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SNSの使い方

SNSの使い方

最近は自粛ムードが薄れてきたので、街で買い物をしていて知り合いに会うということも増えてきた。

ある友人にバッタリ会ったとき「SNSって何かやってる?」と聞くので「前は発信してたけど最近は見てるだけの方が多いかな」というと「もったいない」と言った。

彼女いわく、SNSで発信することで、いろんな人が共感したり意見をくれたりして視野が広がる。SNSを使うことで自分にもネットビジネスができるようになる

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靴下と人

靴下と人

結婚してから20年以上、毎日一度は必ず靴下を着用している。

それらの靴下は普段用なので安いのを使い倒して最後には雑巾となって終わる。
そんなモノなので、場当たり的にいいかげんに買っているからいろんな生地にあたる。

たった一回履いただけで毛玉ができるものもあれば、擦りきれてしまうまで新品のような風合いを保つモノもある。

すぐにヨレヨレになってしまったり、ゴム部分が伸びてしまったり。同じようにク

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共感とか寄り添うとか

共感とか寄り添うとか

看護師をしていた20代前半に「患者さんの苦しみを理解・共感し、寄り添うことが看護師の役割」と教わったのだが、正直なところ私は「共感」も「寄り添う」もよくわからなかった。

理解というのは、なんとなくわかる。

患者さんの疾患を理解し、それに伴う苦痛のなかで、その患者さんが実際に苦痛として捉え、悩んでいることや苦しんでいることを知り、それを理解し援助していく。

また、その人の背景などから特殊性のあ

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アニメとかラノベとか

アニメとかラノベとか

ライトノベルのターゲットは10代~20代なのだそうだ。

私はターゲットの対象外だけど、2作ほどラノベを読んでいる。「オーバーロード」「幼女戦記」の2作。

アニメにハマっているのは否定しない。ジブリのトトロからずっとアニメ好きだ。
旦那さんに「実はアニメオタクやったんや」と引かれても、「頼むからオレが仕事から帰ってきたときにアニメ観てるのやめて」と叱られても、「時間の浪費」と蔑まれてもやっぱりア

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接客を伴う夜の店

接客を伴う夜の店

「いくつになってもハタチの女の子が好き」
当時40代後半だった男性の言葉だ。

彼は、A子、B美、私の3人を可愛がってくれて、よく遊びや食事に連れていってくれた。

普通なら絶対に行けない一見さんお断りのお茶屋さん、宴席に芸妓さんや舞妓さん。京都から神戸へリムジンでランチ。祇園や新地の高級クラブツアーなど。

ハタチの小娘だけでは絶対にできない遊びを、次々と繰り出し楽しませてくれた。

宿泊を伴う

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自由と不自由と責任と

自由と不自由と責任と

ニュースアプリで「専業主婦はニートか?」というコラム記事を見つけた。
19歳の女性が質問箱に投稿したもので、回答としていろんな人が意見を言っていた。

男性、女性ともに批判的な意見が多かったが、かなり長い文章で非難する回答も半数ほどあった。
中には質問者の人格を問うようなものもあり、ぼんやり眺めながら「ここまで言わなくても」と思った。

一方で、Twitterでは介護施設の経営者がパーキンソン症状

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前頭葉

前頭葉

脳にはいろんな機能がある。

たとえば前頭葉。
ここを傷めると性格が変わるのを実際に見たことがある。

脳神経外科の一次救急にはいろんな人が運ばれてきた。
運ばれてきた人の中に、街で喧嘩をして相手を意識不明にし、警察に通報され、そこから逃げる最中に車にはねられたという人がいた。

その人は、前頭葉を中心に外傷があり、来たときには意識もなく、すぐに手術になった。

頭の中に溜まった血を抜いて、前頭部

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SFの世界だと笑われるが

SFの世界だと笑われるが

フォローしている方が書かれた文章に、「外側の世界」というものがあって、私がずっと思っているものと、もしかしたら近いかなと思ったので、私も私の考え方を書こうと思う。

この世界は、外の世界にコントロールされている。ずっとそう思って生きてきた。

人間社会だけのことではなく、宇宙またはそれを取り巻くなにかも含めて、「何者かわからないもの」がコントロールしていると思うのだ。

大きな球形の透明な容器にい

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お仕事と学校の話

お仕事と学校の話

社会保険手続きだけやってればいいと言われて就職した。

実際は、社会保険関係一式任せられ、流れで新人教育、勤怠管理、社内人事や採用の会議にも出席し、上場絡みでの銀行さんとの交渉もやり、空いてる時間で普通に総務事務もやり、なんだかいろいろやっていた。

すごく便利に使われてると自覚したときに、直属の上司だった部長に文句を言った。

ちょっと仕事量多すぎませんか?
そしたら部下を二人くれた。

いや、

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幸子さん

幸子さん

幸子という名前だった。
幸せになるようにと、親がつけた。

地方の高校の商業科を出た幸子さんは、外資系企業の現地採用として就職した。

その後定年まで勤めあげ、途中何度も居住している市の高額納税者番付に載る程度に収入があった。

おしゃれも遊びも興味がなく、ただ会社と自宅を往復するのみの毎日を送っていた。使わないお金がたくさんあったので、株を買ったり、不動産を買った。
もともと収入がそれなりにあっ

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1ヶ月経過

1ヶ月経過

noteをはじめてから、1ヶ月が過ぎた。

自分がどうやって生きてきたのをすべて振り返るのは無理だけど、とりあえず最低限書きたかったことは終わったと思う。

でも、なにか1つのことを書いていると、次から次へと書いておこうと思うことが出てくる。あれもこれも忘れていたことを思い出すという感じだ。

忘れているくらいなのだから、別に書き留めておかなくてもいいのだろう。きっと。

それでも、何年も何十年も

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