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起業家にコーチは必要ですか? クライアントの本音を聞く

「起業家にコーチはいらない」

そんな声を耳にすることがあります。

確かに、起業するほどのエネルギーを持つ方なら、コーチがいなくても自分で考えて行動できると思います。

では、実際にコーチングを受けたことのある起業家は、コーチをどう評価しているのでしょうか。

今回は、起業家であり、私のクライアントでもある中山景介さんにエグゼクティブコーチングを受けての率直な感想をうかがってみました。

株式会社ファーストテンプル 代表取締役社長 中山 景介
1984年1月生まれ。千葉県船橋市出身、船橋市育ち。
D2Cマーケティングを得意とし2023年1月株式会社ファーストテンプル創業。ライブ活動も日本全国月に複数回開催する本格派。誰とでもコミュニケーションを自然に取り、気になることがあれば即現場にいく行動力を持つ。100億企業を目指して第一歩を踏み出す。「ワクワクにあふれ好きな事で生きていける未来をクリエイトする」をミッションに掲げている。

自社拡大を目指してコーチに依頼

茉由子 私たちがある経営者団体で出会ったのは、1年くらい前のこと。当時、景介さんは企業に勤めながら、ご自分の会社も持っていて。その後、退職して自社一本に絞るぞ! というタイミングで、初めて私のエグゼクティブコーチングセッションを受けてくださったんですよね。

景介 会社を拡大したい! とずっと思っていて、そのためのメソッドの一つとしてコーチングを考えていたんです。僕自身がまだ受けたことがなかったので、まずはどんなものか体感してみようかと。

茉由子 数あるメソッドの中で、なぜコーチングを?

景介 自分の会社を、自走できる組織にしたかったんです。であれば、ティーチングよりコーチングかなと。ただ、自分が受けてみないことには会社に合うかもわからないから、自己投資も兼ねてチャレンジしました。

茉由子 コーチと一言でいっても、いろんなコーチがいますよね。私みたいなビジネス領域から、ライフスタイル、ウェルビーイングといった領域まで。

景介 どのコーチからもそれなりの気づきは得られると思うけれど、僕は茉由子さん以外のコーチのことを調べてすらいません。だから、コーチングの相場も全然わからなかったけれど、信頼だけで依頼しました

一問一答で頭の中を整理

茉由子 信頼度で選んでいただけたなんて光栄です! でも、景介さんのような起業家の方ってもともと思考力も行動力もあって、「コーチなんていらない」と考える方も多いと聞くんですが・・・。

景介 逆に起業家こそ、どんなことからも学べる人であるべきじゃないですか? 自分で考えて行動するからこそ、他者と話すことで気づけることもある。例えば、僕は相手のレスポンスから何かを発見してアイデアを生み出すことが多いんです。一方で、自分の中にあるものを自分だけで言葉にしたり、整理したりするのは苦手で。

茉由子 景介さんは、おしゃべりしながら整理していくタイプですよね。実際、コーチングを受けてみてどうでしたか?

景介 僕には合っていましたね。セッションって正解不正解はないけれど、問いに対する考えを話すじゃないですか。そうすると、自分の考えていたことが整理できるんです。「あ、僕ってこう考えていたんだな」という気づきが体感できました。

茉由子 よかった! であれば、他の起業家にも勧めたいって思いますか?

景介 対話を必要としている人には勧めたいですね。もっと言うと、自分で論理的に考えて答えを出すことはできるけれど、それ以外の可能性を対話によって見出したい、と思っている人。脳みそは1つより、2つあった方がいい!

コーチにできてAIにできないこと

茉由子 最近では、ChatGPTを壁打ち相手している方も多いですよね。

景介 まさに、僕も最近3〜4時間くらいChatGPTとしゃべっていました(笑)。気になるテーマについて質問したり、しゃべりながら考えをまとめたり。

茉由子 コーチとしては、AIに取って代わられることのないよう価値提供していかなきゃって思います。それで景介さんに聞きたいんですけど、コーチングを受けてみて、ChatGPTと会話するのと何が違いましたか?

景介 言葉にできないこと、自分でも気づいていないようなことを汲み取ってくれるところ。そこは、やっぱりまだAIにはできない。

茉由子 わかります! 例えば、負のオーラを背負っているとき「何かあった?」と声をかけてくれるのは、人間だけですよね。自分では気づいていなかったり、気づいていても隠していたりするような空気感まで読み取ってくれるのは。

景介 自分で自分を理解して、そのまま言葉にできる領域なら、ChatGPTが有効なんですよ。上手な質問をしたり、明確な指示をしたりして、うまく活用できる。
でも、頭の中のイメージをざっくりとしか語れない場合は、それだけでは足りない。漠然と考えていることを引き出してくれる、茉由子さんみたいな存在が必要なんだってわかりました。

茉由子 そう言っていただけると嬉しいです!私もChatGPTは業務に活用していますし、コーチもつけている。やっぱりコーチングとAIの両方をうまく活用していけるといいな、と思います。「ここまではAIコーチと話して、ここからはコーチと話そう」みたいな感じで。

景介 あと、セッションの内容をAIで文字起こしして要約したり、それを月ごとにやって年間の変化をまとめたりもできますよね。AIは言葉になっているもの、形になっているものには対応してくれるから。アイデア次第で、人間とAIそれぞれの価値を活かしながら共存できると思うとワクワクします!


環境が人を育てる

オフィスの壁にかけられたファーストテンプル社のビジョンを抽象化したオリジナルの絵画!

茉由子 この1年を振り返って、今どんなことを感じていますか? 会社員生活を終えて社長になり、コーチングを経験されたりと変化の多い1年だったと思いますが・・・。

景介 あらためて「環境が人を育てる」ということと、「これからもコミュニティをつくり続けたい」ということを思いましたね。自分が前に出てカリスマ的存在になるより、みんなが楽しく仕事できる環境をつくって、それを隅っこの方で眺めているのが幸せだな、と。
※ビジョンピクチャーの左上にいるのがご本人だそう

茉由子 景介さんは退職前も大企業で活躍されていたし、マネジャーとしてもプレイヤーとしても力を発揮してきたじゃないですか。
それでいて、環境やコミュニティづくりにこだわるのはなぜですか?

景介 おっしゃる通り、前職は上場企業で、そこで表彰されたりもしていた僕はどちらかといえば“イケてるサラリーマン”だったと思います。でも、自分で会社をやり始めてわかったのは、会社員と経営者は全然違うということ。
というのも、この1年で一度会社が傾きかけたんです。それを持ち直せたのもメンバーのみんながいてくれたからこそ。純粋に、一人よりみんなでやったほうが楽しいんです。

茉由子 確かに、みんなでやったほうが楽しいですよね。どんなに楽しくても、自分のこだわりを大切にしたいから一人でやり切りたいっていう経営者もいるけれど、私も景介さんタイプです。みんなで喜びを分かち合いたい。

景介 こだわりは、僕以上に現場にいる一人ひとりが持っていると思います。それを育てるのが環境の力です。環境の力というのは、コミュニティの文化と、自分自身の成長。会社は経営者の器以上には大きくなれないですから、僕も成長し続けなきゃいけません。

茉由子 自分にすごく厳しいですね!

景介 この1年、人間としての器の大きな起業家や経営者にたくさん出会って、自分はまだまだだと痛感させられて・・・。冒頭のほうで、「起業家こそ、どんなことからも学べる人であるべき」と言いましたけど、まさに僕は今尊敬できる人たちから学んで成長中なんです!

そんな景介さんが今、コミュニティづくりをどう進めているのか。
続編でお伝えします。どうぞお楽しみに!

▼景介さんのXからはいつもメンバー愛や感謝が伝わってきます


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