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#旅行

経由地:イスタンブール

経由地:イスタンブール

真っ白なキャンパスが空っぽなのと同じように、真っ黒なキャンパスも同じくらい空っぽなのです。イスタンブールのバスは、フェリーは、街中は、雑音で溢れ、混ざった絵の具が脳のキャンパスに色を散らします。色が混ざり過ぎて黒になった筆で何本か線を書いてみても、絵の具の散ったパレットは混沌としていますから何を書いているのか全く読み取れないのです。何も読み取れないのは、何も書いてないのと同じ。空っぽです。

雑音

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らぶれたー:ソウルへ

らぶれたー:ソウルへ

ソウル。
あなたをどうやって説明すれば良いのでしょう:淡々としたカフェのリズム、夜のバス席、午後5時に見つめる私の影、なんだかプラスチックな渋滞。ラジオ局に向かう道、午後一時、昼の街。

バスに揺られながらコンピューターサイエンスの課題をやっては酔いました。寮の坂下、バブリーな日本居酒屋ですきやきを頬張りながらビールを欲しがる肝臓をたしなめました。私たちはいつも、切迫した時間割と、膨大な課題と、

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ベルリン(少しソウル)

ベルリン(少しソウル)

おはよう、ベルリン。今日も曇っているね。朝から雨を降らしていたらしいけれど、なにか悲しいことでもありましたか。私は、、、そうですね。悲しみや寂しさに暮れるよりも、あなたの曇り空とあなたの人々を知りたいと思っています。少し努力もしているんですよ?自分をいつもより少しだけ忙しくして、やることを詰め込んで、ソウルのことやそれにひっついてくる全ての慢性的感情を考えすぎないように努力しています。自分は本当に

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