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死ぬまで日本人

5月31日に世界同時公開されたハリウッド版『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。主要キャストである芹沢猪四郎博士を演じる渡辺謙のインタビューを読んだ。

僕はハリウッド俳優になろうとは思わなかった。(ハリウッドへ)行くときは、自分の特性、パーソナリティーも含めてですけど、日本人というものをちゃんと背負って行きたい。ちょっと背伸びをして『僕はハリウッド俳優です』とアメリカにいても、多分そんなに役はない気がします。

世界のKen Watanabeと自分ごときを同列に並べるのは非常に恐縮なのだが、この気持ちはすごくわかる。


カナダで暮らしてはや25年。日本で過ごした時間とこちらで過ごした時間とがほぼ同じになる日も近い。25年と言うと驚かれることもあるが、1970年代や80年代に移住した先輩方はたくさんいらっしゃる。

移民の理由はみな様々だ。私の今までの限られた交友経験からいうとこんな感じだろうか。

日本の〇〇が嫌いで移住した              30%
カナダが好き・はっきりとした目的があり移住した    30%
日本も好きだが、成行きで移住した           40%
(親が決めた、国際結婚した、学校卒業後/就職してなんとなく居ついた等々)   

「日本が嫌い」なグループは、純粋な日本人(両親が純日本人)であっても自分を「カナダ人」だと認識している人が多い印象がある。 

アイデンティティーは本人が決めるので他人がどうこう言うことではないが、私自身は、年を重ねるにしたがって、自分はあくまでも日本人だと再認識することが多くなってきた。

日本人としてのDNAが年々パワーアップしてくる感じ。例えば、ものの感じ方、情緒、笑いのツボ、良く言えば柔軟、悪く言えば曖昧な傾向、感性、恥の文化(罪の文化ではなく)、謙遜、空気を読むセンサー… などなど。

幸いなことに適応障害などにもならず、カナダ社会でサバイブ出来るぐらいにはカナダ文化に順応してきたわけだけれど、根っこのところは何も変わっていない。

カナダ人のようなボディランゲージも身についているし、必要であれば、日本人の感覚からすると相当ダイレクトなものの言い方もできる。けれど、それらは便宜上のお作法にすぎない。


ちっぽけな自分は世界の渡辺謙のように「日本を背負う」とまではいかないが、それでも、日本人というものにあまり馴染みがない人にとっては、まかり間違うと私の振る舞いが一般化されてしまうであろうことは心得ている。そういった意味で自分の言動には常に気をつけている。

いろいろ問題はある国だけれど、私はやはり日本人であることに誇りをもっている。どこにいても、日本のために少しでも貢献できるような自分でありたい。

#COMEMO

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