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その土地との出逢い|ある土地での物語#1

今年2023年3月に購入した山林を開拓していくまでのことを綴った記事です。不思議な巡り合わせを感じているこの土地は、モノづくりが好きなだけの素人3人家族が、まだ足を踏み入れたばかりの状態です。
ひとつのノンフィクション物語として、読んで頂けたら嬉しいです!

わたしの人生で、まだ実現してないことってなんだ?

ある日、そんな問いかけを自分にする機会があった。
その時しばらくそのことを感じ入って、まず浮かんできたのが「家づくり」だった。それは、単純にハウスメーカーに依頼して、というニュアンスではなかった。

家という拠点をもった上で、そこからの「場づくり」、自分の居場所、フィールドを拡げていきたい、そこから始まる。

それがわたしの中から浮かび上がってきた言葉だった。

東京から熊本へ移住してきて1年半。
仮住まいのアパート暮しで土地探しをしていた。パートナーである夫の会社の借り上げ社宅で、借りられる期間には限りがあり、とはいえあと6年くらいは住むことができるので、まあ焦ってはいないし、とゆっくり土地探しをしていた。

いつまでも生きていられるわけじゃない。今この瞬間だからこそできることをやっていかないと、いつが人生最後になるか分からない。

このとき、強烈なメッセージに当てられたと同時に、
部屋の中に強風が吹きこんでいた。

過去にもこうゆう風を知っていて、こんな風に吹かれるときは変化のサインだ。抗えない変化の波がプッシュしている。行動しないとどうなるか分からないが、行動せざるを得なくなる予感がした。

その家はどこにある?

その問いかけに自分の中から瞬時に「すぐ近く」と返ってきた。

そしてこれまで土地探しをする際に「地図で検索」というのをやっていなかったな、と思い立ち、住みたいと思っていた地域をピンポイントで検索してみた。

すると、これまで検索に上がってこなかった土地を見つけた。

地目:山林 面積:約1000㎡

都市計画区域外なので建物を建てるのに建築確認もいらない立地だ。
なにより理想的なポイントに所在している。

早速現地を見に行くと、草が鬱蒼と生い茂る平地だった。
左端に桜の木と、真ん中にイヌマキ、その奥には杉の木と竹林が見える。

残念なのが、両隣と向かいに民家が3軒あり、コの字に挟まれたような立地だったこと。ただ建物はその3軒以外はなく、道路にも面していない奥まった場所だった。

1000㎡にしては狭いな?と思ったら、杉と竹の前の土地が急傾斜になっていた。そこから下の竹林あたりまでが含まれているらしく、実際の平地部分は600㎡程だった。

写真を撮影していたら、突然なにかが映りこんだ。
虹のような光で、空を見上げると薄っすらと彩雲が出ていた。

なんだか祝福されているような気分、と思った。
こういう意味付けは自由で、そんな気がするということはだいたいその直感が当たっていると思う。

その日はひとまず持ち帰って、それから何度も何度もその土地に足を運んだ。ただ、どうしてもここに住むというイメージが湧かなかった

ある日、またその土地に行くと、雨の翌日だったからかザーザーと水の音がした。地域の用水路があるのでそれだと思っていたら、傾斜地の下の奥を覗き込むと、キラッと光る水辺、沢を発見した。

ズームで撮影したので見にくいですが

ここ、水辺があったんだ!

するとそこへ一羽の大きな鳥が舞い降りた。
鳥はしばらく水を飲むと、すぐに飛び立って、わたしの頭上をグルっと旋回し、去っていった。

去っていく姿をカメラに収めた。
すごくかっこいい、主のような風格ある鳥だった。

白さぎかな??

威厳を放ちながら旋回していく鳥の姿を見て、またもこの場所から、なんらかのメッセージを感じた。

思いつきで、今度は目を瞑って、

メッセージを写真に表してください

と意図して、でたらめにシャッターボタンを押してみた。

すると、見たこともないような光が映りこんだ。

その後何度写真を撮ってもこんな光はこの写真だけで、
この時、精霊とか妖精がいるとしたら、そんな存在たちが、
わたしたちをウェルカム!と言っているのは確信した。

ただわたしには、どうしても譲れない条件があって、この土地はそれを満たしてはいなかった。

(つづく)


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