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ほんとうの自分になると、いまここを生きるようになる

臨床心理学者のカール・ロジャーズは、カウンセラーの支援を受けながら自己観察を進めて行く人はみな、ほんとうの自分になる方向に変化していくと言います。そして、人がこうした方向での変化を最大化したならば、「十分に機能す人間」という人間像が現れるだろうと想像しています。

「十分に機能する人間」には、3つの特長があると言います。

①もっと自分自身に耳を傾けることができるようになり、恐怖や、落胆や、苦痛といった自分自身の感情をもっとよく味わえるようになる。毎日が自分についての新たな発見の連続となる。

②その瞬間を生きる。自分が次の瞬間にどうなるか、何をするか、ということは、その瞬間に生まれて来るものであって、自分にも他の人にも前もって予測することはできない。

③人生で正しい選択をする上で最も重要なのは、自分が「正しいと感じる」ことをすること、それがよいような「感じがする」ことをする。
(諸富祥彦、「カール・ロジャーズ」より)

行動の基準として、何かの原則や過去のやり方、他者の意見、社会の常識などの外部の基準を用いるのではなく、その瞬間瞬間に自分が感じる感情や感覚を基準とするようになるというのですね。

このような人は、危ない奴だと思われるのではないでしょうか。いまここを生きるということは、嫌われる勇気をもって生きるということに通じるものがあるのでしょう。


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