最近の記事

フォーカシングと氣

(引用はじめ) (フォーカシングとは、)知的に思いを巡らしたり、自分に「こうすべき」「ああすべき」と何かを言い聞かせたりするのをやめて、自分の内側にていねいに、ていねいにふれていく。自分の内側に静かに耳を傾けて、そこから聞こえてくるメッセージを丁寧に受け止めて行く姿勢のことです。 (諸富祥彦、ほんものの傾聴を学ぶ) フォーカシングでは、はっきりとした感情や言葉になる以前の曖昧な感じをていねいに触れて行くのですが、自分の内側に向かい合っていると、過去の嫌な体験や、自己評価を下

    • 行動の背景にある目的についての深い洞察を、身体感覚が与える

      地球は行動の星だと、納税額日本一の斎藤一人さんは言います。起業家の場合は、そのことは明らかです。自分が行動しなければ、何も進みません。では、どうしたら行動できるでしょうか。 行動の背景には目的があると、心理学者のアドラーは言います。しっくりした目的を捉えられると、迷い無く行動を起こすことができるでしょう。しかし、初めは元気よく行動することができても、やがて、難しいことが出て来たり、年月が経ったりしていくと、行動を起こすエネルギーが枯れてしまうかもしれません。困難を超えて、飽

      • 行動の背景にある目的を捉える

        「嫌われる勇気」という言葉で知られるようになったアドラーは、フロイトから離れて独自の心理学を作り上げていきました。「行動」の背景には「目的」があるというもので、クライアントの過去の事実から人生の目的を探り、豊かな将来を創造させようと働きかけます。 もっとも、過去の事実について、その意味をクライアントが解釈できなかったり、その事実を否認していたり、その事実があったことを認識していなかったりする場合には、アドラーの方法でカウンセリングしても人生の目的を探り出すことは困難だという

        • 傾聴によって、あなた自身が救われる

          自分を変えることはできても、相手を変えることはできない。しばしば、言われることですね。傾聴についても、同様です。相手を変えることは目的ではありません。 傾聴の目的は何でしたっけ? ただ、そばに居て聴く。 これだけで、支えになるのでした。 心理カウンセラーの岩松正史さんは、傾聴によってあなた自身が救われる、と言っています。 (引用はじめ) この本の中で何度も、「気持ちに意識を向けて話を聞きましょう」と言ってきました。それができるようになると、自分の気持ちもよく理解できるよ

        フォーカシングと氣

        • 行動の背景にある目的についての深い洞察を、身体感覚が与える

        • 行動の背景にある目的を捉える

        • 傾聴によって、あなた自身が救われる

          そこにいることそのものが、支援になる

          心理カウンセラーの岩松正史さんは、傾聴は簡単にはできないと言います。そこで、傾聴のスキルを磨こうとするけれども、「相手の気持ちに寄り添い、共感的に理解する」という本質を忘れないようにして欲しいとしています。 (引用はじめ) テクニックもだいじですが、「いつでも聴くよ。理解しようとしているよ」という姿勢でそこにいることそのものが、支援になるのです。 (岩松正史、13歳からの「傾聴力」向上バイブル) 「存在としてのヒーラー」という言葉を、サイキック・ヒーラーの寺尾夫美子さんは

          そこにいることそのものが、支援になる

          傾聴スイッチを備えておく

          心理カウンセラーの岩松正史さんは、傾聴スイッチというものについて書いています。傾聴は、信頼関係を作るのにとても良い方法だけれども、いつも傾聴することが必要なわけではないというんですね。 相手が、話を聞いて欲しいのかも知れないとき、寄り添ってあげた方がよさそうなとき、そんなときに傾聴するのがよい。そうでないときは、自由に意見を言っていいし、言い争いをしてもいい。(岩松正史、「13歳からの『傾聴力』向上バイブル」より) 傾聴スイッチとともに、スイッチを入れるべきか否か、判断す

          傾聴スイッチを備えておく

          傾聴できると、人付き合いが楽しくなる

          心理カウンセラーの岩松正史さんは、人付き合いが苦手だったそうです。話題を豊富に持つために、物知りになるしかないと思っていました。 (引用はじめ) ところが傾聴を勉強すると、物知りにならなくても話ができるのだということが分かりました。うなずきやあいづちをしながら相手の話をよく聴いたり、繰り返しや伝え返しをすることで、相手が安心していろいろな話をしてくれるようになるからです。 (岩松正史、13歳からの「傾聴力」向上バイブル) 相手が、自分の知らない専門的なことを話題にし始めて

          傾聴できると、人付き合いが楽しくなる

          傾聴すべきは、相手の気持ち

          無条件に相手を受け止め、「あなた」を主語に共感し、自分にも相手にも嘘をつかない。この3つが、傾聴のポイントです。そして、傾聴すべきことは、相手の言う事実ではなく、相手の気持ちです。 (引用はじめ) 相手をよく理解し、人間関係を豊かにするためには、相手の気持ちを知らなければなりません。だから傾聴は、ことがら(事実)よりも相手の気持ちを聴くことに注力するのです。 (岩松正史、13歳からの「傾聴力」向上バイブル) 自分を傾聴するときも、意識を集中すべきは事実ではなく、自分の感情

          傾聴すべきは、相手の気持ち

          相手の言うことをすべて受け止めて聴いていると、辛くなる

           心理カウンセラーの岩松正史さんは、相手の言うことを全て受け止め、自分の言いたいことを言わずに我慢したり、全く賛成できないことに対して反論せずにいると辛くなることがあると言います。そして、このような状態を、「自己一致」していない状態と呼んでいます。 (引用はじめ) だいじなのはあなたがどう思うかではなく、「相手がどう思うかをわかる」こと。これが共感的理解です。 乱暴な言い方をすれば、相手がどう思おうと私の意見とは関係がない、だからイラっともしないし同意しているふりをする必

          相手の言うことをすべて受け止めて聴いていると、辛くなる

          共感の主語はあなた、同感の主語は私

          (引用はじめ) Aさん「○○がきらいなんだよね」 Bさん「わかる~、私もきらい!」 この会話の場合、BさんはAさんに共感していると思いますか? じつはこれ、共感ではありません。では何かというと、「同感」なのです。 (岩松正史、13歳からの「傾聴力」向上バイブル) 心理カウンセラーの岩松正史さんは、同館と共感の違いは、主語に現れると言います。同感は、「私もそう思う」。これに対して、共感は、「あなたはそう思うんだね」。同感の主語は「私」であるのに対して、共感の主語は「あなた」な

          共感の主語はあなた、同感の主語は私

          どうしてほんとうにやりたいことがわからなくなったのか

          仕事や勉強に取り組んでいても、なんか違うなあ、ほんとうにやりたいことは別のところにあるような気がするなあと、もやもやする漢字を持つ人は少なくないでしょう。 (いんよう始め) だれでも人から愛されたい、認められたいという欲求があります。しかし、ほとんどの人は無意識のうち、「ありのままの自分では愛されない(認められない)」と思っています。それが、「親を喜ばせたいから(やりたくないことでも)がんばる」「先生にほめられたいから(いやなことも)がんばる」というような行動につながってし

          どうしてほんとうにやりたいことがわからなくなったのか

          自己理解・自己受容の方法としての傾聴

          自分の心の声を聴くとか、自分に向かい合うとか、更には自分を呼吸するとか言っても、なかなか難しい人が多いでしょう。今日の昼食に何を食べたいかということさえ感じ取れない人も少なくありません。 自分の気持ちを聴けない人は、他人の気持ちを聴くことはできないと言われます。言い換えると、他人の気持ちを聴くことができるならば、自分の気持ちも聞くことができることになります。 心理カウンセラーの岩松正史さんは、人の話を上手に聴くことを「傾聴」というと言います。そして、傾聴とは、心理学者のカ

          自己理解・自己受容の方法としての傾聴

          自分の体験に十分に開かれている人は、正しい解を直観で得る

          人生で正しい選択をする上で最も重要なのは、自分が「正しいと感じる」ことをすること、それがよいような「感じがする」ことをすることだとロジャーズは言っています。 (引用はじめ) 自分の体験に十分に開かれている人(引用者注:自分が「正しいと感じる」ことをする人)は、その状況に於いて自分自身の行動の基礎となるあらゆるデーター社会からの要請、自分自身のコンプレックス、葛藤している欲求、過去の同じような場面の記憶、この状況の独特さについての知覚などーにアクセスすることができる。そのデー

          自分の体験に十分に開かれている人は、正しい解を直観で得る

          アドラー心理学の普遍性

          アドラーの考えはアドラー心理学と呼ばれていますが、心理学と呼ぶには心理的メカニズムの裏付けがとても弱いような印象を受けます。 もっとも、現代社会に於いて多くの人々に支持され、有用性が確認されているようですので、心理学的アプローチや脳科学的アプローチによって、心理的メカニズムが裏付けられ、普遍性が確認される点が多数見出されるのではないでしょうか。 この点はアドラー心理学の研究課題として意味あるものでしょう。また、アドラー心理学を理解するに於いては、他の心理学や脳科学を参照す

          アドラー心理学の普遍性

          ほんとうのじぶんを捉える方法としてのアドラーの目的論

          カール・ロジャーズの来談者中心療法を受けると、クライアントはみな、ほんとうの自分になる方向へ変化していくと言います。自己実現の方向に変化すると言い換えていいでしょう。 もっとも、来談者中心療法を受ける機会はなかなか得られないし、一人で自己観察を進めることも容易ではないし、そもそも、自己実現という言葉は抽象的で捉えにくい。 そのように感じられる場合には、アドラーの目的論を採用しても良いでしょう。アドラーは、目的には有用な目的と無益な目的とがあると言っています。この有用な目的

          ほんとうのじぶんを捉える方法としてのアドラーの目的論

          自分を呼吸する

          文化人類学者の奥野克己さんは、社会人類学者のティム・インゴルドによる主張を紹介してます。 (引用はじめ) 生きている、というのはすでにゴールの決まっているプロセスを歩むことではありません。むしろ、行き先が未定で、宙に投げだされたかのような状態で変容していくプロセスに他なりません。インゴルドにとって「生きている」とは、人とモノ、人と環境が持続し、瓦解するプロセスを進んでいく中で開かれる現実なのです。 (奥野克己、天才学者は突然現れる、ttps://gendai.media/a

          自分を呼吸する