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自分を呼吸する

文化人類学者の奥野克己さんは、社会人類学者のティム・インゴルドによる主張を紹介してます。

(引用はじめ)
生きている、というのはすでにゴールの決まっているプロセスを歩むことではありません。むしろ、行き先が未定で、宙に投げだされたかのような状態で変容していくプロセスに他なりません。インゴルドにとって「生きている」とは、人とモノ、人と環境が持続し、瓦解するプロセスを進んでいく中で開かれる現実なのです。
(奥野克己、天才学者は突然現れる、ttps://gendai.media/articles/-/131510?imp=0

すでにゴールの決まっているプロセスを歩むというイメージは、定まっている運命を歩むという人生のイメージでしょうか。インゴルドは、生きているということは常に変容していくプロセスだというのですね。

この一瞬一瞬、自分を取り巻く環境は、自分の身体は、自分の感情は、常に変容していく。その変容のありさまは感覚器により捉えられ、情報として脳に届けられている。その感覚を認識することを、自分を生きるとか、自分を呼吸するとか言うのでしょう。

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