「目的」はなくてもいい
まだ低学年だっただろうか、はじめてテレビで将棋の対局を観たとき、いろんなことが新鮮だったのを覚えている。
ほとんどの棋士が駒を人差し指と中指ではさんで、”パチン” と音を立ててすすめていたなぁ。女の人が動いたところを数字で読み上げている。駒の場所って数字で決まっているんだ。盤を挟んだ二人はいつまでたってもなかなか次を指さないし、待ったなんて絶対なさそうだ。解説の人もなんだかすごく強そうで貫禄がある。なによりもあんなに分厚い将棋盤を今まで見たことがなかった。
当時は中原誠名人