【旅】横浜・野毛 放浪記
こんにちは。
早いもので もう5月も終わろうとしています。
こちらはようやく花粉も収まりを見せ、
間もなく梅雨、そして夏を迎えることでしょう。
”ましうー” に来て下さり、ありがとうございます。
今回は「旅」シリーズ第2弾。
横浜は野毛エリアについてお送りします。
旅といいつつ、完全に「酒場放浪記」になってしまいました。
ーーー
噂には聞いていた。
横浜の野毛地区には、酒飲みの聖地が密集しているらしい。
先週、そんな憧れの地に足を踏み入れるという夢がついに叶ったのであった。
まずJR横浜駅で乗り換えて 桜木町へ。
そしてその駅に隣接している「ぴおシティ」の地下2階にもぐる。
そこは地上とは別世界。なんだこの活気にあふれたエネルギーは。
都会に隣接しながら独自のパラダイス感をかもし出す、まるでオアシスではないか。
日曜の昼下がりというのに、そこは千ベロを求める酒飲みたちで埋め尽くされていたのであった。
20程の店のほとんどは壁や扉のないオープンスペースで、
中の様子がとても近くに感じられる。
まずは探索がてら全体を一周してみよう。
なるほど、このフロアー全体は
立ち呑みあり、鉄板あり、中華あり、焼鳥あり。
どれもこれも活気があってお客も満面の笑みで上機嫌である。
予めある程度の情報は仕入れてきたのだが、
もうそんなのは関係ない。
鼻を利かせてアタックすることにする。
既に高揚感に満たされた心臓の高鳴りは、全く抑えることができなくなっていた。
【1件目】鉄板ホルモン 五の五
鼻を利かせるとは言いつつ、麻婆豆腐の旨そうな店はチェックしていた。
まずはフロア入口にある「中華酒場 風来坊 本店」をトライしてみる。
一人くらいは入れるだろうと淡い期待を抱くも、あえなく撃沈。
席がいっぱいということで、
近くでことさら目立っている「鉄板ホルモン 五の五」へ。
暖簾だけで仕切られている店内は鉄板の調理の音と匂い、そして悦に浸っている酔客で溢れ、他に比べ圧倒的な数を誇る席もそのほとんどが埋まっている。
だが5分程の待機で無事通路に面したカウンターへ。
もうワクワク感が止まらない。
なるほど、店の名前にある通り
ホルモンのリストが充実している。
しかも安い!
飲み物と、基本に則ってホルモンを一つ注文。
ハイボール安い! 飲み物の出てくるスピード感は印象がいい。
だがホルモンはなかなか出てこない。
目の前の鉄板で調理をしているのだが、
何気に見ていると仕事の丁寧さがうかがえる。
安かろう軽かろうといった雰囲気は毛頭感じられない。
余計に気に入ってしまった。
飲み物だけでチビチビやっていると、ようやく待望のホルモンが登場。
サイズは小さいが故のこの値段なのだろう。
でも酒のアテには申し分ない。味も上々。非常に満足である。
奥では鉄板以外の調理をしているようだ。
運び出される卵焼きが目に入ったのだが、なかなか旨そうである。
今度 縁があったら迷わず頼もう。
ここで腰を据えるつもりは毛頭ない。長居は野暮というもの
サクッとやって、次を回ろう。
【2件目】酒蔵 石松
さっき入れなかった「中華酒場 風来坊 本店」に再びトライするもアウト。
でもいい。ダメ元だから。
後でまた来ると言って、次に行くことに。
ここからちょうどフロアの対角線上にある「酒蔵 石松」へ。
立ち呑みでありながら、超激混み。
でも一人分なのでなんとか潜り込めた。
しかし、よくもまあこんなに人が集まるもんだ。
昼間っから飲んだくれてんじゃねえよ、と心の中で自分と同じ大衆に向けてエールを送る。
席につくと、ほどなくおばちゃんが注文を取りに来る。
角ハイボール。厚焼き玉子も。
おっと、ハイボールはニッカもあり、こっちの方が安かった。
しかもこちらの方が好みである。
まあ、少々の失敗はお愛嬌。水、ではなく酒に流そう。
4人程のテーブルスペースで、見知らぬ人に混ざり酒をやっているところへ、
ほどなく卵焼きが運ばれる。
そしておばちゃんの「830円!」。
どうやら、注文の最後が揃うたびにお会計をするシステムのようである。
その場での支払いは楽でいい。
レシートを必要としない人にとっては更にスマートではないだろうか。
卵焼きは甘味が主張しているタイプで、自分の好みではない。
でもそんなことは全然気にならない。
この空間にいられるだけで、幸せである。
でも、さっきの店の卵がいささか気にはなる。
【3件目】中華酒場 風来坊 本店
三たび、「風来坊」へ行ってみる。
なんと三度目の正直、中へ通された。
粘った甲斐があった。
まずはお飲み物ということで、またしてもハイボール。
今日はなんとなくビールを頼む感じではない。
たまにはこれもいいだろう。
目当ての品を探して壁のお品書きに目をやる。
本格四川ピリ辛麻婆豆腐。
おー これだ。堂々と目立っている。
1・3・5・7辛 までがデフォルト料金。
さらに10辛、20辛とある。
店員さんに辛さを聞いてみると、
10辛以上になると結構辛いとのこと。
初めてのカレー屋でもよくあるのだが、店によって辛さのレベルは異なり、
その度合いを表す数字なんかはあてにならないのが普通だから、
ここでもそれは同じだとすぐに理解。
雰囲気的に無難と判断した「7辛」を注文。
なるほど、鉄鍋に収まった憧れの君は、グツグツと息を吹きながら
香り高く悠然とやってきてくれた。
これだ。何度もトライした甲斐があった。
山椒の香り、いつまでも持続するグツグツ熱々、絶妙のとろみ加減。
ごはんなんか無くてもいい。
ハイボールにベストマッチである。
カレーもそうだが、辛さは額に汗がにじみ出るくらいがちょうどいい。
下と汗腺で味わうのである。
次はもう一段上を試してみよう。
ぴおシティに於ける今日一番の高額料理だが、
これだけの価値は十二分にあるというもの。
超満足。
大画面に映し出されている横浜ベイスターズのゲームなど、
全く入ってこないのであった。
【散策】ハーモニカ横丁
あの有名な「野毛都橋商店街ビル」、通称「ハーモニカ横丁」は
ここ「ぴおシティ」から歩いてもさほど遠くはないらしい。
調べてみると開店は 夕方17以降が多い。
だがその雰囲気・歴史観を伴う重厚感だけでも目にしてみたい。
ということで、ちょっと箸休めで出向いてみることに。
10分も歩くと、迷うことなく飲み屋街に到着。
飲み屋街というよりも、長さ数百メートルにも及ぶ2階建て雑居ビルと言った方がしっくりくる。
建物は川にそって鎮座しており、
1階入り口は川とは逆の道路沿いに面しており、
階段を上って現れる2階入り口は川を望んで並んでいる。
まだこの時間、ほとんどシャッターが閉まっており、
店の内部はうかがえない。
でも、超ディープ。個性的な空気が満載である。
途中「野毛小路」や「動物園通り」など飲食店が充実しており、
あちらこちらかなりの頻度でご機嫌な人たちに遭遇した。
ここも日曜の昼間っから、幸せな酔客がみなグラスを片手に調子を上げていた。
【4件目】焼売のジョー
爽やかな外の空気を吸ってきたところで、再び「ぴおシティ」へ。
空港へのJR駅に隣接しているので、ここに来るのが導線として流れ的に良いのである。
日曜日の夕方、ますます混雑度が増してきた感じ。
「イザカヤ三角」や「太陽ホエール」、「国民酒場 じぃえんとるまん」なども狙ってみたが、満席で入店かなわず。
そろそろ飛行機の時間も気にしなければならないので、
「焼売のジョー」を伺ってみると、通路側に椅子をスタンバイしてくれた。
写真左下の椅子がそれ。
QRコードを読み取ったスマホで注文をするのは、これまでになかったシステム。きょうびの居酒屋チェーン店と同じ流れである。
ここでもまずはハイボール。
今日は最後までハイボールで通した。
1軒につき1杯止まりなので、4杯しか嗜んでいない。
アプリを入れると一品サービスとのことだが、
面倒さが勝ってパス。
店の売りである焼売を2個注文。
これを最後の店にしようと思い、もう一品小籠包3個。
餃籠包(ギョウロンポウ)。おそらく餃子で小籠包的な形になっているのか、と想像できたが、ここは無難に小籠包を。
まとめ
結局4件回り、それぞれ1杯と1品(最後は2品)。
平均すると 1件につき 1,000円。まさに千ベロである。
全ての店でお通しが無かったのもこの安さの要因であろう。
このような店は長居は無用、色々物色しながら歩いている時間の方が長かったかもしれない。
特別グルメな食品に出会ったわけでもない。
でも充実感は十分な領域に達した。
おいしいとか楽しいというのは、
食品の完成度や味の良し悪しだけではなく、
その場の雰囲気やそのときの精神状態が決める割合が多くを占める、
ということを改めて実感した、今回の旅だった。
この、「おいしい」ということを綴った記事が過去にあります。
よろしければ、目を通してみて下さい。
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