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「友だち」とは

こんにちは。
今日も ”ましうー” に来て下さり、ありがとうございます。

いよいよ爽やかな季節到来
と思っていたら、
もう熱中症の心配が必要な地域もあるんですね。

関係は無いんですが、
今回は、些細であるようなないような、「友だち」というものについて触れていきたいと思います。

ーーー
もう今から随分前の話になる。
以前から顔見知りであったある会社の社長さんと、偶然行きつけの居酒屋で出くわした。
そのとき社長さんは隣の知人に向かい、自分のことを「友だち」と紹介してくれた。

もちろん自分とは歳も地位も全く違う方なのだが、大人が子どもの目線に合わせてしゃがみ込むように、親しみを込めてこの言葉を発してくれたのだ。

むやみに「友だち」と関係づけられるのは得てして嫌な感じを受けるものだが、
このときの「友だち」という響きは、いたく胸に刺さり込んだものだった。

もちろん自分とは歳も地位も全く違う方なのだが、大人が子どもの目線に合わせてしゃがみ込むように、親しみを込めてこの言葉を発してくれたのだ。

むやみに「友だち」と関係づけられるのは得てして嫌な感じを受けるものだが、
このときの「友だち」という響きは、いたく胸に刺さり込んだものだった。


人との出会いは、たいていの場合「はじめまして」から始まることが多い。
友人からの紹介、仕事を通しての交わり、たまには飲食店で言葉を交わすことがきっかけになることもある。

だが、こうして初めての人と出会って、いきなり「友だち」となることはほぼない。

仕事上の付き合いは社名や肩書がもれなく付いてくるし、
居酒屋で知り合った相手とは「あのときの~」となるだろう。

まずは「知り合い」という段階から始まり、これがしばらく続くものだ。


さて、ここからが問題となる。

何となく気が合いそうだと感じたらお近づきになりたいと思うだろうし、
このままの状態でいいとなったらそれなりの対応で済ませる。

ふつうは成り行きに任せることが多いが、
出会う機会が重なっていくと距離感が縮まっていくもので、
深い関係になることを望まなくても言葉使いが緩んでくるだろうし、
仕事相手とは阿吽の呼吸も生まれるかもしれない。

そして仕事上の付き合いではなく、社会的地位がそれなりに近いと、
いつしか「知り合い」が「友だち」に変わっていくのだろう。


では、いつどのタイミングで、「友だち」という関係になるのだろうか。

ーーー

そもそも「友だち」とはどういう状態をいうのか。
どのようになったら、お互い「友だち」と認識し合うのだろうか。

「知り合い」の段階なら、
偶然出会う程度で顔見知りになったり、職場や学校の父兄関係など特定の範囲に留まることが多い。
プライベートの時間までは浸食したりせず、表面的な情報交換や交流までに収まる。

それに対し「友だち」とは、
プライベートの共有まで立ち入り、喜びや悩みを理解し合い、お互いの信頼関係が成熟する。


こう考えると、「知り合い」から「友だち」への進化には、距離感というものの変化が存在するのではないだろうか。


関係性を深くしたくないなら、距離感を保っていればいい。
仕事上の付き合いだと、かえってそれが必要になることも多い。

だが、お近づきになりたい場合はなかなか大変なもので、
特に人見知りの性格を持っていると、そうそう相手と近づくのが難しいものだ。
言葉を交わすことにハードルを感じたり、相手の気持ちを受け入れることに時間がかかったりする。
距離感というものが大きく存在し、親しくなることが難儀となる。

また、一方がそれほど親密さを感じていないところに急な接近を持ち込むと、
そこには嫌悪感が生じてしまう。
「うざい」という言葉とともに、かえって関係性が悪くなるものである。


だから「友だち」云々の前に、お互いの関係性をいい感じに保つためには、距離感をうまく調節することが有効になる。
無難な関係を築きたければ、下手に距離を近づけるよりそれなりの距離感を持った方が世の中うまく渡れたりする。
「親しき仲にも礼儀あり」にも繋がるかもしれない。

逆に近づきたい相手には、様子を探りながら距離を縮めることに気持ちを費やすことになる。
人間関係もうまくいくだろうし、
この操作が得意な人は人付き合いが上手なのかもしれない。
もちろんそこにはキチンと空気を読む力が必要になるが。

なんだか恋愛のそれと似ている。

ーーー

「友だち」意識は、気がついたらそうなっている、というものなのだろうか。
確かに恋愛にある告白が「友だち」になるために使われることは、
全く無いとは言わないがごく稀であろう。

「友だち」関係になりたいと思っているときにそれを成就するのは、ある程度の壁があるのかもしれない。
「親友」となるには同じようにハードルを越えることになる。

だから、「友だち」とまで言い切ることに抵抗があるのなら、
「ママ友」とか「ゲーム友だち」など、友だちの前に何かを付ければ良い。


「友だち」と認識し自然と言葉に表せたら、お互いの親密さは非常に増すし嬉しいものである。

「友だちだよね」の切り出しから無理なお願いごとをするのは、借金など内容や程度にもよるが、ご愛敬なのかもしれない。

ただし、
相手のことを「恋人」と思っているところに、「この人友だち」と紹介されたら、これは非常にショックであるが。

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