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物語 〜愛子の日常〜

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『愛子の日常』という物語を書いています〜 是非覗いていってください。近々、書籍化もしますので、そちらも宜しくお願いします。
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『愛子の日常』 物語をまとめて見たい方はこちら↓↓↓

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第一話 〜愛子の誕生〜序章 Ⅰ.

ハピバースデートゥーユー 
ハピバースデートゥーユー

ハピバースデー ディア セントー

ハピバースデートゥーユー

彼の名はルーカス・セント・トーマス

緑豊かなロンドンの郊外に堂々とたたずむトーマス邸の主となったジョージが、スコットランドから嫁に来た一つ年下の妻オリヴィアとの間に授かった元気な男の子だ。

トーマスという苗字は、新約聖書からきている。つまり

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小説『愛子の日常』 本編9

小説『愛子の日常』 本編9

〜セントの悟り〜

セントの熱心な希望もあり、バカンスの後半は、京都に行くことにした。

そこでは、とあるお坊さんとの出会いがあった。

セントとさやかは新幹線で京都まで行くと、お寺を転々と訪ねて歩いたのだが、とあるお寺に行った時、お坊さんが現れてお寺の縁側にセント達を案内してくれたのだった。

その縁側からは、質素で何か静寂さを感じる日本庭園が見渡せた。

お坊さんは言った。「まぁ、この寂しげな

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小説『愛子の日常』 本編7

小説『愛子の日常』 本編7

~セントの過去~

「大丈夫だよ」

セントのスマホにメッセージが届いた。

見ると、さやかからだった。

なんでも、今日退院をして家でゆっくり休んでるとの事だった。

セントは久しぶりにさやかと待ち合わせをした。

場所は職場の近くの公園だ。

この日は平日だったが、セントはぱっぱと仕事を切り上げ公園に向かった。

セントが公園に着いてから20分後にさやかはやってきた。

頬はやつれ、身体は痩せ

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小説『愛子の日常』 本編4.

小説『愛子の日常』 本編4.

〜陶器のコップ〜

時間というものはすぐに過ぎ去ってしまうもので、来週の火曜日はすぐにやってきた。

2人は15時に仕事を終えるとセントの家へと向かった。セントの家はロンドンの中心街からは離れていてバスに乗って行かなければならない。

2人がセントの家に着いた頃には16時をまわっていた。ただ、アフタヌーンティーには丁度いい時間にも思えた。

セントはさやかを自分の部屋に案内した。

さやかが部屋に

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小説『愛子の日常』 本編3.

小説『愛子の日常』 本編3.

〜運命〜

グリニッジ天文台に行った次の週の金曜日。
この日もセントはイライラしていた。

なんでも、さやかがアメを配ったことが原因だったらしい。
さやかは袋いっぱいにアメを持ってきていた。そのアメを職場のみんなに配って歩いていた。

セントはそれを見て、アメなんかいらないと思った。どうせ配るなら、チョコレートやお菓子を配ればいいのに。アメなんかもらって喜ぶのは子供だけだと、さげすんだ。

さやか

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