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詩・短編小説風

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【詩】記憶

【詩】記憶

大好きだったあなたの記憶。

いつも思い出すあなたの顔は
別れる時にみせた悲しい顔
僕の方が悲しいはずなのに
あなたも悲しそうな表情だった

そんなあなたとの記憶も
思い出す回数が減ってきた
苦しみが減って嬉しいけど
やっぱり私の人生には
あなたの記憶があって欲しい

あなたには私の記憶はどのように
保管されているのか
僕と同じように
たまには思い出して
脳の中で僕のイメージが
作られているだろう

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【詩】雨が上がった後の

【詩】雨が上がった後の

人は必要がなくなると
すっかりその存在を忘れてしまう

雨が上がったあとの傘みたいに
記憶から存在が消えてしまう

かろうじて記憶が残っていて
傘を忘れなかったとしても
雨が降っていた時のありがたさなど
風に飛ばされてしまい
むしろ邪魔に感じる

自分勝手な自分が嫌になるけど
それが自分だからしょうがない

【詩】光り輝く未来へ

【詩】光り輝く未来へ

交差点に差し掛かって
どっちの方向に行きたいのか
僕は分からなくなった

まっすぐ進もうと思ったけど
光の少ない空気が漂っていて
僕は立ち止まった

利き手である右の方向を見ると
人だかりがあって人々が騒いでいる
噂話や陰口て盛り上がっているみたいだ

左手の方向を見ると
妖艶な女性たちが笑顔で手招きしている
その横で疲れた表情をした男たちが座っている

後ろを振り返ると
歩いてきた足跡が光りかが

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詩 どっちでもいい

詩 どっちでもいい

「私のこと、本当に愛してる?」

本当のことを言えばいいのか
嘘をついた方がいいのか
どちらの回答にしても
証明ができない

なんて無駄な問い

無難に回答しておこう

「あたりまえじゃないか」

小さな幸せ

小さな幸せ

チューイングガム1枚の味

2枚同時に食べれば
その美味しさが2倍になる
そう思って食べる
でも味は変わらない

3枚同時に食べても同じ
1枚の時と満足感は変わらない

10枚同時に食べれば
口の中がいっぱいで
噛みにくいだけ

人生の幸せも
同じようなもの

1つの小さな幸せも
1度に多くの幸せも
幸福感は変わらない
多すぎる幸せは
心がいっぱいになりすぎて
幸せを感じにくい

それよりも
いく

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残された時間

残された時間

窓から見える景色
ゆっくり走っている車
冬晴れの空に大きな白い雲
時が止まったように感じた

今までと同じ空なのに
いつもより綺麗に
そして寂しく見える
空に薄いオレンジ色が混ざってるから
それとも心に混ざってるから

あとどれくらい
見れるんだろう
この世界の美しさを
こんなに綺麗だったなんて
今まで気づかなかった
他のものの方が
綺麗なものに見えていた
この空の方が
純粋で美しいのに

ひとは

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詩 振り返る

詩 振り返る

後ろに気配を感じて
足を止め、身体を反転させて
ゆっくりと振り返る
でも誰もいない

また歩き始めるが
やっぱり誰かが後ろにいる気がして
また足を止め、ゆっくりと振り返る
でも誰もいない

僕は分かっている
僕の思い込みが気配を感じさせる
いつも僕の横を歩いていた
大好きだった彼女が
後ろにいるんじゃないかって

後ろに隠れていて
「やっばりあなたと一緒にいたい」
そう言って
また前みたいに僕の横

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詩 ありがとう

詩 ありがとう

この気持ち、どうやって伝えたらいいのか。

じっとあなたの目を見る。

あなたの手を握る

あなたを抱きしめる

あなたに微笑みかける

どんな動作をしても今ひとつ伝わらない。

「ありがとう」

この言葉がなければ

この気持ちはあなたに伝わらない

発音の仕方は違えど

どの国にも存在する言葉

最後にこれだけを言いたい

最後まで読んでくれたあなたへ

「ありがとう」
#シロクマ文芸部

詩 リセット

詩 リセット

あなたの心変わりを恨んでもしょうがない
好きじゃなくなろうとして
好きじゃなくなったわけじゃない
そんなこと私にだって
分かってる

でももう少しだけ
あなたに寄り添っていたかった
もう少し長く一緒にいれば
あなたと一緒のタイミングで
嫌いになれたかもしれない

「あなたには幸せになって欲しい」
別れ際にそんなこと言ってしまったけど
強がってただけ
他の誰かと幸せにしてる姿なんて
死んでも見たくな

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詩 傷つきやすい

詩 傷つきやすい

昨日星空を見上げたときと
今日星空を見上げたとき
たぶん僕は、星が一つくらい無くなっていても
気づかないだろう

もし気づいたとしても
たくさんあるんだし
一つくらい少なくても
あるいは多くても
たいしたことじゃないと
思うに決まっている

そもそも星に
あまり興味がないんだし
でも綺麗だとは思うけど
細かいことは気にしない
まぁいいじゃないかとら

星と同じように
人間の命のことも考えれたらな

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ひっつき虫

ひっつき虫

私はひっつき虫になって
あなたにくっついていたい。

ズボンの裾の方
あなたが気づかない場所にひっそりと。

そしてあなたの近くに種を落として
子孫を増やす。

気がついた時には、あなたの近くは
私の子孫でいっぱいになっている。

あなたは嫌がるかもしれない。
でも私はひっそりと満足する。

心の底から誰かを愛してしまったときは
嫌がられるものですから。