雀ゴロまろん
全ての有料記事を2500円で読むことができます。
はじめまして。まろんです。 自分は20代の頃6年間雀荘メンバーとして働きました。現在は三麻フリーやDORA麻雀で打っていて、毎年プラス収支を出せています。 ここ10年…
勝負の世界では「魅せて勝つ」という考えがあります。どんな競技でも、プロと呼ばれる人たちはスポンサーや客がいて初めて成り立つものなので、地味な選手よりも派手で魅せ…
いつものようにS会長とK社長と打っていると、自分の体に異変が起こった。どうやら意識が飛んでいたらしい。自分では全く気づかなかった。大したことないと思ったが、脳…
昔、地元に知る人ぞ知るIという雀荘があった。 ある日Iのマスターが祖父と父に挨拶に来た。なぜかオーナーでも店長でもなく、マスターと呼ばれている。どうやら長年…
自分の携帯に着信が入る。Iという男からだった。この男は長く雀荘メンバーをやっていたが、次から次へ店を移っていて、あまり信用のできる人間ではない。 「今から卓立…
Nとの麻雀は自分にとってはやりやすい場になる。お互いに守備が堅く、自分のほうがスピード寄りなので有利だ。 待ち席で見たNの手組みは安牌を常に持っていた。これ…
その日はRという三麻フリーに来ていた。ここのレートはピンだが、ウマがワンツーではなくワンスリーなので自分好みだ。そして、リャンピン以上の卓も立つし、サシウマも…
自分の行く三麻フリーで、Pという店がある。この店はメンバーを雇わずに、オーナーのママが1人で切り盛りしている。レートはピンのワンツーで祝儀は500円。ゲーム代…
昼過ぎに自分の携帯にS会長から着信があった。 「おう!今日の夜空いてるか?飯行くぞ!」 「はい、空いてます。」 時間になると家まで迎えに行き、S会長の行きつ…
Aちゃんという女の子メンバーがいた。彼女はとにかく女受けが悪い。あざとく腹黒いタイプなので、周りの女の子はあからさまに拒絶感を見せる。 Aちゃんは顔もスタイ…
雀荘メンバーは、店のお客さんで誰が1番強いかという話が好きだったりする。もちろんメンバーで誰が1番強いかも話すが、メンバーの成績は常に一覧表示されていたので、…
メンバーを始めて3年が経った頃、テンゴの店からピンの店に移った。ピンの店だとお客さんのレベルが少し上がり、場が変わることに驚いた。 何よりもツモアガリと出ア…
S会長の古い知り合いでIさんという社長がいた。自分の祖父の友人でもあったので顔だけは知っている。70代の元気なジイさんだ。どこからか自分が雀荘で働いていること…
一緒に打っていて楽しい人間というのは存在する。Nさんもそんな一人だった。 歳は40代ぐらいだろうか。週に何回か仕事終わりに打ちに来る。スーツの着こなしもお洒…
先輩メンバーにSさんという人がいた。この人を一言で言い表すなら「クズ」以外ない。Sさんのクズっぷりを表すエピソードを挙げだしたら切りが無いのだが、少し話してお…
フリーの魅力にハマり、定期的に打ちに行くようになっていたが、客として勝つことの難しさを感じるようになる。 相手がどうということではなく、原因は場代だ。テンゴの…
2020年2月19日 22:24
はじめまして。まろんです。自分は20代の頃6年間雀荘メンバーとして働きました。現在は三麻フリーやDORA麻雀で打っていて、毎年プラス収支を出せています。ここ10年で色々な麻雀の戦術本が出ました。本の影響で麻雀界全体のレベルは確実に上がったと思います。ですが三麻の本はほとんどありません。自分が四麻から三麻にフィールドを移したときに、手組みや押し引きなど、四麻のセオリーとは違う部分があると感
2020年10月29日 17:25
勝負の世界では「魅せて勝つ」という考えがあります。どんな競技でも、プロと呼ばれる人たちはスポンサーや客がいて初めて成り立つものなので、地味な選手よりも派手で魅せる選手のほうがスポンサーや客が付きやすいのは自然のことと言えます。(トップ選手は魅せるつもりなんてなくても魅せてしまうものですが。)プロといっても、ゴルフや麻雀のように稼げるのは一部だけで、ほとんどの人は赤字という世界もあります。自分
2020年8月10日 21:53
いつものようにS会長とK社長と打っていると、自分の体に異変が起こった。どうやら意識が飛んでいたらしい。自分では全く気づかなかった。大したことないと思ったが、脳腫瘍の疑いがあるからすぐにでも検査に行ってこいと言われ、嫌々ながら脳波やMRIの検査を受けに行くことにした。 検査なんかしても何も出るわけないと余裕をかましていたが、医師から検査結果を聞かされ頭が真っ白になった。脳腫瘍ではないものの、脳
2020年8月9日 21:39
昔、地元に知る人ぞ知るIという雀荘があった。 ある日Iのマスターが祖父と父に挨拶に来た。なぜかオーナーでも店長でもなく、マスターと呼ばれている。どうやら長年続けた店を閉めるらしい。これも時代の流れだろう。 Iが別格扱いされているのは、そのレートに理由がある。三麻の1局精算の店なのだが、基本レートがデカピンなのだ。バブル時代は連日満卓で、ここでの負けで家を失った人もいるそうだ。 そもそ
2020年8月8日 21:07
自分の携帯に着信が入る。Iという男からだった。この男は長く雀荘メンバーをやっていたが、次から次へ店を移っていて、あまり信用のできる人間ではない。「今から卓立つんですけど、どうですか?」「行く気ないっすわー。」 Iは最近また働いていた雀荘をやめて、マンション麻雀で働き始めた。別にマンションが嫌なわけではない。何が嫌かというと、ここのマンション麻雀を経営しているのが闇金のKという男なのだ
2020年8月7日 21:19
Nとの麻雀は自分にとってはやりやすい場になる。お互いに守備が堅く、自分のほうがスピード寄りなので有利だ。 待ち席で見たNの手組みは安牌を常に持っていた。これを狙わない手はない。何回も繰り返したらバレるだろうから使いどころが肝心だ。 逆転トップの勢いそのままに、Nがアガリを重ねる。チャンスは南場の親番でやってきた。 頭のない形のシャンテンに、場に二枚切れの南を持ってきた。普通ならツモ切
2020年8月7日 21:17
その日はRという三麻フリーに来ていた。ここのレートはピンだが、ウマがワンツーではなくワンスリーなので自分好みだ。そして、リャンピン以上の卓も立つし、サシウマもあったりする。 まだ他の客が来ていなかったのでメンツーで打っていると、Rのオーナーがやってきた。今からNという地元で有名な雀ゴロが久しぶりに来るらしい。相当強いらしく、どんな人間なのか楽しみだ。(雀ゴロなんてまだいるんだな。まぁ、雀荘メ
2020年8月6日 19:25
自分の行く三麻フリーで、Pという店がある。この店はメンバーを雇わずに、オーナーのママが1人で切り盛りしている。レートはピンのワンツーで祝儀は500円。ゲーム代が安く、400円でトップ賞も無し。フリードリンク代も無しなので、周辺の店と比べるとかなりお得だ。 良い点ばかりではなく、悪い点もある。まず、卓が古く配牌が自動ではない。配牌自動に慣れていると、なかなかストレスになる。 それと自分が嫌なの
2020年8月5日 20:33
昼過ぎに自分の携帯にS会長から着信があった。「おう!今日の夜空いてるか?飯行くぞ!」「はい、空いてます。」 時間になると家まで迎えに行き、S会長の行きつけの和食店に着いた。落ち着いた高級感のある店だが、どこの店にも通常あるものがない。なんと飲み物以外のメニューがないのだ。メニューがないのだから値段も書いてない。大将が好みを聞いてくれて、あとはおまかせだという。会長の奢りでなければ、恐
2020年8月4日 19:27
Aちゃんという女の子メンバーがいた。彼女はとにかく女受けが悪い。あざとく腹黒いタイプなので、周りの女の子はあからさまに拒絶感を見せる。 Aちゃんは顔もスタイルも良くはない。それなのに次から次へお客さんやメンバーと関係を持っていて、余計に苛立ちを増幅させるのだろう。しかし、Aちゃんはそんなこと気にする素振りも見せない。女に嫌われても、男にかまってもらえればそれでいいのだ。 Aちゃんは仕事が出
2020年8月3日 19:05
雀荘メンバーは、店のお客さんで誰が1番強いかという話が好きだったりする。もちろんメンバーで誰が1番強いかも話すが、メンバーの成績は常に一覧表示されていたので、話さなくても数字で結果が出てしまっている。 常連のTさんというお客さんがいた。歳は40代後半ぐらいだろうか。誰が強いか話していると、必ずTさんの名前も挙がる。 Tさんは若い頃にメンバーをやっていたそうで、歳の割に若い麻雀を打つ。手組み
2020年8月2日 22:09
メンバーを始めて3年が経った頃、テンゴの店からピンの店に移った。ピンの店だとお客さんのレベルが少し上がり、場が変わることに驚いた。 何よりもツモアガリと出アガリの比率が違う。テンゴの店は無茶な押しをする人が多いために、どうしても出アガリが多くなる。それに比べてピンの店は、リーチに対してしっかりオリる人が多い。自分にとってはこちらのほうがやりやすいし、何も変えずとも勝手に成績が上がった。 メ
2020年8月1日 21:42
S会長の古い知り合いでIさんという社長がいた。自分の祖父の友人でもあったので顔だけは知っている。70代の元気なジイさんだ。どこからか自分が雀荘で働いていることを聞きつけてきた。「お兄ちゃん、麻雀強いらしいな!今度オレがいつも打ってるとこに連れてくから、麻雀教えてくれよ!毎回負けてるんだよ!」「いいですよ。どこで打ってるんですか?」「ツレのマンション。」 マンション麻雀が都市部にあ
2020年7月31日 21:04
一緒に打っていて楽しい人間というのは存在する。Nさんもそんな一人だった。 歳は40代ぐらいだろうか。週に何回か仕事終わりに打ちに来る。スーツの着こなしもお洒落で、ダンディなオジさんといった感じだ。 Nさんは麻雀もダンディだった。口数の多いタイプではないが、麻雀に対しては熱い想いを持っている。何切る問題が好きで、お互いの選択の違いが面白かった。 Nさんには強い信念がある。それは「魅せて勝
2020年7月30日 19:11
先輩メンバーにSさんという人がいた。この人を一言で言い表すなら「クズ」以外ない。Sさんのクズっぷりを表すエピソードを挙げだしたら切りが無いのだが、少し話しておこう。 まずSさんは運転免許を持っていない。だが、免許を取りに行かなかったわけではない。自動車学校を卒業し、あとは運転免許試験場だけだったのに、麻雀やパチンコばかりやって試験場に行かずに、期限が切れてしまったのだ。時間と金を無駄にし、結局
2020年7月29日 20:11
フリーの魅力にハマり、定期的に打ちに行くようになっていたが、客として勝つことの難しさを感じるようになる。相手がどうということではなく、原因は場代だ。テンゴの麻雀で400円も払っていたら、トータルで浮くことは不可能に思えた。 そんなある日、帰り際に店長に呼び止められた。「まろんくん、もしよかったらメンバーやってくれない?実は人が足りなくて困ってるんだ。」「あ、やりたいです。」 即答