マガジンのカバー画像

心のこと

15
運営しているクリエイター

記事一覧

New world

New world

新しい地に移るということは、
それまでいた地ににさよならをするということ。

想い出をそこに残して、
慣れ親しんだ景色や音や匂いと別れ、
まだ知らない、何もまだ自分のものではないものの中へと入っていく。

そこが故郷と思えるまで、どれほどの年月が必要だろう。

住んでいる間は一度も故郷と思えなかった地も
離れる時になって初めて、
そこに自分の体がいつの間にか馴染んでいたことに気づく。

それは土地

もっとみる
severing

severing

この人は、本当は、心の底では、私を憎んでいるに違いない

という思いが、私から離れてくれない。

すべての人に対して、程度の差はあれ、こんな思いを抱えている。

この思いが私を解き放ってくれない。

どんな人が目の前に現れようと、その人がどれだけ私を愛してくれようと、

私はきっと、心から信じることができない。

信じることができないのは私の方。

その人の言葉に、その奥に隠された意味に、

私に

もっとみる
isolate

isolate

私はただ、傷つきたくなかっただけだったんだ。

悲しい思いを感じたくなかっただけだったんだ。

怒って、嫌いになって、そうしていたら、悲しくない。
怒りは役に立った。
私を守ってくれた。

憎んで、恨んで、その思いが強ければ強いほどいい。
それらは長期戦で効果を発した。
憎んでいるあいだは、悲しい気持ちを、感じずに済んだ。

誰も入ってこれない要塞を造り、外界を遮断した。
私を傷つける可能性のある

もっとみる
swing

swing

気持ちがどこか一方に大きく振れると、

そのあと決まって、すぐに、真逆へ勢いよく振れる。

まるで最初感じた思いが、ただの気まぐれの、その時だけの気分での思いつきだったみたいに。

あっちかと思ったらすぐ次の瞬間には正反対のことを思ってる。言ってる。

だけど最初の思いは嘘じゃない。

でもその逆に振れた時のそれも嘘じゃない。

どっちつかずの、気分屋さん?

だけど、無理矢理ブランコを一方の方に

もっとみる
I will change

I will change

自信がなくて、自分がなくて、いつも誰にどう思われるかを気にしていた子供の頃。

中学に入る頃、父を嫌い始めた。それと同時に、人も私のことを嫌っているかもしれないと思うようになった。

当時は「すべては自分の思いの鏡」などという法則を知る由もなかったが、自分が人を嫌っているから、人も自分を嫌っているかもしれないと思うんだ、ということを、なんとなくわかっていた。

その思いの延長で、友達といることは楽

もっとみる
felicity

felicity

ほがらかで、にこやかで、あかるくて、

たのしそうで、おだやかで、

嬉しいことを嬉しそうに表現できて、

そして人が嬉しくなることも願っている。

そんな女性を見ると、

ああきっとこの人は、素敵な旦那さんがいて、

愛されて、大切にされて、守られて、

幸せで満ち足りた生活を送っているのだろうなあ、と思う。

だからあんなに幸せそうだし、

だから人が幸せになることもすすんでできる。

私はあ

もっとみる
abandoned

abandoned

この世に生まれてきて

同じように生を受けて

なぜ幸せに生きられないのだろう

なぜ幸せに生きてはいけないと思うのだろう

同じように朝を繰り返し

同じように空気を吸っている

それなのになぜこんなに違うのか

本人は変えたいと思っているのに

どうやっても変えようのないものなのだろうか

なにをどう言ってもまったくわかってくれないあの人のように

わかっている

こんな気持ちを抱えているのは

もっとみる
私は人を好きになれない

私は人を好きになれない

私は人を好きになれない。

私は自分から誰かを好きにならない。

なぜなら、私には、こういう人が好き、というような、いわゆるタイプというものがないからだ。

今まで、好きだと思った人はいた。

それは決まって、相手のほうが私に好意を示している、と私が感じられた人だった。

しかも、グイグイとあたりかまわず押してくるような人。

おそらく、そのくらいの興味を示してくれた人でないと、私は信じられなかっ

もっとみる
sweet memories

sweet memories

いい思い出なんてひとつもないんだ

楽しかった瞬間なんていっときもなかった

きみのこと忘れないよ、なんて歌ってる人がいる

そんなふうに思える出来事なんてひとつもない

わたしもそんなふうに言ってみたい

そんなふうに言える思い出があったらどんなにいいだろう

嫌な思い出ばかりだった

なにをしても認めてもらえない

どうやっても受け入れてもらえない

わたしはダメ

わたしじゃダメ

嫌われて

もっとみる
separation

separation

私は怒っているのだ。

未だに怒りを抱えているのだ。

だから未だに同じところをぐるぐると回っているのだ。

この怒りが昇華されない限り、私は先へ進めないような気がする。

先へ進む、つまり幸せではない今から抜け出し、幸せな心の状態で幸せな現実を手に入れている場所へと、いる場所を変えること。

幸せな心の状態というのはどんな状態かというと、

誰かといて、安心していられる状態だ。安心して信じていら

もっとみる
Gaining Respect

Gaining Respect

「私をこんなふうに扱う人を許さない」

という気持ち

「私をあんなふうに傷つける人を決して許さない」

という気持ち

その気持ちを手放すために

今、あるのかもしれない

誰かは誰かを傷つけてしまうことがある

それはその人がその人自身を守るためにとった行為

その人はその人自身を傷つけられたことに反応していた

みんな同じ

誰かを傷つけてしまうことだってある

それがたとえ意図的だったとし

もっとみる
Nobody Knows

Nobody Knows

誰も知らない

それまで笑って誰かと話をしていて

その10分後の仕事帰りに

車の中で一人になって 

泣いている私を

誰もいない暗い駐車場で

携帯も機内モードにして

誰にも知られないように

泣いている私を

誰も知らない

心も体も痛くてつらくて悲鳴をあげているのに

元気? と聞かれれば笑顔で元気と答え

人の痛みをとる仕事をしているのだと

自分の痛みには耐えるだけで

人の日常話

もっとみる
unknown world

unknown world

跳ね返されてその先へいけない

そんな感覚

いつもそう

それ以上先へ行けない

そこ止まり

そこから先へ行ったことがない

見えない分厚いゴムでできた壁のようなもの

弾き返される

いつもそう

それ以上 人に近づけない

見えない何かに邪魔をされているような感覚

見えない分厚いゴムでできた壁

近づこうとすると弾き返される

だから決してその先へ行けない

その先にある景色を見ることが

もっとみる
My injured heart

My injured heart

ねえ、
私が泣いているのは、
あなたのせいじゃないんだ。
あなたが悪いんじゃない。
私が悪いのでもない。
誰のせいでもないんだ。

私が抱えている悲しみ
抑えて抑えて、しっかり閉じ込めて
外に出ないように頑丈に蓋をして
それを持ってることも誤魔化して
なんでもないフリをして
素知らぬフリして装って
これまでなんとかやってきたのに
あなたといるとなぜか簡単に
飛び出してきちゃうだけ。

それが出てく

もっとみる