My injured heart
ねえ、
私が泣いているのは、
あなたのせいじゃないんだ。
あなたが悪いんじゃない。
私が悪いのでもない。
誰のせいでもないんだ。
私が抱えている悲しみ
抑えて抑えて、しっかり閉じ込めて
外に出ないように頑丈に蓋をして
それを持ってることも誤魔化して
なんでもないフリをして
素知らぬフリして装って
これまでなんとかやってきたのに
あなたといるとなぜか簡単に
飛び出してきちゃうだけ。
それが出てくると
私はいつも
一人で部屋に閉じこもって
我慢するの
そしてまたそれが奥に引っ込むまでじっとしていて
それまで一人で耐えているの
だってそれは
誰もどうにもしてくれないことだと思ってきたから
一人で我慢するしかできないの
助けを求める術を知らないの
それ以外の方法を知らないの
部屋に隠れて姿を消して
誰にも会わないで
誰にも何も、言われないように
それ以上、誰も何も、私に言ってこないように
一人でいるの
これまでずっと、そうしてきたの
本当は、
「どうしたの?」って気にかけて欲しかった。
「あんなこと言ってごめんね」って言って欲しかった。
「お前はそのままでいいんだよ」って言って欲しかった。
だけどそういうことは絶対になくて
だから私は反対に、
「そんなこと言われなくたって平気だよ」ってフリをした。
「もうそんなことあてになんてしてないよ」ってフリをした。
そして、
「いいよ私だって嫌いだから」って強がった。
「あなたなんていらない」って強がった。
それなのに、自分で自分に同じことをしてきたの。
逃げていたのは自分から。
自分にそう言われるのが嫌だったから
自分にそう思われるのが耐えられなかったから
逃げて逃げて、
自分からなんて逃げられないから
すべてを投げ捨てて、破壊して、無視して、もう見なくて済むように、
考えなくて済むように、
遠くへ行って、できるだけ遠くへ
そして平気なフリをして
平気なフリは平気じゃないからすることなんだ。
全然平気じゃなかったんだ。
だからいつもそれが指揮棒を振って
私はまるでその通りに
決まったフレーズを繰り返していた。
また同じ間違い
また同じところでつっかえる
何度繰り返してもその交響曲は同じところで間違える。
うまく人のせいにして
自分はどこかおかしいのかなって
段々気づいてきた頃には
もうたくさんの人が私に傷つけられていて
それもどうにもできずにさようなら。
私が消えればきっと大丈夫。
そうやって次から次へとやり直してきた
一つのところで引っかかるまで
私が行こうとしても行かせないと腕を掴んで
何度も何度もやり直させる
そしてやっと気がついた
それは私の中に棲んでいたのだということ
ねえ、だからあなたのせいじゃないんだよ。
私の中に閉じ込められていた、
これまでずっと出たがっていた、
悲しい思い出が、
あなたに揺さぶられて飛び出してきただけのこと。
「それ」とさよならする唯一の方法は、
逃げないで、
隠さないで、
平気なフリしないで、
真正面から見つめること。
それを教えてくれたのは
それをするまで諦めなかったのは
私を諦めないでいてくれたのは……
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