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オミクロン変異株による新型コロナウイルス感染症 : ピークアウト後の新規感染者数の減少速度
3月16日および17日の報道によれば、政府は現在18都道府県に適用している「まん延防止等重点措置」を期限の3月21日をもって全面解除する方針を表明した。現在計算の対象としている8つの区域では東京都、愛知県、大阪府、熊本県が該当する。なお、沖縄県と広島県については1月9日に適用が開始され、沖縄県は2月20日に、広島県は3月6日に解除された。また福岡県と鹿児島県は1月27日に適用が開始され3月6日に解
もっとみる新型コロナウイルスワクチン3回目接種の開始がもう1ヶ月早かったなら.....
一昨日3月15日付けの報道によれば、日本のワクチン3回目接種率が30.1%となりようやく3割を超えたという。これで日本はアメリカの接種率を追い抜き、G7の中で最下位を脱出したらしい。
考えてみると昨年の11月ごろ、2回目の接種から「8ヶ月以上」や「6ヶ月以上」など3回目接種の開始時期について政府の対応に混乱があったことを思い出す。結果的には3回目接種の間隔は(2回目接種から)6ヶ月経ってからとい
新型コロナウイルス・オミクロン変異株による第6波ピークアウト後の新規感染者数減少速度のシミュレーション
はじめに去る2月13日付のレポートにおいて、東京都の感染状況を例にとり、ピークアウト後の新規感染者数の減少速度の予測を試みた。2月4日のピーク時における接触削減率65.5%を超えたあと、削減率は68%程度までは上昇し得るのではないかと考えた。しかし実際には2月10日ごろ約68%に達したものの、その後の2週間は平均値約66%のまわりに変動し、2月末には閾値63%を下回るまでに低下した。
削減率68
新型コロナウイルス変異株オミクロンによる新規感染者数の推移シミュレーション: (続報) ピークアウト後の動向について
オミクロン変異株による日々の新規感染者数の急増も2月5日ごろをもってピークに達し、今後少しずつではあるが減少傾向に転じるものと思われる。
今回は東京都の場合を例にとって、2月11日までの推移シミュレーションを行うとともにピークアウト後の挙動について考察してみることにした。
現在使用中の単純SIR式においては、人と人との接触削減率εが最も重要なパラメーターである。このεを日々の新規感染者数の報告
SIRモデルに基づく新規感染者数の推移分析:オミクロン波のピークは2月4日ごろか
この記事は1月30日までのデータを用いた計算結果に2月2日までの新規感染者数の報告値を加えたものです。
現在私が使用中のSIRモデルにおいては人と人との接触削減率εが最も重要なパラメータである。これは実態に乏しく、つかみどころのない変数ではある。しかし感染が拡大すると、人々の自律的行動変容や国・地方自治体からの規制によってεは次第に増加し実効再生産数を低下させる。
現在流行中のオミクロン波は2
新型コロナウイルス変異株オミクロンによる新規感染者数の推移シミュレーション:(速報)ピーク時期の推算
前報においては、簡単なSIRモデルに基づきエクセル上で新型コロナウイルス変異株オミクロンによる新規感染者数の推移シミュレーションを行った。その結果、1月23日までの実際の新規感染者数の増加についてはシナリオ2もしくは3が近いことがわかった。
今回は、現在までの新規感染者数の増加データから実効再生産数Reを計算し、それから接触削減率εを逆算により求めた。その結果、1月1日から23日までにεは40%
新型コロナウイルス変異株オミクロンによる新規感染者数の推移シミュレーション
2022年の年明け早々、我が国では新型コロナウイルス変異株オミクロンによる感染者数が激増している。私は専門家でも何でもないが、1月14日に簡単なSIRモデルを用いてオミクロン株による新規感染者数のシミュレーションを始めた。
1.パラメータの設定
SIRモデルのパラメータは実効再生産数Reと回復率γである。1月10日ごろ、イギリスの研究者によってオミクロン株の世代時間(感染性時間)は2.1日と報