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新型コロナウイルスワクチン3回目接種の開始がもう1ヶ月早かったなら.....
一昨日3月15日付けの報道によれば、日本のワクチン3回目接種率が30.1%となりようやく3割を超えたという。これで日本はアメリカの接種率を追い抜き、G7の中で最下位を脱出したらしい。
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出典: https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/
考えてみると昨年の11月ごろ、2回目の接種から「8ヶ月以上」や「6ヶ月以上」など3回目接種の開始時期について政府の対応に混乱があったことを思い出す。結果的には3回目接種の間隔は(2回目接種から)6ヶ月経ってからということになったが、実際にワクチン接種率が上がり始めたのは本年2月になってからであった。
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本投稿者がオミクロン株による新規感染者数の推移シミュレーションを始めたのが1月中旬であったので、この時期にはまだ一部の医療関係者への第3回目接種が行われている頃であった。その時点でワクチンの有効接種率の増加は以下のように仮定した。従来株に対して設計されたワクチン2回目接種完了者のオミクロン株に対する15週以降の有効性は10~20%と報告されている。そこでオミクロン株に免疫を有する人が全人口の15%はすでに存在すると仮定した。また、本格的な3回目接種は2月1日から始まり、0.5%/dayの速度で接種率が向上するが、接種者の60%のみがオミクロン株に対して有効な免疫抗体を獲得し得るものと仮定した。このように仮定したワクチンの有効接種率の増加は以下のようになる。
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本投稿者の現在のシミュレーションでは上記のワクチン有効接種率の増加を仮定している。削減率をサブパラメータとした日本全体の新規感染者数の推移シミュレーションは下図のようになる。
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削減率の推移が同じと仮定して第3回目接種が実際より1ヶ月早い1月1日より開始されたとした場合、および2ヶ月早い昨年12月1日より開始されたとした場合の新規感染者数の推移を以下に示す。
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赤線:実際の変化。ただし下り勾配の削減率の複雑な変化は平滑化している。
青線:第3回目のワクチン接種が1ヶ月早く1月1日より開始されたとした場合。
緑線:第3回目のワクチン接種が2ヶ月早く12月1日より開始されたとした場合。
実際では感染のピークは2月5日に現れ新規感染者数は93,000人であった。半減日は3月15日ごろで36日かかった。もしもワクチン接種が1ヶ月早く実施されていれば、ピークは1月28日となり新規感染者数は22,000人と約4分の1である。半減日も2月12日ごろで15日で半分に減少する。ワクチン接種が2ヶ月早ければ、新規感染者数は1月20日に4,500人でピークアウトし、2月3日に14日で半数に減少していたことになる。
削減率は感染の拡大状況に応じて変化するだろう。したがって実際の削減率の変化をワクチン接種がもっと早く実施されていたらとする仮想的な状態にそのままあてはめることはできないが、感染の規模は実際より小さく収束はもっと早かったであろうと推測される。
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