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Theorising Childhood

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子ども期を理論的に、どのように捉えているか。
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記事一覧

社会は児童労働の「子ども」をどう捉えているのか

今日の学び

まず、「子ども」とは何かを理論的に捉えるためには、5つのコンセプトが大事になる。
①Contingency
②Interdisciplinary
③Governance
④Measurement
⑤Imagination
一つ一つのコンセプトについて深掘りしたものは、これまでのnoteに書いてきたので、
今回は総括として、このコンセプトを使いながら、どう社会が児童労働の児童を捉えて

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児童労働は善か悪か

今日の学び

「子どもは学校に行くべき」という幻想
UNCRC(子どもの権利条約)では、子どもの教育を受ける権利(ドロップアウトしにくい制度・体罰の禁止など)が記載されている。
あくまで、「受ける権利」であって、「受けなければいけない」訳ではない。

UNCRCでは、子どもの声を発信して聞いてもらう権利も記載されている。だから、子どもたちがもし「学ばないで仕事したい」と言ったら、それを受け入れる土

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環境問題と子どもたち

今日の学び

自然×子ども
自然豊かな場所でのびのび遊ぶ=子どもらしさというイメージが植え付けられている。
→空気汚染・大人からの支配のない、「平和」の象徴。

(余談)
黒人の子どもはそのイメージに含まれず、奴隷として「自然の」綿を摘む。
→子どもの範囲の指定

その自然・子どもの繋がりの表れとして、絵本が挙げられる。
プーさん、ピーターラビット、ジャングルクルーズ、バンビetc
全部動物を主人

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「性」と子どもたち

今日の学び

「性」とは
Sex: 生物学的性
→生まれた身体的性

Gender: 社会文化的性
→「女性らしさ」「男性らしさ」の性的役割

Sexuality: 性的アイデンティティ
→自分の性に対する自己認識と行動

性は宿命
Essenntialism:生まれ持ったものにただ従えば良いという考え方。
身体的性によって、文化や個人の表現が可能。脳科学的に男女で違う。
特に、宗教的な価値観が大

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「偶発的」な子ども

今日の学び

Contingency
直訳すると、偶発・機会・チャンス・運命。
他にも、頼る・条件付き。

「子ども」は、時・場によって違う。
その時、その場所の子どもは、偶発的な存在。

Time/History
Children as being:その時を生きている存在。
Childhood:移り変わる存在。

同じ「子ども」でも、どの時期を生きているかで違う存在。
中世だと、子どもは「小さな

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心理学と子どもの発達

今日の学び

心理学とは
一言で言うなら、人の行動をよくするための学問。

表に出ている行動に対して、その潜在的な部分(経験・愛着・発達認知など)で何が起きているのかを見る。

心理学を学ぶカテゴリーとして、
・年齢による発達の違い
・同じ年齢だけど行動の違い(個人差)
の2つ種類がある。

子どもの発達研究において大事なことは、
・発達が述べられる:何が?いつ?
 →Aくんが月曜日にBくんをパン

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多分野からみる子ども

今日の学び

子ども学の歴史的変遷
18世紀 啓蒙主義:子どもは道徳教育が必要。
→哲学・倫理学
18〜19世紀 帝国主義・産業改革:発達と化学的に研究する必要。
→生物学・心理学・人類学
20世紀 社会福祉至上主義:子どもは守る必要がある。
→社会学・教育学・社会福祉学
20〜21世紀 グローバリゼーション・ネオリベラリズム:子どもには権利が必要。
→多分野から、多角的に見ていく
社会学・心理学

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架空の子ども

今日の学び

時代と「子ども」の捉え方の変化
時代に応じて「子ども」の捉え方は変化している。
わかりやすいところでいうと、
産業革命時代だと「労働力」
福祉国家時代だと「イノセント」
のように、子どもたちを捉えていた。

少し細かく見ていくと、時代に応じて「子ども」のカテゴリーに部類される人も違っていた。
例えば「子どもはイノセントで守られるべき存在」と捉えたときの「子ども」は誰を指すのか。植民地

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子どもは天使か悪魔か

今日の学び

ガバナンスとは
オックスフォードの辞書によると、
・統治する職能・機能・権力 : 統治する権限・許可
・分別ある行動:分別ある自制心。
などと書かれている。

昔は、王政国家で王の言ったことが全て。
首を刎ねろと言われたら、すぐに首が飛んでしまう世界。
そこから歴史的変遷を経て、民主主義へと移行して、市民へと力が渡ったわけだけど、今でも「上」の存在が力を失ったわけではない。
政治家が

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子どもを測定する

今日の学び

19世紀から20世紀初頭にかけて、人体を測定し、そのデータによって人を区別化する動きが始まった。
一人一人を測定することによって、適正を調べ、非行や虚弱、貧困に陥らないことを目的としていた。また、戦地に送るにあたって、どのような人を作り上げたらより国家として強くなれるかを調べるために行われていた。

最初は、肖像画に描かれている人を見て、精神病を把握しようとした。見た目から特徴づけて

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