「箱根」だけではなく「九州」からも陸上競技界を照らしたい。
突然ですが皆さんは「陸上競技」と聞いて何を思い浮かべますか?
「オリンピック」でしょうか?「リレー」でしょうか?
それとも.......「箱根駅伝」ですか?
勝手にですが、日本で盛り上がるスポーツのイベントって、夏なら「甲子園」冬なら「箱根駅伝」だと思っています。
野球と陸上競技。
もちろん日本では野球の方がメジャーだなと思っています。
それでも、「箱根駅伝」は特別。
なぜかお正月、引き寄せられるように見てしまいます。
陸上競技に関わる前から、走るのが大っ嫌いな私でもそうでした。
しかし、今年の箱根駅伝を見ていて私は何か違和感を感じました。
.......選手の笑顔が少なくないか?
ということです。
あんなに憧れていた、箱根駅伝を走れているのに、走れるだけで十分すごいのに、走り終わった選手の顔のほとんどは悔しさや苦しさに歪んでいました。
もちろん、勝負ですので、勝ちたいのは分かります。
しかし、襷を渡したときに「申し訳ない」ではなく「楽しかった!」と心から思えることが大切なのではないかなと感じました。
とても大きくなってしまったプレッシャーに対する気持ちよりも、個人の「走るのが楽しい」をもっと引き出したい。と私はマネージャーとして思いました。
あ、そうです。私は陸上競技のマネージャーをしています。
軽く自己紹介も書いているのでよろしければそちらも読んで頂けると嬉しいです。
なんと、今年でマネージャー歴7年目になるみたいです。
人生の3分の1がマネージャーなんですよね。自分でも引いちゃいます。
話を戻します。
あまりにも大きくなりすぎた「箱根駅伝」
私は今年の箱根駅伝を見て、そう感じました。
もう、どうすることも出来ないほど「箱根駅伝」は大きくなりすぎたのだと。
私たちからしたら「お正月の楽しみ」でしかないのかもしれませんが、選手からしたら競技人生をかけた大勝負です。
しかも、そのために犠牲にしてきたこと、努力してきたことは計り知れません。
ただの大学生なら、恋愛して、アルバイトして、遊んで.......。そんな少し無駄かもしれない時間を過ごします。それでも私はそれが大学生にとって重要なものなのだと考えています。
しかし、箱根を目指すランナーはそうではありません。
ほとんどが寮に入り、規則正しい生活をして、毎日毎日練習を積み重ねて、嫌というほど陸上競技と向き合わなければいけません。
「箱根駅伝を走るためだから当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、私はそうは思いません。そんなの当たり前じゃないです。箱根ランナーだって恋愛もアルバイトも遊びも必要だと思います。
陸上競技だけでなくスポーツ全てに言えることですが、そもそもスポーツが盛り上がるって何なんでしょうか。
オリンピックのメダルの数が多いことでしょうか。
日本記録、世界記録が更新されていくことでしょうか。
答えは様々だと思います。
私個人の意見としては「みんなが楽しんでスポーツをする」というのが1つの基準としてあります。
その点で言えば、「箱根駅伝」を見て憧れて「陸上競技を始める」人が沢山いるのは確かです。
箱根駅伝は陸上競技界には欠かせない存在です。
しかし、それまでの道は「やりすぎ」なのではないかと思ってしまう私がいます。
休みはほぼ無し。過酷な練習。チーム内での競争。
きっと、体力的にも精神的にも過酷な日々を箱根を目指すランナーは送っているのでしょう。
いくらポテンシャルが高くても怪我をしては台無しになります。怪我というのは過酷な練習にはつきものです。私はトップランナーが怪我をするかどうかはもう「運」でしかないと思っています。いつも強度の高い練習をしていますから、いつ、誰が怪我をしてもおかしくありません。今回の箱根駅伝でも青山学院大学主将の神林選手が直前の怪我で箱根を走れませんでした。
そもそも、どれだけの努力をしても4年間箱根駅伝に出れない選手が沢山います。本当にポテンシャルは紙一重の差だと思っていますので、箱根駅伝に出られるのもやはり「運」なのかもしれないとも思っています。中には途中でマネージャーに転向する選手も居ます。
言い方は悪いですが、箱根駅伝に出るために大学の4年間をそれだけ犠牲にしてまで箱根駅伝を目指す意味はあるのだろうかと思ってしまいます。私は嫌です。大学生なんだから遊びたいです。
もちろん、その覚悟はみんな持って、それでも箱根を走りたいからみんな関東の大学に行くのです。分かってはいます。ただ、そこまでするメリットよりもデメリットの方が大きいのは確実だと思います。
そこまでして箱根駅伝を走っても、走ることが仕事になるのはごく一部です。実業団だって、そんなに給料が高いわけでもありません。陸上選手のセカンドキャリアだって険しいものです。
箱根を走ったという事実やそれまでの過程が認められ、一般企業の内定が貰えるというパターンも多いですが、それは陸上競技からの引退も示唆します。
もちろん、走ることを辞めずに市民ランナーとして楽しむという選手も多いと思います。しかし、燃え尽きて「もう走りたくない」と思う選手も居るのでは無いでしょうか。
そして燃え尽きるのが大学在学中ということもありえます。私も大学に入り、長年の夢への挫折を味わいました。もう、大学に行きたくない、いやもっと言うなれば「消えてしまいたい」と思うこともありました。だから箱根を目指す選手たちも「もう走りたくない」と思う人も沢山いるのだと思います。それでも走り続けなければ、箱根路はほぼ見えていないのに過酷な練習をしなければならない。それがどんなに苦しいことか。本人にしか分からない辛さがあると思います。
ダラダラと書いてしまいましたが、やはりこれだけの犠牲に対して、箱根駅伝の見返りは少なすぎるのではと感じてしまいます。辛そうに襷を繋ぐ姿を見てもそう思います。
私は箱根駅伝の区間記録更新よりも、公園なんかで気楽にジョグをする、楽しんで陸上競技をする人が増えることの方が大切だと考えます。
それは、今年度大学を休学し、部活動から離れることで感じた1番の想いです。
ありがたいことに縁があって、今年度、クラブチームやwithleteという団体のマネージャーをさせて頂きました。
バーチャレや、HOTなどのイベントにも関わらせて頂きました。
そこで感じたのは、みんな陸上競技が好きなのだということ。足の速さは関係ない。とにかく楽しんで走る。そんなステキなイベントに関わって私も陸上競技に対する考え方が変わりました。
正直、部活動はしんどいです。私の大学は関東の大学に比べれば天と地の差ですが、週5回必ず練習をしなければならない。休みたくても休めない。オシャレも多少我慢しなければならない。特に私の大学は関東の大学とは違って、走ることを職業にする訳ではないので、学業とアルバイトとの両立もしなければいけません。私はこの生活でキャパオーバーになり、病気になり、夢を諦め、休学に追いやられました。人生初の大きな挫折でした。
それでも陸上競技は好きでした。休学はしたけれど、部活には行きたかったです。これは不幸中の幸いでした。しかし、選手の場合はそうはいかないと思います。「走りたくない」と思い競技を辞める人も少なくないと思います。実際に私の身近でも部活に押しつぶされてしまった人が居ます。陸上競技が好きで部活動に入ったのに競技とは関係ないところで陸上競技が嫌いになる人が沢山います。
「陸上競技はもっと、楽しくて自由でいい」
そうこの1年で思えたことは本当に大きな収穫でした。
部活動をしていた頃はとりあえず休みなく部活に行っていればいい、という消極的な自分がいたことも事実です。しかし、今ではこんな風潮を変えたいと、もっと自由にマネージャーがしたいと思えるようになりました。
長々とキツいことばかり書いて申し訳ないです。
ここからが本題です。
私は今回の箱根駅伝を見て、モヤモヤがあることに気づきました。
なぜ、箱根駅伝はこんなにも盛り上がるのに、私の住む九州の駅伝はあまり盛り上がらないのだろうかと。
悔しいことに、九州の大学駅伝である島原駅伝は今年度中止になりました。
コロナ禍、非常に厳しい中で箱根駅伝は開催できたのに、人も感染者も少ない九州の駅伝は中止。
大学最後の駅伝を先輩方は走れませんでした。
本当に悔しい気持ちでいっぱいです。
そもそも、島原駅伝に出られるほどの人数、長距離選手が部活動に入らないという問題もあります。
私の大学も助っ人を入れたり、補欠無しで挑んだりしてなんとか駅伝に出られるというのが現状です。
箱根駅伝には、補欠にすら入れない人が沢山いるというのに、私たちはそもそも駅伝に出られる部員数が居ないのです。
箱根駅伝を見ていて、九州出身の選手が沢山いることに気づきました。
もし、その中の1人でも九州に残ってくれていれば。
私たちのような大学は減らせるし、島原駅伝ももっと盛り上がるはずです。
そもそも、地方の大会であるはずの箱根駅伝が全日本大学駅伝よりも人気があること自体おかしいと思います。
これは単純に九州の陸上競技界に魅力が無いから、また九州以外の地方も同じで、どうしても関東に有力選手が吸収されてしまうからだと思います。
こんな現実、おかしいと思いませんか?
「縁」
って、皆さんどれくらい感じていますか?
私は人生とは「縁」が大きく影響していると思っています。
実は私が生まれたとき、箱根路のすぐ近くに住んでいたのです。
転勤族の私の家族はたくさんの土地に住みました。
そして、「福岡」という地にたどり着いたのです。
きっと、これは福岡にご縁があったからだと思います。
引越し続きの私は今まで「出身」をどこにしたらいいのか分かりませんでしたが、今はやっと福岡出身だと堂々と言えます。
これは本当に大切なことだと思います。
縁があって、それぞれの出身がある。
だから私はもっとこの地元福岡、そして九州を良くしたいと思っています。
箱根駅伝に島原駅伝が対抗するのではなく、また別の角度からもっと九州の陸上競技界を盛り上げて、明るくしていきたいです。
ようやく、タイトルを回収できました。
ではどうやって九州の陸上競技界を盛り上げるのか。
九州で大学まで陸上競技をするメリットは正直あまりありません。
しかし、だからこそ大きな可能性があると思います。
沢山の伸び代のある種目があります。
関東よりも表彰台に上がりやすいです。
地元の方に応援して貰えやすいです。
私の所属するクラブチームやwithleteはもっと福岡・九州の陸上競技界を盛り上げたいという志があります。
コロナ禍でなかなか活動が思うように出来ていませんが、とてもステキな方たちで、ステキなイベントなどを作っています。
私が出来る、第1歩はこのnoteです。
まだまだ、「箱根駅伝」に出たいから関東に行くという九州の子は後を絶ちません。
では駅伝だけでなく、様々な面からアプローチして九州の陸上競技界の魅力を上げる。
私や仲間たちに出来ることは微力かもしれません。
でもせっかく九州で育ったのならば。
地元を盛り上げてみませんか?
今は出来ることは限られるけれど、箱根駅伝を走りたいからっていう理由ではなく、日常的に「走ることがあった」から楽しんで地元で走る。そんな未来が待っていてもいいのではないでしょうか。
最後に。
箱根駅伝を観た興奮の勢いのまま書き進めてしまいました。箱根駅伝についてもしかしたらマイナスのことを書いてしまったかもしれません。
しかし、そもそも箱根駅伝が無ければこんなnoteは書いていないです。
今回もたくさんの感動をありがとうございました。
そして、私の地元出身の明治大学、大保選手、本当に素晴らしい走りでした。応援し続けて良かったです。
いつか地元に帰ってきてもっとたくさんのランナーを増やしていって欲しいなと思います。
私が陸上競技に出会ったのも何かのご縁です。
もっとここから陸上競技界を照らせるように。
地道に活動していきます。
最後までご覧頂きありがとうございました。
クラブチームのnoteもあるのでもし良ければ読んでみて下さい。↓↓↓
少し暗い話をしてしまったので明るいお話も。
お時間あればどうぞ。
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