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もし、あなたが経営企画、新規事業pjを任されたらどうしますか?

「もううちの会社はこのままでは厳しい。わが社を成長路線に導いて欲しい」

いきなりあなたがこういわれたらどうしますか?

どこから手をつけてよいかわからないと思います。
一番いいのは、過去の知見を活用することです。

今回は第二の創業に成功した、富士フイルムホールディングスのケーススタディをみていきたいと思います。


外部分析と内部分析 (市場分析)

よく知られているフレームワークに、「アンゾフのマトリクス」と呼ばれているものがあります。

自社の既存製品(技術)×自社の新規製品(技術)
(顧客)既存市場×(顧客)新規市場

の4象限に分けて、それぞれ

市場浸透/新商品開発
新市場開拓/多角化

と事業の戦略を定義し直す手法を使います。
(その過程で、戦略コンサルは、「市場分析」などを担当するケースが多いです。緻密なデータ分析、斬新な切り口が求められます)

そして、戦略を考えていく上では、「製品(技術)」または「市場」のどちらかに強みをもっている必要があります。こういった自社の強みを「コアコンピタンス」と呼びます。

いかに「コアコンピタンス」をもてるかが、その企業の競争優位性につながります。


自社の強みの棚卸し

次に行うべきは、自社にある強みの棚卸しです。
富士フイルムは自社の強みを”技術力”と定義したので、
R&Dの要素技術をまとめて、コアとなる技術を以下のように定義付けているようです。
(技術は商品差別化の源泉であり、競争優位性を築けます)

<コア技術>

・粒子形成技術 ビルドアップで粒子を形成する技術
・機能性分子 有機化合物の分子構造を自在に変換、不可能を可能にする低分子を製造する技術
・機能性ポリマー 有機化合物の分子構造を自在に変換、不可能を可能にするポリマーを製造する技術
・酸化還元制御技術 有機化合物/無機化合物の連続的な反応をコントロールする技術
・ナノ分散技術 非混和性の物質を安定的に混ぜ合わせ、素材が持つ多様な力を発揮させる技術
・精密塗布技術 単層/多層の塗布膜を、大面積で均一に形成する技術
・製膜技術 単層/多層/3次元構造のフィルムを成形する技術
・精密整形技術 高精度な金型へ材料を精密に転写、固化する技術
・撮像技術 被写体像をデジタルデータに変換し、制御する技術
・システム設計 高画質な画像を、より速く確実に提供する技術
・MEMS技術 特徴ある圧電膜を応用した機械要素部品を設計/製造する技術
・バイオエンジニアリング 生物が元来持つ機能を活用し、予防・診断・治療を実現する技術


共通言語化・全社の意識改革

「自分たちの強み」がわかったらそれを、お客様、パートナー、自社の
以下のように、“誰でもわかる言葉”に落とす必要があります。

<コア技術からの強みの定義>

光を制御する
 光を制御する
 電気を通す
物質を制御する
 気体/液体を防ぐ
 気体/液体を分ける
 表面エネルギーを制御する
 固体/液体を届ける
 物質を制御する
 面を接合する
面/情報を扱う
 画を撮る
 画を見せる
 画を描く
 画/情報を記録する
 画を選ぶ
 情報を転送する
 情報を共有する
 圧力を可視化する
細胞を扱う
 細胞を載せる
 細胞を育てる
 細胞を付ける
 表面エネルギーを制御する
 光を制御する


ざっくりですが、私の理解している、経営企画、新規事業pjの仕事を
まとめてみました。
(戦略コンサルはフィーの関係で、こうした新規事業プロセス全てを見届けることは難しいと思います。)

その後のプロセスに興味がある方は、以下もご覧ください


富士フイルムホールディングスのように企業の存続に直面する機会はそうそうないといえるでしょう。
しかし、ここで考えた、「外部と内部に分けて分析する」という本質は変わらないと思います。

あなた自身のキャリアに関してもそうした、外部だけでなく、
「自分の強みは何か」と内部も分析していくことが必要になるといえますね。

そうした方々に向けて

(参考)
オープンイノベーション
https://www.fujifilm.com/jp/ja/about/rd/open-innovation

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