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【心理学】明日から使える最強話術【BYAF】

例えば「相手にこの商品を買って欲しい!」って思った時に、皆さんは相手にどういう言葉を伝えますか?


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これは性格によって変わると思うのですが、人によっては物事を遠回しに伝えたり、直接的に伝えたりしますよね。

「これはこういう商品でめっちゃ良くて、おすすめなんですよ〜(買ってね。)」

とか

「この商品はこういう商品であなたに絶対役に立つので買った方が良いですよ!」

みたいに、多くの人が「この商品はどういう風に良いものなのか」とか「どうやって相手に買って欲しい事をアピールすか」という正しい言葉理屈を伝える事を考えますよね。

ただ、多くの説得術の研究からはあんまり理屈や正しさってあんまり大きな力を持たないよねって事が分かっているんですよね。


じゃあどんな言葉の伝え方があるのかというとBYAFという方法がありまして、この話し方をすると使うだけで相手の「Yes」が二倍に増えるって事が分かっているんですよね。


ということで本日も他愛もないお話をしていこうと思うのですが、本日は昨日の記事でもお話した通り、BYAF法についてお話ししていこうと思います。



このテクニック自体はめっちゃ有名ですよね。だからご存知の方が多いと思うしネットで「BYAF」って調べれば僕よりもわかりやすく解説をしてくれている人が多いと思うので、僕はそこをさらに掘り下げてこのBYAF法の応用についてまで話していきます。

て事でまずはBYAFの基礎的な概要もお話しします。



正しい事を言っても人には伝わらない


まず心理学の観点から説得において大切なのは、相手の心理を反発させないようにする事なんですよね。

上でもお話ししてきたように、多くの人って

「こっちの方が正しいですよ!」

みたいに他人を説得しようとするのですが、よほど説明能力が長けていたり、良い情報を扱わない限り、いくら正しい事を言ったとしても相手を説得するのは難しいという事が心理学では分かっているんですよね。

それはなぜかというと、これは先日のこんな記事でお話しさせていただいたのですが

人には基本的に多かれ少なかれ「自分の行動は自分で選択したい」っていう自律性とか自己決定性と言われる欲求があるからなんですよね。


例えば、人を説得したいと思った時に、いくら正しい理屈や相手の思っての発言をしたとしても

「あ〜、この人って自分にこうして欲しいと思ってるんだな」

って事が伝わったら、その人にとっての選択の自由が奪われ、人はその自由を取り戻そうとして「自分で自分の行動は決めたいから、相手の指示には従いたくない!」って感情の反発が起きるんですよね。

これは僕も痛いほど経験した事があるのですが、自分がいくら正しい事を言って相手を詰めたとしても、喧嘩とかした時に相手が女性だったら問題は解決するけど相手の感情は収まらないわけです。

例えばドライブの約束をある人としていた前日に車のタイヤがパンクしていた事を思い出して

「あ、車そういやパンクしとんやった。明日車出せないかも」

ってメッセージを送ったら

「なんで前日に言うの?アウトレットで服買いたいから車出して欲しいって言ってたよね?!それなのになんで前日なの?!」

ってキレながら返信がきたんですよ。それで当時の少年まひろは

「え、別に服はアウトレットじゃなくても買えるし、アウトレットに行くとしてもレンタカー借りればよくね?運転はするよ?」

って言ったんですよね。すると相手のお方が

「だからなんでそれを言うのが前日なの!!!」

って言ってきたの対して少年まひろは

「ん、(別に前日でも行くところぐらいは決められるし)なんか都合悪かった?」

っていうお相手の核爆弾のボタンを押した事があるんですよね。

論理的に考えれば前日に車が出せなかったとしても問題はないと思うので(はいこいつモテない)ちゃんと話して相手のお方には納得してもらったし、その時の僕はなんで相手がそんなに怒っているのかすら不思議だったのですが(はい孤独死予備軍)次の日お相手の方がビビるぐらい機嫌が悪かったんですよね。

だから「いくら正しい事を言ったとしてもそれが理解できるか、受け入れられるかってのは別なんだな。」って事をこの事件で学んだ「孤独死予備軍まひろ」だったのですが、こんな感じで、人を説得しようと思った時にいくら正しい言葉や論理を言ったとしても、それを相手が受け入れるかどうか別の話なんですよ。


それはなんでかって言うと、人には「自分の行動は自分で決めたい」って欲求があって、この欲求があるから人は選択の自由を奪われるとそれが正しくても間違っていても反発しちゃうんですよね。

これを心理学では心理的リアクタンスと言います。

説得で大切なのは、あくまで相手の心理的リアクタンスを刺激しない事なんですよね。これを刺激しちゃうと、特に相手とかが女性ならもう終わり。正しいとか間違ってるとか関係なく機嫌が悪くなります。気をつけてください。


まあこんな事を言うとね

「え、じゃあ俺達はどうしたら良いんだぁぁぁ!結局運やんけ!」

ってもがき苦しむ男性諸君もいらっしゃると思いますが、心理学にはそれを解決する方法があり、今からそれについてお話ししていきます。


それがBYAFなんですよね。



BYAFとは


BYAFは「But you  are free(しかし、あなたは自由ですよ)」という英語の頭文字をとった名前で、これはどこの大学か忘れたのですが、2万2000人を対象にした超大規模な説得術の研究が行われたんですよね。まあ何をしたのかというと、説得術に関する研究のデータを集めて、それらをメタ分析するというものです。


まあこんな大規模な研究が行われていて、そして僕はどこの大学の研究なのか記憶を飛ばしてしまっているわけですが。なんかこういうめっちゃ有名な心理学って色んな人が研究するからgoogle scholar(論文検索エンジン)とか見ても溢れかえってて逆に見つけられないんですよね。(今調べたら、多くのサイトで「アメリカの西イリノイ大学」が研究したって多くの人が書いてはいます。)


まあそれでこの研究で何がわかったのかというと、相手に説得をする言葉をかけた後、最後に

「でも、決めるのはあなたの自由ですよ。」

って言葉を添えるだけで、相手を説得できる確率が2倍になる事が分かっているんです。なぜこの言葉を添えると相手を説得できる確率が上がるのかと言うと、最後に選択の自由を相手に与える事で、相手は

「これは自分が選択した事だ」

って思うんですよね。だからいろんな正しい言葉とか理屈を使って説得した後、いきなり最後に

「まあ、〇〇のやりたい方で良いよ。」

って言うと、相手は自分が説得して選ばせた事をあたかも自分が選んだかのように思うんですよね。


だから例えば

(あ、やばい!車のタイヤパンクしてたんだ!)

って気づいた時も

「俺の車タイヤがパンクしとったから明日自分の車は出せへんのやけど、アウトレットに行こうと思ったらレンタカー借りれば行けるし、なんなら電車ですぐのこことかおしゃれな服が多いらしいけど、〇〇はどっちが良い?」

って送ると、何も戦争が起きる事なく問題は解決するわけです。


ただ、ここからはもっと深いBYAFに関する情報なのですが、BYAFが通じやすいのは圧倒的に個人主義者に対してなんですよね。



BYAFの裏話


実はこのBYAFの研究は主に個人主義国家(フランスとか)で行われている事が多いんですよね。


文化心理学では、個人主義文化とは

「人々は自律的であり、グループの中でも独立しています。個人はグループの目標よりも個人的な目標を優先し、グループ内の規範ではなく、主に個人の信念に基づいて行動します」

集団主義文化とは

「人々はグループ内(家族、部族、国など)で相互依存し、グループ内の目標を優先し、主にグループ内に基づいて行動を形成します。規範であり、共同で行動する」

と定義されています。


個人主義で人々は、個人間のつながりが緩い社会を指し、個人は自分自身と自分の親戚の世話をすることだけが期待されています。

逆に集団主義社会は、個人が生まれてから強力でまとまりのある集団に同化する社会であり、個人の絶え間ない忠誠と引き換えに、個人の保護を確実にしています。



これらの定義に基づくと「個人の自由」は相対的であると言う事がわかりますよね

何が言いたいかって言うと、個人主義国家の人と集団主義国家の人では自由に対する満足感が違うって事です。

例えば、日本の学生は授業中に全員で同じ先生の話を聞きながら同じ板書を同じようにノートに写すのに比べて、アメリカではグループディスカッションが基本で自由な発想と自由な思想を求められます。

だから日本の人がアメリカに行けば

「な、自由すぎるだろ…」

って思うし、アメリカ人が日本に来たら

「ナンデスカコノカタクルシイフンイキ…」

って思うわけです。

集団主義の日本人からは普通でも、個人主義のアメリカ人にとっては自由がないし、個人主義のアメリカ人にとっては普通でも、集団主義の日本人からすれば自由だと感じる具合に。

この文化の違いを考慮すると、BYAFって本当に全員に通じるの?って仮説が立つんですよね。


実際にボルドーセガレン大学ココディ・アビジャン大学などを含めた8人の心理学者が共同で行った研究があって、BYAF個人主義国家フランス・コートジボワール・ルーマニア集団主義国家ロシア・中国で使うと、どれぐらい承諾の確率が変わるの?って事を調べたんですよね。


この研究の結果、確かにBYAFを使うと「yes」をもらう確率は高くなったのですが、個人主義国家では「yes」をもらう確率が約2倍になった一方、集団主義国家では1.1~1.5倍ぐらいまでにしか上がらず、大分効果が薄かったんですよね。



日本ではBYAFはそんなに効果を発揮しないかも


だからこの実験から何が言えるのかと言うと「自分の行動は自分で決めたい」という意思が強い個人主義の人(経営者とか)にはBYAFは刺さります。

「全体の結果が大切だ」という集団主義の人(日本の一般的な人)にはあまりBYAFは刺さりません。そう言う人には前回の記事でお話ししたSP(社会的証明)の方が効果的だったりするのです。

 集団主義を動かす方法↓

ちなみにもっと言うとSPとBYAFは互いに拮抗し合うため、並行して使うことはお勧めしません。使うならどちらか一つ方が効果が高くなるってことも分かっていたりします。



と言うところで、確かに日本は集団主義国家なのですが、全員が全員そうじゃないので人によって個人主義か集団主義かを見分ける必要があるんですよね。

それで、説得する人が個人主義だったらBYAFを使うと「YES」が返ってくる確率が2倍になります。

集団主義の人ならSPを使うと「YES」が返ってくる確率がBYAFを使うよかは高くなります。


と言うところで、説得をしたい時は相手を見極めて使ってみてくださいと言うところで、本日の記事を終えたいと思います。


それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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