【BL二次小説】 チャリデカ2《カジノ編》⑨
荒「さァて……」
荒北は仕切り直して話し始める。
荒「配役を発表するぜ」
真「え?荒北さんが1対1で対決するんじゃないんですか?『オレと勝負しろゴラァ』って」
荒「そりャ漫画の見過ぎだ真波ィ。オレは現場には出ねェ。司令室でモニター見ながら全員にインカムで指示を出す」
真「な~んだ」
荒「岸神小鞠はイカサマ師とはいえ、プロだ。プロはプロが判る。オレが現場に居たら、逃げられちまうンだヨ」
新「プロが判るって、オーラで?」
荒「オーラって言やぁカッコいいが、実際は視線、動線、立ち回りがプロと一般客じゃ全く違うンだ。だからプロから見りゃァプロが一目で判るンだヨ」
新「へぇ~」
荒北は説明を終えると、改めて全員の顔を見渡して言った。
荒「じゃ、振り分けるぜ。まず、一番重要な囮役だ。これはコインを大量に積んで誘き寄せる一番目立つ役であり、岸神小鞠と直接対決する危険な役だ。何があっても動じず、冷静に対処出来る人物じゃなきゃいけねェ」
東「フフフ……。そんな人物一人しかおらんだろう」
東堂が不敵に笑い、前髪をかき上げながら立ち上がる。
荒「福ちゃん」
東「またもや!」
荒「福ちゃんしかいねェ。危険だが、やってくれるか」
福「もちろんだ荒北。引き受けよう」
福富は頷いた。
荒「次に……東堂と泉田。オメーら二人はプレイヤーだ。お互い他人のフリをしつつ福ちゃんの護衛。かつ、他のプレイヤーの監視。かつ、プレイしながらカウンティングも行う。結構忙しい役だ」
東「了解した」
泉「カウンティングって何ですか?」
荒「後で説明する」
荒「次、新開。オメーはディーラーだ。やったことねェだろうが、大丈夫。オレが教える」
新「OK。面白そうだ」
新開はバキュンポーズで答える。
荒「次、真波。オメーはカクテルボーイだ。オレ達のテーブル周辺を担当し、フロアの監視。何かイレギュラーがあった時の代役も頼むから、全員の役目も一応覚えろ」
真「はーい!」
荒「ラスト、黒田ァ」
黒「はい!」
荒「オメーはオレと共に司令室だ。オレのアシストをしろ」
黒「!!」
黒「オレが……荒北さんの、アシスト……!」
黒田は驚いて胸が高鳴った。
荒「嫌かァ?」
黒「いっ嫌だなんて!やるっス!是非やらせて下ち……噛んだ!」
バン!
泉田が黒田の背中を叩いた。
二人は顔を見合わせて笑顔になる。
荒「よォし、じゃァすぐにPCを持って来い。今からオレの言う通りのプログラムを組め」
黒「はい!」
黒田はノートPCを取りに急いで会議室を出て行った。
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