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【BL二次小説】 チャリデカ2《カジノ編》⑮


~司令室~

 

 

司令室に戻ってきた荒北に黒田が声を掛ける。

 

黒「いよいよ本番スね!昼間にたっぷりシミュレーションしたから自信あるっス!」

荒「あ?……あァ」

黒「?」

 

 

荒北はまだ少し上の空だ。

 

モニターを確認する。

現場メンバーがそれぞれ配置に就こうとしている。

 

 

新開の姿が映る。

ドキンと胸が踊る。

 

 

 

黒「荒北さん?どうかしたんスか?」

荒「ハッ!」

 

 

いけねェ!

これから本番じゃねーか。

オレがボーッとしてどうする!

 

荒北は頭をブンブン振る。

 

 

荒「悪りィ、黒田。大丈夫だ」

黒「本当スか?」

 

 

 

荒北は自分の頬を両手でパァン!と叩いた。

 

荒「よォし!やってやんぜ!」

黒「はい!」

 

黒田はホッとした。

 

 

 

荒北はスーッと息を吸い、大きな声で全員に声を掛けた。

 

荒「野郎共ォ!いよいよ本番だ!昼間とは違うぜ!賭け金もどんどんつり上がる!客もハイテンションだ!練習の成果を見せ付けろ!これからチーム箱学のテーブルを一番目立たせる!週末の夜だ!派手に行くぜェ!」

全員「おーー!」

 

 

 

 

シナリオ通り、まず新開がテーブルを解放する。

次に福富が真ん中に着席。

昼間に増やした大量のコインをドンと積み上げ、城を築く。

間隔を空けてサイドに東堂と泉田が着席。

観客の注目を集めて人垣を作り、岸神小鞠が嫌でも興味を持つよう仕向ける。

 

 

大量のコインが増えたり減ったりしているのに表情ひとつ変えない福富のプレイは、瞬く間にクジラ部屋中の噂となった。

クジラ部屋の客はみんなスリルに飢えている。

順調にギャラリーは増えていった。

 

 

 

 

 

泉田に女性客が近付いて来た。

 

マダムB「タキシードがキツそうねアナタ。アタシ、マッチョな男性って、好き」

 

さすが夜のクジラ部屋。

マダムの口説き文句もストレートだ。

 

泉田は自慢の筋肉を誉められて気を良くする。

 

泉「マダム。ボクの大胸筋には名前が付いていましてね。右がアンディ、左がフランクと言うんです」

マダムB「まぁ。是非直接お目に掛かってご挨拶したいわ。ねぇ?アンディ、フランク」 


マダムは泉田の胸元に顔を近付けて話し掛ける。

 

  

黒「塔一郎~。追っ払えって言われてるだろ~」

 

黒田がインカムで注意する。

 

泉「いいじゃないかユキ。飢えた有閑マダムのお相手が出来る機会なんて……」

マダムB「誰が飢えた有閑マダムよ!!」

 

バシーーン!!

 

泉「アッブーーッ!!」

 

泉田はマダムに平手打ちを喰らい、椅子から転げ落ちた。

 

泉「しまった。まんま聞かれてた……」

 

マダムは怒って去っていった。

 

 

 

 

 

マダムC「新入りね、ディーラーさん」

新「!」

 

別のマダムに今度は新開が口説かれる。

クジラ部屋のマダム達は本当に積極的だ。

 

 

マダムC「アナタを私の部屋に招くには、いくらチップを積めばいいのかしら?」

 

新開は優しく微笑んで、マダムに言った。

 

新「マダム、申し訳ございません。実はオレ、恋人が出来たばかりで今ラブラブなんです」

 

マダムC「あら!それは羨ましいわ。可愛い恋人によろしくね」

 

マダムは新開にチップを3枚置いて立ち去った。

 

 

泉「すごい!円満に追っ払った!しかもチップまで貰って!さすが新開さん!」

 

感心する泉田。

  

黒「えっ?新開さん恋人出来たんスか?高校時代から恋人作らない主義だったのに!荒北さん、どんなお相手か知ってます?」

荒「しししし知らねーよオレぁ」

 

荒北は大量の冷や汗を流しながらカメラの切替スイッチをパチパチ押しまくった。

 

 

 

  

その時、真波が叫んだ。

 

 

真「現れました!岸神小鞠です!!」

 

全員「!!」




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