長谷川町蔵

色々やってる文筆家。著書に「インナー・シティ・ブルース」「サ・ン・ト・ランド」「あたし…

長谷川町蔵

色々やってる文筆家。著書に「インナー・シティ・ブルース」「サ・ン・ト・ランド」「あたしたちの未来はきっと」「文化系のためのヒップホップ入門1〜3」(w/大和田俊之)「ヤング・アダルトU.S.A.」(w/山崎まどか)など。

記事一覧

蝦名芳弘を探して 第四回

1960年代以降の清水達夫は雑誌のコンセプトとタイトル、デザインを決めるだけで、内容は部下に任せるようになった。椎根和と塩澤幸登の著書の問題点は、木滑良久と石川…

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蝦名芳弘を探して 第三回

 マガジンハウス(元凡人社、平凡出版)について書かれた本を複数書いている人に、椎根和と塩澤幸登がいる。二人とも木滑ー石川ラインに属していた元社員の編集者だ。その…

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蝦名芳弘を探して 第二回

 岩堀喜之助は「平凡」を創刊した際、大政翼賛会で知り合った元電通マンの清水達夫に内容のすべてを任せた。朴訥なユートピア主義者の岩堀ではなく、日本橋生まれの江戸っ…

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蝦名芳弘を探して 第一回

 マガジンハウスで活躍した蝦名芳弘という編集者に興味を持っている。本人はすでに亡くなっており、社内で反主流派に属していたせいか、マガジンハウスについて書かれた書…

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エヴリシング・クール テレビ・アワード2023

審査員がひとりだけの海外ドラマ賞を今年も発表します。具体的な寸評は『ラジオのように 2023年テレビ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。 撮影賞 Win…

長谷川町蔵
5か月前
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エヴリシング・クール ムービー・アワード2023

審査員がひとりだけの映画賞を今年も発表します。具体的な寸評は『2023年映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。 撮影賞 Winner! ホイテ・ヴァン・ホ…

長谷川町蔵
5か月前
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エヴリシング・クール テレビ・アワード2022

審査員がひとりだけの海外ドラマ賞を今年も発表します。具体的な寸評は『ラジオのように 2022年テレビ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。 撮影賞 Win…

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エヴリシング・クール ムービー・アワード2022 

審査員がひとりだけの映画賞を今年も発表します。具体的な寸評は『ラジオのように 2022年映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。 撮影賞 Winner! ホ…

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エヴリシング・クール TVアワード2021

審査員がひとりだけの(主に)海外ドラマ賞を今年も発表します。具体的な寸評はPump Up The Volume18『2021海外ドラマ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ…

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エヴリシング・クール ムービー・アワード2021 

審査員がひとりだけの映画賞を今年も発表します。具体的な寸評はPump Up The Volume17『2021映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。 撮影賞 Winner! …

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エヴリシング・クール テレビアワード2020

テレビ番組も充実した内容のものが増えてきたこと、ベスト10方式で評価する難しさを感じ始めたことを考慮して、エミー賞方式で各部門を選出しました。審査員がひとりだけ。…

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エヴリシング・クール ムービーアワード2020

審査員がひとりだけの年間映画賞を発表します。時節柄、配信作を含みます。またあくまで「自分が観た新作映画」から選んでいるので、日本公開が来年の映画も含まれています…

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蝦名芳弘を探して 第四回

蝦名芳弘を探して 第四回

1960年代以降の清水達夫は雑誌のコンセプトとタイトル、デザインを決めるだけで、内容は部下に任せるようになった。椎根和と塩澤幸登の著書の問題点は、木滑良久と石川次郎を賞賛しようとするあまり、ふたりが関わった雑誌は史実通り「清水に全権を任されていた」ことにする一方、甘粕章ラインの雑誌は「清水本人がやっていた」ことにしがちなことである。
「平凡パンチの時代」は特にその傾向が強く、1964年創

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蝦名芳弘を探して 第三回

蝦名芳弘を探して 第三回

 マガジンハウス(元凡人社、平凡出版)について書かれた本を複数書いている人に、椎根和と塩澤幸登がいる。二人とも木滑ー石川ラインに属していた元社員の編集者だ。そのため客観的記述の中に唐突に自分の見解を混ぜ込んでいるため、読む際は注意が必要である。
 その塩澤が書いた『「平凡」物語』は、彼の一連の書物の中で最も時代が遡っているもの。基本的には「マガジンハウスを創った男」と「二人で一人の物語」の二冊につ

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蝦名芳弘を探して 第二回

蝦名芳弘を探して 第二回

 岩堀喜之助は「平凡」を創刊した際、大政翼賛会で知り合った元電通マンの清水達夫に内容のすべてを任せた。朴訥なユートピア主義者の岩堀ではなく、日本橋生まれの江戸っ子で欧米好きな清水こそマガジンハウスの創業者と見なす考え方が現在では主流となっている。事実「平凡パンチ」も「アンアン」もコンセプトを考えたのは清水なのである。しかし1985年に刊行された清水の自叙伝「二人で一人の物語 マガジンハウスの雑誌づ

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蝦名芳弘を探して 第一回

蝦名芳弘を探して 第一回

 マガジンハウスで活躍した蝦名芳弘という編集者に興味を持っている。本人はすでに亡くなっており、社内で反主流派に属していたせいか、マガジンハウスについて書かれた書籍でも殆ど触れられておらず、あったとしても遠回しにディスられていることが多い。仕方がないので自分で少しずつマガハ関係の本を通じて情報の断片を集めている。
 さて、最初に取り上げる新井恵美子「マガジンハウスを作った男 岩堀喜之助」はマガジンハ

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エヴリシング・クール テレビ・アワード2023

エヴリシング・クール テレビ・アワード2023

審査員がひとりだけの海外ドラマ賞を今年も発表します。具体的な寸評は『ラジオのように 2023年テレビ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! 僕は乙女座
(以下、次点)
コペンハーゲン・カウボーイ
マーダー・イン・ザ・ワールドエンド
メディア王 〜華麗なる一族〜
ラスト・オブ・アス

衣装デザイン賞
Winner! ドナ・ザコウスカ(マーベラス・ミセス・メイゼ

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エヴリシング・クール ムービー・アワード2023

エヴリシング・クール ムービー・アワード2023

審査員がひとりだけの映画賞を今年も発表します。具体的な寸評は『2023年映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! ホイテ・ヴァン・ホイテマ(オッペンハイマー)
(以下、次点)
エリオット・ロケット(Pearl パール)
エリック・メッサーシュミット(ザ・キラー)
グリーグ・フレイザー&オレン・ソファー(ザ・クリエイター/創造者)
グレゴリー・オーク(aft

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エヴリシング・クール テレビ・アワード2022

エヴリシング・クール テレビ・アワード2022

審査員がひとりだけの海外ドラマ賞を今年も発表します。具体的な寸評は『ラジオのように 2022年テレビ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-
(以下、次点)
ウェンズデー
ジ・オファー
セヴェランス
バリー シーズン3

衣装デザイン賞
Winner! カシア・ワリッカ=メイモーン(ギルデッド・エイジ -ニューヨー

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エヴリシング・クール ムービー・アワード2022 

エヴリシング・クール ムービー・アワード2022 

審査員がひとりだけの映画賞を今年も発表します。具体的な寸評は『ラジオのように 2022年映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! ホイテ・ヴァン・ホイテマ(NOPE/ノープ)
(以下、次点)
イーライ・アレンソン(LAMB/ラム)
マシュー・ルイス(ボイリング・ポイント/沸騰)
マンディ・ウォーカー(エルヴィス)
ロビー・ライアン(カモン カモン)

衣装

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エヴリシング・クール TVアワード2021

エヴリシング・クール TVアワード2021

審査員がひとりだけの(主に)海外ドラマ賞を今年も発表します。具体的な寸評はPump Up The Volume18『2021海外ドラマ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! 地下鉄道(ジェームズ・ラクストン)
(以下、次点)
サタデーモーニング・オールスターヒッツ!
バビロン・ベルリン シーズン3
マスターズ・オブ・ゼロ
ミセス・アメリカ

衣装デザイン賞

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エヴリシング・クール ムービー・アワード2021 

エヴリシング・クール ムービー・アワード2021 

審査員がひとりだけの映画賞を今年も発表します。具体的な寸評はPump Up The Volume17『2021映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! ジェアリン・ブラシュケ(ライトハウス)
(以下、次点)
アリ・ウェグナー(パワー・オブ・ザ・ドッグ)
エドゥアルド・グラウ(PASSING 白い黒人)
チョン・ジョンフン(ラストナイト・イン・ソーホー)

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エヴリシング・クール テレビアワード2020

エヴリシング・クール テレビアワード2020

テレビ番組も充実した内容のものが増えてきたこと、ベスト10方式で評価する難しさを感じ始めたことを考慮して、エミー賞方式で各部門を選出しました。審査員がひとりだけ。あくまで「自分が観たテレビ番組」から選んでいるので、あしからず。具体的な論評はPump Up The Volume16『2020海外ドラマ大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! グレゴリー・ミドルト

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エヴリシング・クール ムービーアワード2020

エヴリシング・クール ムービーアワード2020

審査員がひとりだけの年間映画賞を発表します。時節柄、配信作を含みます。またあくまで「自分が観た新作映画」から選んでいるので、日本公開が来年の映画も含まれています。具体的な論評はPump Up The Volume15『2020映画大賞』でおしゃべりしていますので、興味があればぜひ。

撮影賞
Winner! エリック・メッサー・シュミット(Mank/マンク)

(以下、次点)
イェルク・ヴィトマー

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