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新婚旅行記 フィンランド

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フィンランドへ行った記録 ロヴァニエミとヘルシンキ
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新婚旅行記 最終日

新婚旅行記 最終日

朝から強い雨が降っていた。日の出から間もないので、外はまだ薄暗い。昨日一日が良い天気だったのは幸運だった。
レストランで朝食を食べる人は昨日よりもかなり少ない。店員さんもゆとりがあるようだった。そのためか、普通はコーヒーか紅茶しか選べないのだが、今日は特別にエスプレッソも出すと言ってくれた。私はラテを、妻はカプチーノを頼んだ。
ゆっくりとした朝の時間が流れてゆく。窓の外を覗くと、何件か窓に明かりが

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新婚旅行記 七日目

新婚旅行記 七日目

ホテルのレストランでビュッフェ形式の朝ごはんを食べた。ロヴァニエミのホテルと同じようなラインナップがならぶ。食べ物の選択肢は日本に比べ少ないのが残念である。簡単に言うとそろそろ飽きてきた。ただ、こちらの朝食にあったクレープ生地はとてもモチモチで美味しく気に入った。また、コーヒーをたっぷり注いでくれるので、うれしい限りである。
このあたりでフィンランドのコーヒーに触れておこう。こちらのコーヒーの主流

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新婚旅行記 六日目

新婚旅行記 六日目

電車に揺らされ、何を言っているのか全く分からない社内アナウンスに起こされながら、浅い眠りを繰り返し、寝台特急も朝を迎え、ヘルシンキ中央駅に到着した。

リュックサックを背負い、重たいスーツケースと重たいまぶたを必死で持ち上げながら、プラットホームへ降り立った。
人々はせわしなく、ガラスの天井で濾過された光の中を縦横無尽に行きかう。自分の時間感覚だけが引き延ばされているようだった。

すぐに現地ガイ

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新婚旅行記 五日目

新婚旅行記 五日目

朝はやくに目が覚めてしまう。時計を見るとまだ4時過ぎだ。
いまだに日本の時間感覚、身に沁みた概日リズムをひきずっているのだ。
時差ボケは、真夜中まで起きて、早朝に目覚める感覚になる。睡眠不足感が否めない。
日本にいるときもそうだが、深夜まで起きていると、やたらと屁がでる。理由はよくわからない。腸の働きが低下するのかもしれない。
概日リズムを守ることで、ひとつ健康が保たれているのは間違いなさそうであ

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新婚旅行記 四日目

新婚旅行記 四日目

今日の朝はレストランが営業しているとのことだったので、レセプション棟へ行った。

入口の扉は解き放たれているが、どうも人の気配が感じられない。入口に貼られた紙を見るとレセプションは9時から対応しているらしい。まだ8時くらいだから、建物内にいたのはレストランの女性スタッフ1人だけのようであった。

朝食にはビュッフェが用意されていた。燻製サーモンなどはこの地方ならではの料理であろうが、あとはレタス、

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新婚旅行記 三日目

新婚旅行記 三日目

フィンランド旅行の目的のひとつはオーロラを見ることであった。多くの人がオーロラに憧れるように、我々もまた神秘的自然発光現象を一目見ることを求めたのであった。

フィンランドを選んだのはオーロラ以外の魅力が多くあったからだ。なにもオーロラを見るためだけにフィンランドに行ったわけでは無い。

オーロラ観賞には野外観賞が一般的であるが、我々寒い中何時間も待つのは嫌であるから暖かい室内からぬくぬくと観賞す

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新婚旅行記 二日目

新婚旅行記 二日目

早朝、テレビが勝手に点くという怪奇現象で目を覚まし、そのまま起きてしまった。恐怖心と言うよりは、子供のイタズラに呆れる親の気持ちである。どうせ朝めしを食べたらチェックアウトするのだからもはや部屋のことはどうでもいいという心地がした。

朝食はホテルのバイキングである。空港直結のホテルなので、各航空会社のパイロットやキャビンアテンダントもそこで朝ごはんを食べていた。中にはどこの国だかわからない航空会

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新婚旅行記 一日目

新婚旅行記 一日目

結婚式を終えて1日たった。晴れやかな非日常を終えて、ほっと一息ついたところだ。かといって普段の日常に戻るのではなく、さらなる非日常に向けて出立する日である。すなわち、新婚旅行である。フィンランドへ行くのである。

とは言っても、今日は午後から関西空港へ向かうだけで、フィンランドへのフライトは明日の朝になっている。

旅の荷造りは昨日ほとんど済ませた。あとは各種書類のコピーをとる必要があった。妻は午

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新婚旅行記 序文

新婚旅行記 序文

10月、新婚旅行でフィンランドに行ってきた。私にとっては初めての海外旅行である。

海外旅行に行くことは、これまでの私にとってハードルの高いものであった。それでも、世界の中で行ってみたい場所や、やってみたい体験はあるもので、ついに覚悟を決めて日本を出てみることにした。

そこで、旅行記として私の目や耳や感覚を通し、私が体験してきたことを記しておこうと思う。できるだけ事実を記しておくが、私自身のフィ

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