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Transparent
自分が映る水面を眺めていた。揺れてはひろがり分かれる、薄く遠ざかるほどに透明に混ざっていく。一体どれが私なのだろうか。
透明になりたいと思った。いつだろうか、わからないけれど。とにかく誰にも見えることなく、ふれられず、ふれることもなく。私という価値は世界の比重にそぐわず、私自身も世界に重きを置かず。流れることや、移ろうことに干渉なんてしない。
私は透明になりたい。
透き通った水に指先が触
自分が映る水面を眺めていた。揺れてはひろがり分かれる、薄く遠ざかるほどに透明に混ざっていく。一体どれが私なのだろうか。
透明になりたいと思った。いつだろうか、わからないけれど。とにかく誰にも見えることなく、ふれられず、ふれることもなく。私という価値は世界の比重にそぐわず、私自身も世界に重きを置かず。流れることや、移ろうことに干渉なんてしない。
私は透明になりたい。
透き通った水に指先が触