リンパ芽球リンパ腫・白血病(10)〜大腸内視鏡検査〜

私の経験では、大腸内視鏡検査は辛くない。安心してね😉

遠い遠い異国の地でのできごと。これが事実かフィクションかは、読者の皆さんのご想像に委ねます。

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜

思い返せば、リンパ腫・白血病の前兆や症状と思われるものはあるものの、正直他の様々な要因のせいだと勘違いしていた。(希望的観測で、自分は大丈夫だと思いたかっただけかもしれない。気がつくたびに、自分に大丈夫な理由を言い聞かせていたのかもしれない)

夏休み中、観光目的で上司の家に友人と泊り、観光日の朝、倒れて救急外来に行くこととなった(ウォークイン)。

そのまま、ICU入室。

診断時(辛いので、ゆっくり書いてます。部分的に公開中。)

治療中(寛解導入療法前のプレドニンとその後の抗がん剤投与の最初の数日は書き、続きはゆっくり書いてます。部分的に公開中。)

とりあえず、色々順調にいっていた。

〜〜〜前回までのあらすじ完〜〜〜


ぶっちゃけ、大腸内視鏡検査はあんまり大したことないので、安心してね。


よく、地獄のようだとは聞くが、実際にやると結構大丈夫だ。というか、ヨユー。


私は何回か大腸内視鏡検査をやっている。


いずれも、下血が理由だった。


おそらくは初めてだった大腸内視鏡検査の経験の前に、経緯を少し書こう。


大量の鼻血で血液を飲み込んだためか吐血した。それはパッと見500mlを超える出血じゃなさそう。若いから焦らずとも大丈夫でしょ? としばし休息のために、床に寝そべっていた。


今度は、トイレに駆け込んだ。いくら血液を飲んだとはいえ、それが刺激になって下血のようになるには、あまりにもタイミングが早かった。


うわっ


便器は赤い新鮮血に染まっている。(飲み込んだ血液がタール便(黒色便)として出てくるアレとは違う。)


とはいえ、真っ赤な新鮮血というよりは、生理の血が便器の水で薄まったくらい。易出血性はあるだろう。けど、鼻血と合わせても500mlはいかない気がする。


水分を摂取することで失われた水分を代償しようと水を飲み、やっぱり床に横になってひとまず休む。


心の声「あ〜、病院行かないとだなぁ。けど、ちょっと休んでから向かわせて〜」


上体を起こしてすらいないにも関わらず、冷や汗と動悸がしてきた。そして、視界が若干白さを帯びて、起き上がる猶予すらなくその場に嘔吐する。


コレはヤバイ……


自分で自分の人差し指の爪を5秒ほど抓む。話した時に指が血の気を帯びたピンク色を取り戻すのに、2秒は超えないように見える。


まだ、出血性ショックではなさそうだ。それでも、これは直ぐ受診しなければマズイやつだと直感する。


全身にあんまり力が入らない。歩行は不可ではないが、直ぐ近くの病院の救急外来までのたった1km前後を歩ける余力はない。


ぶっちゃけ、病院は目と鼻の先だし、救急車を呼んで待つ時間よりも、直接病院に行ったほうが速そうだ。


車庫入りしていた電動車椅子に飛び乗り、自走する。


病院に向かう途中の短い道のりで意識消失の可能性を念頭に、めっちゃ頼りになる力のある男友達に電話で連絡し、事情を伝える。彼ならば、万が一途中で何かあっても、おぶって病院に連れて行ってくれるし、状況を的確に伝えてくれると信頼していた。


病院に着くと、受付を友達に任せて、私は診察室に入った。


どうやら、私の黒いスエットパンツは血液でドロドロだったよう。


診察室で対応してくれた医師が、私の診察台で丸まった私の背中側から微かに聞こえる小声で「おわっ」っと驚きを押し殺す声が聞こえた。


その後、直腸検査の承諾を確認され、医師の言葉が脳に達する前にYESと同意していた。


当然、陽性。


横目で見た医師の人差し指(手袋装着中)には、ベットリと血液が付着している。


そのまま、一晩を救急のベッドでモニター(心電図、酸素SpO2、血圧)に繋がれて過ごした。


電話で呼んだ友人の他にも、友人がベッドサイドに来てくれて、水の差し入れをくれて、楽しい話しで気を紛らわせてくれた😊


彼らは私が眠る23時頃まで側にいてくれたのだった。(若干、特権乱用?)


その晩夜中に起こされ、翌朝の大腸内視鏡検査のために1.5Lくらいのペットボトル2本分程度に溶かされた下剤を飲み干すように指示された。


正直、出血で脱水もあったのだろう。喉はカラッカラ。結構なスピードでそれをゴクゴクと飲んでしまった。


味はスポーツ飲料のようで、結構飲みやすい。というか、美味しくすら感じる。


ペースダウンしろと自分に言い聞かせながらも、ついつい飲み進めてしまう。


予定よりも速いスピードで飲み干してしまった私は、夜中寒さにガクガク震えた。体温は35度6分…… だが、優しい新人看護師さんが温かいお茶を差し入れてくれた。(私は耳の解剖が普通と違う。ベテランさんが測り直した際は、外耳道に体温計先端が接触したのを感じた。そのためか、若干初回の測定よりも体温が高く出て、対応はしないことになった。だが、実は新人さんの測定の方が正しかった。とはいえ、私も色々言う余力もなかったので、若干の体温の低さであれば、毛布と睡眠でやり過ごした方が会話せずに眠れそうだと思ってしまった。)


なんでだったかな? フルモニター装着中だったからかな? トイレまで間に合わなかったからかな? 意識消失や転倒リスクだったかな? 理由は覚えてないが、差し込み便器で排便することになった。シャーシャーとオシッコのようにサラサラした液状の赤みを帯びた液体を、蛇口から噴き出す水のようにその差し込み便器に流し込んだ……


しかも、申し訳ないことに、ベッドに溢れてシーツ交換をしてくれた。


翌朝、朝一で内視鏡室に運ばれた私は、麻酔科医がプロポフォールを入れると声をかけてくれたのを最後に、検査終了後ベッドで目を覚ますまで夢の中。


目覚めた私に、麻酔科医は笑顔でウィンクしながら、私の熟睡を「コーマ」と一言笑顔で伝えて去っていった。


(ちなみに、麻酔も鎮痛剤も一切投与せずに上手な医師に大腸内視鏡検査をしてもらったこともある。内視鏡が腸を通るのも感じるし、要所々々で多少の痛みはある。検査中よりも抜く時の方が痛みを感じた。だが、普通に無言でやり過ごせる範疇だった。案ずるより産むが易し。)


一晩を救急のベッドで過ごした私の元に、朝の回診で医師らが回ってきた。


たまたま、私が医学部4年生の時に実習を担当してくれた別の科の医師が、一時救急に出向中だった。



彼女が私の低いHbを指摘し、救急の指導医が「出血したから〜」と返答した。しかし、普段の質問と発言の魔王のようなイキイキした私が昼も夜も寝ており、拍子抜けするような弱い一言の返答をしていたことに違和感を感じてくれた。更には、出血直後の入院時は、まだHbが普通のはずなのに結構低いという理由から、再度採血をするように救急指導医を説得した。


Hbは6と低め、血小板も異常値で、白血球も少なかった。


リンパ腫・白血病の既往があったため、救急に訪れた血液内科医も再発疑いで小腸からも持続出血している可能性を指摘し、救急から血液内科への入院になった。


本当は満床だったところを、以前実習で教えてくれた先生が彼女の恩師に頼み込み、先ずは一泊入院させてくれた。


早速、病室で赤血球輸血を受けながら、友人に着替えの服などの入院グッズを差し入れてもらった。


次話に続く


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