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●考えること●

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自分の感じ方、考え方をまとめたものたち。
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#元高校教師

【エッセイ】スーパーで鎌倉時代に飛んだ話

【エッセイ】スーパーで鎌倉時代に飛んだ話

先日スーパーでこんなものを見かけた。
毎度突然だが、そのときの私の話をしたい。

「すぐき」とは、漢字で書くと「酸茎」のこと。
「すいくき」と読むこともあり、今でいうお漬物の一種を示す。

私が、その単語に初めて出会ったのは「沙石集」だったと思う。

かつて私が高校生だったとき、何かしらの過去問の一題に「沙石集」が取り上げられていた。

ある種のオタク心に火がついて、無駄に語ってしまいそうになるの

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【エッセイ】私のこと、嫌いやったやろ

【エッセイ】私のこと、嫌いやったやろ

充実した週末を経て、朝からのんびりと「日常」に飛び込むべく、画面に向かいテキスト画面と、手元でアナログにメモ帳を広げる。
コーヒーを淹れて、いつもの定位置に腰を下ろすと同時に、なぜだか急に教え子に言われた言葉がよぎった。

あれは文化祭の準備をしていたくらいの時期だったか。
高校まで会いに行くから、時間を少しくださいと卒業した教え子から連絡がきて、昼休みの後、五時間目ならフリーだからいいよと返事を

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【エッセイ】夏と教え子と、私

【エッセイ】夏と教え子と、私

言葉にし尽くせない、いろいろな気持ちがいま私の中を渦巻いている。

取り留めのない、収集のつかないことになりそうだけれど、今日はそれを、そのまま書き連ねてみようと思う。

いつか彼らにここの存在を知らせるときがきたとき、思っていることを真っ直ぐ届けるために。

この夏、帰省のタイミングで私は複数人の教え子に会ってきた。

気まぐれに某SNSで帰省する旨を告げたら、本当にありがたいことに「会いたいで

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【エッセイ】根拠のない自信の強さ

【エッセイ】根拠のない自信の強さ

その昔、バリバリに現場で働いていたときのこと。

私は今とさほど変わらず臆病者で、何事にも根拠を求めたがる節があった。
何かをするときの、「自信」にも根拠を求めた。

これだけ準備をしたのだから、これは成功するはず。
あれだけ伝えたのだから、あれは上手くいくはず。

この考え方は決して悪いことではないはずなのだけれど、ときどき私を苦しめた。

ことばの裏を返すと、「これだけ準備をした」と言えるまで

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【思考】独りでは生きられないということ

【思考】独りでは生きられないということ

我ながら、何だかギョッとするタイトルをつけてしまった。
あまり深い意味はない。言葉のままである。

普通に日常の中を生きていて、ふと「ああ、私は独りでは生きられないな」と感じる瞬間がある。

元来、私は人と話すことが好きだ。
話すためには、話しをする相手が必要である。

独り言では足りない、人とのコミュニケーションがそこにある。

自分が何か言葉を投げる。行動をする。リアクションをとる。
それに誰

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【思考】ハマったものについて語る

【思考】ハマったものについて語る

はじめに自分が人生で一番「ハマったもの」はなんだろうか。
改めてよく考えてみたら、私が考える人生で一番ハマったものは「教師という仕事」そのものな気がしてきた。

仕事にハマるなんてありがたいこと極まりない…一体どういうことなのか。もうただただ言葉のまま、私は教師という仕事に、24時間365日どハマりした時期が間違いなくあった。言葉にならないくらい大変ではあったが、いま落ち着いて振り返ると本当に楽し

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