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●ショートショート●

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これまでに書いた短編小説、ショートショートをまとめたものたち。
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2023年3月の記事一覧

【ショートショート】 決断は深夜のバスタブで

【ショートショート】 決断は深夜のバスタブで

 私にはずっと気にかかっていることがある。ずっと気にしてはいるけれど、自分としっかり向き合って考える気になかなかなれなくて、忙しさを口実に、決断を後回しにして「今」ここまできてしまった。
 いつもそうだ、大事なことほど悩んで悩んで後回しにして、ギリギリに適当に決めてしまう。本当によくない、とはわかっているのだけど。
 「はあ」
 一人小さくため息をつきながら、ロッカールームに向かった。

 人生は

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【ショートショート】 さくら色のマグカップ

【ショートショート】 さくら色のマグカップ

 その日は何だかまっすぐ帰る気になれなくて、私は駅前のコーヒーチェーン店の前で足を止めた。一瞬迷ったけど、普段そんな気になることは滅多にないなと思い直し、これもタイミングとそのまま店に入った。

 自動ドアが開くと同時に、ふわりと感じるコーヒーの香り。コーヒーに特にこだわりを持つことなく、インスタントで済ませてしまうような私にとって、チェーン店のコーヒーショップでも十分満足できるような「空間の匂い

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【ショートショート】 いまの私、いつかの私

【ショートショート】 いまの私、いつかの私

「私は、気が付いたらここにいました。何に逆らうでもなく、何に惹かれるでもなく、人生の波に乗って適当に生きていたら、ここに流れ着いていたのです。私のこれまでは、ただそれだけの言葉で語れてしまう程度のものだと思います。恐らくこれから先どれだけ生きたとしても、自分が何をしに生まれたのかなんて、きっと私にはわからないでしょう──」

 ここまで書いたら、本当に馬鹿馬鹿しくなって思わずシャーペンを置いた。提

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【ショートショート】 小川さん

【ショートショート】 小川さん

「俺、見ちゃったんだよね…」
 その朝、いつもの電車に乗るべくホームで合流するや否や、リョウタが嬉々として話しだした。
「なになに」
 俺は、つけていたイヤホンを片付けながら相槌を打つ。
「昨日の夜、結構遅い時間に小川さんが、駅前でおじさんと歩いてたんだよ」
「え、どういうこと」思わず手を止めてリョウタの顔を見た。
「いや、わかんねえけど。うちの制服だなーって見てたら、小川さんだった。つか、あれは

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