共感を友達との一瞬から学ぶ:思いやりと成長の記録
衝動性の塊のような我が家のグレーゾーンの長男。
彼にとって、他人への共感や思いやりを表現することはまだ難しい。
まだまだ利己的な子供。
さらには、精神年齢が実年齢よりも低いことも要因の一つようだ。
されど、数少ない成功体験が彼の自己肯定感を養うことも、また事実。
これは、そんなグレーゾーンな彼が友達に対して、コミュ力のお化けのような発言をした、成功例のお話。
弟が失敗したとき、長男は次男を馬鹿にするような声かけをすることがある。
弟相手だし、自分が優位に立ったような気になるのだろう。
その心のままに、衝動的に馬鹿にしてしまうようだ。
しかし、これは兄弟だから許されるのであって、友達では許されない。
もう小学生。少しはわかってほしい。
そんな親心で、ただの兄弟げんかに口出しをしたことがある。
「そんなこと言わないで。自分も失敗することがあるんだよ。
『大丈夫?』って声をかけたり、手助けをしたり、
『大丈夫だよ』って伝えるんだよ。
『俺も失敗したことある』って言って共感することもできるし、
言葉の選び方を工夫してみて」
ちょっと難しいかな。
しかし、記憶力のお化けの長男を信じてみたくなった。
ちょうど本棚には友達関係の子供向けの自己啓発本があり、長男は愛読している。
その系統のアドバイスとして、少しは残ってくれるかな。・・・といいな。
それから少し後、長男の友達が、もの凄い寝ぐせのまま朝から遊びに来た。
「あ!髪直し忘れた!!」
と、寝ぐせを手で押さえた。
その光景を見て、長男は1秒も経たないうちに、
「俺も」
自分の頭の小さな寝ぐせを指さした。
その瞬間、友達は嬉しそうに笑った。
この短い瞬間に、長男は友達に思いやりと共感を示したのだ。
後で、長男の対応を、「120点満点!!」と褒めまくった。
長男はあまり気にしていなかったのか、思わず褒められたことがかなりうれしかったようだ。
そして長男にとって、この友達とのこの短い瞬間が、
思いやりや共感の大切さを教えてくれた、かけがえのない成功体験となった。
その後もその成功体験をしっかり覚えていて、同じような会話になった時
「あの時みたいに共感が大事なんだ」
と思い返してくれるようになった。
思い返す度、「俺は良いこと言った」と、自己肯定感も上がっているようだ。
グレーゾーンな長男は、何も考えず言葉を発している。
それがどんな攻撃力を持った言葉か、何も考えないまま。
衝動で言った言葉に周りがどんな反応を示したかを確認しないまま、次に興味を示したものに向かって行ってしまう。
そして、そこに誰もフォローしてくれない。
だから何度も同じような失敗を繰り返し、友達から距離を置かれてしまう。
だからこそ、その一言が他の人にどのような印象を与えるか、そして関係性にどれだけ影響を及ぼすかを理解することが大切なのだ。
実戦練習は、療育でしてくれている。
ならば私は、図書館の本とともに、ロジカル面と弟との交流実戦でのフォローをしよう。
そこから長男学んでくれたら、私のように少しは苦労せずにすむかな。
これから先も、多くの失敗に遇うだろう。
そこから学ぶことの方が多いと思う。
でも、その学ぶ瞬間に、
この成功体験も一緒に思い出してくれれば、と願うばかりだ。