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木の家に住まう

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木の家にすまう 16(大黒柱は、なぜ太い?)

木の家にすまう 16(大黒柱は、なぜ太い?)

「大黒柱」ってご存知ですか?
一家の長を大黒柱と形容することもありますね。

最近では大黒柱がない家も増えているので、もしかしたらご存知ない方が
いらっしゃるかもしれませんね。

大黒柱は家の中心付近にあって、他の柱よりも一回り以上太い柱なんですね。では、なぜ大黒柱は他の柱よりも太いのでしょうか?

家の中心にあるので、象徴的な意味で意図的に太くしている?
もちろん、そのような意味合いもあると思い

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木の家に住まう 15(木の家の構造)

木の家に住まう 15(木の家の構造)

少し間が空いてしまいました、続けることの難しさもありますが、投稿しないことは容易にできます。

構造についてさて、今回は構造についてお話したいと思います。
私が事務所を開設した約20年ほど前、地元には幾つかの製材所があったのですが、それらの多くは主に米松(ベイマツ)と呼ぶいわゆる外材を挽いていました。

それが今では残っている殆どの製材所は杉やヒノキなどの国産材を挽いています。この間に何があったの

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木の家の住まう 14(風呂に木を使う)

木の家の住まう 14(風呂に木を使う)

■ 風呂に木を使うこと
「風呂に木」と聞いて、温泉や旅館の浴槽を
イメージされるかもしれませんね?
あるいは、「木が傷む」ことを心配される方も
多くいらっしゃると思います。

そして、私どもの住まい手の皆様の中にも
それを要求される方がいらっしゃって、
実際に風呂に木をつかったこともあります。

■ 木のお風呂
今日の写真は、風呂に木を使った実例です。
写真の浴室には、ヒバと呼ぶ木を使ったのですが

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木の家にすまう 13

木の家にすまう 13

今回の「木の家にすまう」は2年前に京都に建築の師匠のお墓参りに行かせて頂いた際に立ち寄った社寺などの写真を使用させて頂いています。

◆木は噛み合わせて粘りを発揮する
この時は折角、京都まで行ったのだから、色んな社寺を見学せずに帰るのは勿体ない、ということで清水寺は勿論のこと、三十三間堂など、建築的に魅力のある建物を見学して来ました。

当然ですが、海外からの観光客とは違って建物を見ることが目的で

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木の家に住まう 12(表と裏)

木の家に住まう 12(表と裏)

◆木表(きおもて)と木裏(きうら)
物事には全て表と裏があると言われますが、同様に木にも表と裏があります。厳密には板には表と裏があるなんですが・・・
丸太の状態から板材に製材する場合、木の芯に近い面と樹皮に近い面が出来る製材方法を採用されることが多いのですが
この場合、樹皮に近い面を木表と呼び、芯に近い面を木裏と呼びます。

鴨居や床材などとして木を用いる場合、一般的には目に触れたり、肌に触れる面

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木の家に住まう 11(木と水の関係)

木の家に住まう 11(木と水の関係)

◆木と水の関係
山で切ったばかりの木は触っただけで水分を含んでいるのが分かります。
当然ですよね。成長するために根から水分と栄養を吸い上げているのですから。

◆含水率
木が、どの程度水分を含んでいるのかを現すのを含水率で現します。
率なので最大が100%かと思いきや、そうでは無いんです。

水分と言ったら、ものの総量に対する水の量の割合と捉えるのが通常です。たとえば「みかんの80%は水分」といえ

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木の家に住まう 10(平屋について)

木の家に住まう 10(平屋について)

平屋について
今回は「平屋」についてです。
敷地にゆとりがあれば、平屋に住みたいと言う方も増えています。
地方では土地も広く伸び伸びとしていて広い敷地も多いので、
その需要が伸びる理由もうなづけます。

平屋は割高か?
さて、平屋は割高になるよ、と言う話をお聞きになったこと、おありでしょうか?
これ噂ではなくて現実の、お話です。

では、具体的にどのような原因で割高になるのか?と言うことですが、平

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木の家に住まう 8(建築と色 その1)

木の家に住まう 8(建築と色 その1)

前回は「明るさの感じ方」について書いてみましたので
今回は、「建築と色」の関係について綴ってみます。
今日の写真は、以前にリノベーションさせて頂いた、とある写真館さんの撮影スタジオです。白一色なのは光の回り込みを考えたためで撮影スタジオには必要な設えと言えます。

あなたが好きな色は?
あなたが好きな色は何色ですか?
情熱の赤、涼しげな青、自然を意識させる緑など、人によって様々です。
又ひとえに赤

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木の家に住まう 7(明るさの感じ方)

木の家に住まう 7(明るさの感じ方)

今回は前置きなしで、いきなり本題です。

明るさの感じ方
住宅を新築する場合、明るさや暖かさを考えるには比較対象が難しいですよね。現在のお住まいと、これから出来るお住まいでは確実に違いますが、その程度の差が実感出来ないだけに、悩むのです。

明るさについての感じ方は個人差が非常に大きいのですが、考え方の1つとして必ず部屋の隅々まで明るさで満たす必要は無いと思います。
明るさって利用する部屋の目的や

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木の家に住まう 6

木の家に住まう 6

家は木だけで出来ている訳ではありません。
色んな素材が組み合わさった超ハイブリッドな構造なんです。
そして一番目立たないけども、一番大事と言っても過言ではない基礎についてが今回の内容です。

基礎を考える
さて、本題です。
今回の本題は、基礎についてです。
突然ですが「在来軸組工法」(ざいらいじくぐみこうほう)ってご存知ですか?
文字にすると難しい工法のように感じますが現在、国内で広く一般に行われ

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木の家に住まう 5

木の家に住まう 5

シルバーウィーク最終日
幸い、連休は好天に恵まれましたね。
車で走っていても、気持ち良さそうにツーリングしているバイクをよく見かけます。紅葉のシーズンには未だ早いけども暑さも峠を越えた感じですね。

さて、この辺りで、そろそろ「木の家に住まう」の片りんを見せておきたいと思いますが色々あるので、どんな内容にしようか迷いながら決めました。

木配りは、気配り
私は、国産材による木の住まいの設計を独立以

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木の家に住まう 4

木の家に住まう 4

これまで、このタイトルで3回書いてきましたがタイトルに反して「木」についての記載が少ないなとお思いの方がいらっしゃるかもしれませんね。
木についての記載は、その内登場しますので、気長にお付き合いをお願い致します。

さて、前回は屋根について考えましたね。
屋根の次は外壁の話になります。

◆ 外壁を考える
● 外壁の役割
外壁の役割は、雨風から人や建物を守る、火災などの災害から人や建物を守る、外か

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木の家に住まう 3

木の家に住まう 3

ずっと憧れていて、一度は行って見てみたい建物があります。
スイスの建築家、ピーターズントーが設計したセント・ベネディクト教会と呼ぶ建物がそれなんですが、未だ行ったことがありませんし、コロナ禍で足が向きにくいのも理由ですが、何せスイスの山中に建っている小さな建物ですので、ちょっと行ってくるわ、と言った感覚で出掛けることは出来ませんので、今の所写真の中での憧れです。

楕円形の平面をした建物の外壁は木

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木の家に住まう

木の家に住まう

前回は肩慣らし程度の投稿でしたが、今回から少しずつ当事務所のオリジナル記事や過去のメルマガ記事などを編集し直したものをアップしていきます。

◆木の家に住まう
以前、とある物件の打合せに伺った時のことです。
外回りの現況と計画のための確認を終えて、家の前で少し立ち話をしている最中のこと。外に置いてある鉢植えの台として使われていた木片に私の目が留まりました。

長方形の木片の小口(切り口)がギザギザ

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