K.Sueoka

現役で仕事をしていた時の設計のポイントという様な事を色々とまとめてみようと思った所、n…

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現役で仕事をしていた時の設計のポイントという様な事を色々とまとめてみようと思った所、note があったので出してみようかな、という感じです。もし、お役に立てれば幸いです。

最近の記事

設計あれやこれや 11

盲点  盲という字は、会社で、ある時から使用禁止の字となりました。やはり差別用語を禁止するという事から来ている訳です。  それはそれで良いと思うわけですが、私だけでは無く前任者が書いた、予備口を塞ぐ大量の「盲板」という名称の図面について、「ブラインド板」という名称に設計変更しなさいと日々、図面管理の部署から送られて来るのには、そうとう辟易させられました。  日々、時間に追われている身としては。  そんな事を言うと、立ち所に、君の設計は、遅いからだと反論されてしまいそうで

    • 減圧弁、背圧弁

       圧力制御に使用するアイテムとしては、減圧弁、背圧弁があります。  減圧弁は出口側圧力 (二次側) を安定化させます。  背圧弁は入口側圧力 (一次側) を安定化させます。  背圧弁が必要なシステムでは、エンジニアリング担当の上司は、ヘンミ計算尺のフローコントロールバルブを選択していました。  このフローコントロールバルブは背圧弁の調整部分にマイクロメータ用のヘッドが付いている構造で、圧力の微調整が出来るようになっていて、背圧弁の微調整用といった感じです。もちろん、減圧弁

      • 設計あれやこれや 10

         金属チューブ継手ランキング  よく使ったのは、オーステナイトステンレス SUS316 のBA 管です。  BA管と言われる材料は光輝焼鈍(こうきしょうどん)管とも言います。  太さはφ6mm、φ1/4” 、φ3mm、φ1/8” の管をよく使いました。  光輝焼鈍と言うだけあって、表面が美しく、柔らかく加工し易い管です。  今回は、このステンレスのBA管に継なぐ継手のランキングでもしようかなと思います。  金属のチューブ継手として、次のメーカの物を使用しました。   H

        • 異種材料のチューブ間の接続

          システムを構築する時、異種材料同士の接続が必要になる事は、結構あるものです。  水用であれば、ガーデニングでお馴染みの水栓用のワンタッチコネクタ、圧縮空気であれば、やはり、同様のワンタッチ継手、又はホース用差し込み継手にホースバンドで固定、など多種あります。  それに比べて、テフロンチューブ、ステンレスチューブ、ガラスチューブ、銅チューブとなると、材質の切り替わり点での接続は、結構悩ませるものです。  例を挙げてみると、沢山ある事に驚いてしまいます。 1. ステンレスチ

        設計あれやこれや 11

          設計あれやこれや 9

          振動、脈動、地面が揺れている  試料に圧力が無い場合、分析計に試料を送る手立てとしては、やはりポンプを考えるのでは、ないでしょうか。試料がガスの場合、ダイヤフラムポンプを使用しました。  ダイヤフラムポンプの場合、クランクが上下するわけだから、起動するとポンプは振動します。 振動は何かと面倒な症状を発生させます。  例えば、ポンプを起動させると、ポンプを固定している筐体が振動します。筐体の固有振動数と合ってしまうと、さらに大変です。筐体から大きな振動音がでてしまいます。

          設計あれやこれや 9

          ボールバルブ

           止弁として、皆さんはどのようなバルブを選択しますか。  ボールバルブは止弁として、適したバルブだと言えます。それは、バルブのハンドルが45度の回転で開閉が出来るわけでハンドルの位置を見れば、バルブが開いているか閉じているかがわかります。  止弁として、フロウエルのテフロンのシャットオフバルブを使用した事が有ります。バルブとしてはニードルバルブと同じで数回転で開閉、この範囲で流量調整もできるというバルブです。  テフロンで100℃まで耐熱のあるバルブとなると、これしか見つ

          ボールバルブ

          設計あれやこれや 8

          基準圧力は地球  試料を分析する時、液の場合は圧力が変わっても、密度がほとんど変わるわけでは無いのですが、ガスであれば圧力があると密度が変わってしまうため、いつも大気圧が基準となります。  地球そのものが基準となる訳ですから凄いですよね。  多少、高気圧であったり低気圧の時もありますが、それがどの程度、分析に影響を及ぼすのでしょうね。  分析計へ流す量は出口側が大気圧として、流す試料の量が少なければ、ほぼ大気圧となります。  又は分析するタイミングで一次的に流れを止めて、

          設計あれやこれや 8

          金属のチューブ配管について

           チューブとパイプの違い、わかりますか?  私自身、明確にわかっている訳では無いのですが、  パイプというとJIS規格に載っている物を言うようです。  例えば1/2” の管であれば、1/2Bまたは15Aとか言います。私の年齢がその域に達しているかも知れないと思うのですが、その私より、さらに上の年配の方は1/2Bの配管を4分 などと言います。  もうサイズの対応表でも持っていないと、わからなくなってしまいそうです。  チューブはBA管のように柔らかいチューブにその外径寸法に

          金属のチューブ配管について

          アスピレータとエジェクタ

           皆さんは、霧吹きを使ったことが有りますか?  息を吹くと、直角の管へマイナスの吸引圧力が発生して、直角の管側に水があると、その水が吸引されて、吹いた息と水が混ざって霧状に噴出するといった感じです。  では、この霧吹きの原理の装置を、アスピレータと言うのか、エジェクタと言うのか、どちらが本当なのでしょうね?  仮にアスピレータとしましょう。アスピレータの使用目的としては、吸引ポンプとして利用しました。  例えば、試料の圧力が無いのに高温のため通常のポンプでは引けない、など

          アスピレータとエジェクタ

          設計あれやこれや 7

           今回は、ガルバリウム鋼板の紹介です  ガルバリウム鋼板、使った事有りますか。  最近は、家の壁や屋根材としてネットで沢山出ていますが、私がガルバリウム鋼板と関わり始めた頃は、余り一般的ではありませんでした。  ガルバリウム鋼板も今のように薄い材料では無く、忘れてしまいましたが板厚は1.6mmか2.3mmであった気がします。  通常、電子機器等を収める鉄のキュービクルとかでしたら、2.3mmの鉄板に塗装です。  ガルバニウム鋼板はアルミと亜鉛のメッキ鋼板なのですが、

          設計あれやこれや 7

          樹脂配管 2

           数年に一回程度、テフロン部品のみでシステムを組む、という仕事を受注する事があります。  基本的にテフロンと言っても、テフロンの仲間のフッ素樹脂、ガラスは、使用出来るという事ではありますが。  その場合、テフロン仕様の止弁、ニードルバルブ、フィルタ、減圧弁、流量計、圧力計、エアー弁、ポンプ 等を選択する事になると思います。  今回はそんな、フッ素樹脂によるシステムについて考えてみたいと思います。 フッ素樹脂仕様のバルブ等をメーカ等のカタログを調べてみると、たいてい水を中心に考

          樹脂配管 2

          設計あれやこれや 6

          そのバルブ、流れを止めないで!  試料が多流路あり分析計が一台の時、流路の切り替えを時分割で行う必要があります。その時、よくヘンミ計算尺さんの三方エアー弁を使用しました。  このバルブは、この仕事を始めた時の最初の上司がヘンミ計算尺さんに頼んで、作って頂いた特注品です。   このエアー弁のダイヤフラムはテフロン製です。テフロンはゴムでは無いので、結構硬めです。ですから、エアーバルブの切り替えの時、漏れによる染み出しがでる場合があります。  そこで「コンタミネーションを

          設計あれやこれや 6

          熱交換器、並流の利点

          今回は熱交換器の並流時を利用して良かった事例について、お話ししたいと思います。 先ずは、並流と向流の比較から。この例は、熱交換器の計算方法 4 並流のなかの計算を基にしています。  今回の件は、どうしても並流にしたい理由がありました。  今回の試料は、多量の水分を含んでいました。  今回の熱交換器は、構造的に二段式冷却をしています。まず一段目に強い冷風とアルミブロックによる冷却で一気に冷やし、残りの冷気を使ってさらに冷やすという方法を使っています。今回の計算は、残りの冷

          熱交換器、並流の利点

          パッキン、シート材 2

          減圧弁とテフロンと温度の関係  バルブのパッキン材などに使われている、テフロンについてのお話です。  試料が水や空気、窒素などならよいのですが、石油系であったりその他、色々な成分がある場合、どうしてもテフロンに頼らなくてはなたない事が多々あります。  安価なボールバルブにも、よくテフロンパッキンが使われています。  テフロンはよく耐熱温度は高いと言われますが、気を付けなければならないのは、軟化温度です。確か、テフロンの軟化温度は100℃より低かったのではないかと記憶し

          パッキン、シート材 2

          設計あれやこれや 5

          ヌセルト数を感じる経験  ABBの付加装置の仕事を始めて1年位経った頃、初めて熱交換器の計算をした後だと思うのですが、簡単な熱交換システムを作って、うまくいかなかった事があります。ですから当然、熱計算はしていません。  それは、4流路の試料を60℃のボックスの中に1/8”のチューブで受けて、その中で4流路を切り替えます。  分析計の手前で、1/8”×1m のチューブにトグロを巻かせて、60℃の温調ボックスで熱交換を行い、分析計に入れるという方式です。  流量は、100mL

          設計あれやこれや 5

          熱交換器の計算方法 4 並流

          今回は並流の熱交換器の計算例です。 並流の場合、計算上、対数平均温度差の値が小さくなります。 そのため伝熱効率が悪くなります。計算最後の必要な伝達面積を大きくする事になり、内管の長さが長くなります。 そのため、効率を求めるだけでしたら、向流を選択となる訳でですが、今回の計算の場合どうしても並流にしたい理由がありました。 次回は、今回の並流にした事による利点と今回の計算を使って、向流と並流の比較をしてみたいと思います。

          熱交換器の計算方法 4 並流