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ボールバルブ

 止弁として、皆さんはどのようなバルブを選択しますか。

 ボールバルブは止弁として、適したバルブだと言えます。それは、バルブのハンドルが45度の回転で開閉が出来るわけでハンドルの位置を見れば、バルブが開いているか閉じているかがわかります。

 止弁として、フロウエルのテフロンのシャットオフバルブを使用した事が有ります。バルブとしてはニードルバルブと同じで数回転で開閉、この範囲で流量調整もできるというバルブです。
 テフロンで100℃まで耐熱のあるバルブとなると、これしか見つかっていません。
 こういうバルブを止弁とした場合、開いているのか閉じているのかは、見た目だけではわからないので、個人的には不向きだと思うのですが、これしか手に入らないので、仕様がありません。

 このテフロンのバルブは、80℃の温調ボックスで使用しました。
 この時、お客様の所に設置して、スチームの温調弁の調子が悪く、弁が開きっぱなしになった事があります。
 この時スチームの入口にストレーナを設置してなかったため、バルブに異物が入り込んで閉じられなくなってしまったようです。この時、温調ボックスは約100℃近くまで上がってしまいました。この温度となると、あきらかにテフロンの軟化温度を超えているため、慎重な操作を求められます。無理は絶対にいけません。

 この状態で、温調弁部分が治るまで一月位、掛かってしまいましたが、その間、温調ボックスの中のテフロン部品は、限界点での温度検査をしていたようなものです。
 逆に、2K スチームで80℃の温調であれば、テフロンで大丈夫という、変な自信の様な物を持ってしまいました。

 止弁として、よく利用したのが、ハマイのボールバルブで材質はSUS316、パッキン、シートはPTFE (テフロン)です。

 小さいスペースでシステムを組む必要が多いため、蝶ハンドルの物をよく使いました。最高使用温度は180℃、最高使用圧力 3.92MPa となっています。但し、使用温度が100℃を越える場合最高使用圧力が下がりますので、メーカのレイティング表で確認する必要があります。

 このボールバルブは、廉価版のボールバルブという感じで、止弁として沢山使いました。

 その後、たまたま来たSwagelokの営業マンにSwagelok製では無いのですが、海外製のバルブを紹介されました。そのバルブは蝶ハンドルもステンレスでした。
 このバルブはハマイのバルブに比べて耐圧的にも、コスト面でも優れていました。

 ハマイのボールバルブは、他の部署では、たくさん使っていたのですが、エンジニアリング担当の上司が嫌っていたので、Swagelokの営業マンが持ってきたバルブに変更しました。
 内心これで文句を言われなくなると思い、ホッとしました。

 ボールタイプのエアー弁としてSWAGELOKの60シリーズを使いました。これは大型で価格も高いのですが、その後、40シリーズの後継として40Gシリーズが発売されました。40Gシリーズは40シリーズと違って、接液材質にバイトンが使われていないため、ボールタイプのエアー弁としても、使いはじめました。
 60シリーズに比べて40Gシリーズは小型で価格も安いため、助かりました。
 その頃、会社全体の方針なのですが、毎回、仕事の終了時に、コストダウンの報告を義務化してきたので、60シリーズから40Gシリーズに変えただけで、1 システムで10万円位のコストダウンが報告出来るのは助かりました。

 HOKE社のボールバルブもよく使いました。Swagelok社の40シリーズに対応するタイプで同クラスのバルブでパッキン、シート材がテフロンのみの物が有るため、以前はよく使いましたが、二代目の上司がSwagelokが好きな事と40G シリーズの発売により、40Gシリーズへ変更となりました。

高温度仕様の場合、Swaglok のボールバルブとしては、T60M を使用しました。シート材はグラファイト(炭素) です。そして最高仕様温度は、450℃位です。
一度、500℃ の仕事を受注した時、このバルブを選定出来なかった事で、よく覚えています。
今、ネットでカタログをみると、SwagelokでもHOKE でも500℃以上のバルブあるんですね。

ベローズバルブ  SSー4UW           耐熱温度  648℃     Swagelok
ニードルバルブ  2219シリーズ  耐熱温度  538℃     HOKE

 今だったら、選択肢もいろいろ有りそうですね。
 このベローズバルブはベローズとバルブのボディを溶接していてシート材を使用しないため、高い温度を確保できているようです。
 ニードルバルブの方については、シート材にグラファイト(炭素) を使用している為、シート材の耐熱温度からベローズバルブより温度が低くなっていると思われます。

 では、低温度仕様の場合はどうでしょうか。
 あまり印象に無いというか憶えていないのですが、一度だけ有るには有りました。
 エンジニアリング担当の上司が選定したのですが、確かHOKE のベローズバルブを選定していたと思います。
 ネットに見当たらないので、今どうなっているのか、わかりません。
 ハンドルネジ部分の位置が、空間のある二重構造の内部側になっているため、ネジ部分に霜が付きにくいそうで、霜により固まってしまう事を防ぐというふうに聞いています。
 今、ネットで探して見ても、そういう理由とか見つかりませんし、わかりません。

 だんだんボールバルブから、話しがずれてしまいました。
 高温であったり特殊な条件でない限り、止弁はボールバルブを使用しました。
 二代目の上司になってから、このボールバルブでパイプに繋げる部分について、フルボアタイプのボールバルブを使用するよう指示されました。
 フルボアというのは、パイプ用でパイプの内径に対して、バルブの所で細くしない様に作られたバルブです。
 ですからバルブの開閉部の内径とパイプの内径とほぼ同じになっています。
 分析計のサンプリング装置の取合いでしたら、どうせ、止弁の後の分析計に向かうチューブは細いのだから、フルボアタイプを使わなくても、余り関係無いと思うのですが。
 最後に、フルボアタイプのボールバルブでした。
 そういう物も有るということです。
 参考までに。

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