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アスピレータとエジェクタ

 皆さんは、霧吹きを使ったことが有りますか?
 息を吹くと、直角の管へマイナスの吸引圧力が発生して、直角の管側に水があると、その水が吸引されて、吹いた息と水が混ざって霧状に噴出するといった感じです。

 では、この霧吹きの原理の装置を、アスピレータと言うのか、エジェクタと言うのか、どちらが本当なのでしょうね?

 仮にアスピレータとしましょう。アスピレータの使用目的としては、吸引ポンプとして利用しました。
 例えば、試料の圧力が無いのに高温のため通常のポンプでは引けない、など特殊な時に使用しました。

 アスピレータを駆動する為の動力源としては、圧縮空気または、スチーム、又は試料の圧力のある部分から利用するという方法もあります。

 試料と駆動用空気またはスチーム等を使用した時のアスピレータの出口は混合となるため、注意が必要です。化学系や石油系のプラントでしたら、排ガスを扱う部分として、フレアという部分がよくあります。そこは、廃棄するガスを燃やしてしまう所で、工業地帯で煙突から火が出ているのを見た事があるでしょう。アスピレータの出口の混合ガスをフレアに廃棄という事も有る様です。

 アスピレータの出口に背圧を持たせると、アスピレータが駆動出来なくなるばかりでなく場合によっては試料の吸引側に逆流ということも有るため、注意が必要です。
 出口側の配管径を大きくしたり、圧力の無い所、又は小さい所に放出する必要が有ります。
 ですから、アスピレータは流体システムの一番最後の出口側に吸引ポンプとして利用する事になります。

 ところで、ネットなどに出ているアスピレータやエジェクタは、図Aの構造で吸引側が直角側3の位置になっています。ところが、ABB社から購入したスチームエジェクタは図Bのように2の位置が吸引側となっています。

 これって見た事ありませんか? 
 実はこれって、ダイソンの羽の無い扇風機と同じ構造なのです。
 これは、非常に驚きです。今までに使う事がたまにあったABBのスチームエジェクタが突然、羽の無い扇風機として世の中に登場したのですから。

 ダイソンの扇風機は、丸い穴の丸い枠部分から空気を噴出する事により穴部分の空気が引っ張られる構造となっています。ABBのスチームエジェクタも枠部分から丸くスチームが噴出する形になっています。

 ネットでいくら探しても、図Aのアスピレータやエジェクタしか見つかりません。
 図Bのタイプは他では、見られないタイプなので特殊なのかも知れません。
 図Aのタイプでは、PFA製のアスピレータを使った事があります。
 配管の接続部は確か、NPT1/4 だったと思います。計装空気で駆動させました。

 アスピレータやエジェクタを必要とするシステムは、殆どありませんでした。
 小流量で圧力が無い場合、ダイヤフラムポンプ等、小型のポンプを使う場合が多いためです。
 実際に使用した事例としては、圧力の無い150℃の試料の時と、接ガス材料の要求がテフロンで圧力が無い時だけでした。

 皆さん!
 エジェクタが扇風機になってしまうのですよ。
 他にも何か、良いアイデアはありませんか?

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