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ひよこのるる
2019年8月31日 19:20
2018年11月以来発表してきたぼくの訳詩約70編の、作者別の目録です。もし気に入った作品を見つけたら、同じ作者や時代の他の作品も読んでみていただけたらとてもうれしいです。 *作曲家・ミュージシャン別の索引も用意しております。 *以下、作者の生年順に並べています。Marcus Valerius Martialis/マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(ローマ)c.40-c.
2020年2月27日 07:12
Joseph von Eichendorff(1788-1857), Das zerbrochene Ringlein (c.1810)すずしい谷間で水車がまわる、水車小屋に住んでいた愛しいひとはもういない。一生の愛を誓ってぼくに指輪をくれたのに、愛の誓いは破られてぼくの指輪は裂けた。ぼくは歌びとになって広い世界を旅したい、家から家へ巡ってぼくの歌を歌いたい。ぼく
2020年1月11日 21:47
Paul Celan, Todesfuge (1944)明け方の黒いミルク 僕らは夕方にそれを飲む僕らは昼に朝にそれを飲む 僕らは夜にそれを飲む僕らは飲みに飲む僕らは空に墓を掘る そこなら狭くないひとりの男が家に住む 彼は蛇らと戯れる 彼は書く彼は日が暮れるとドイツへ手紙を書く 君の金色の髪マルガレーテ彼はそう書く そして家を出る 星が輝く 彼は彼の犬らを口笛で呼び寄せる彼は彼の
2019年11月22日 21:54
Rainer Maria Rilke, Der Panther (1902)『新詩集』(Neue Gedichte, 1907) 所収。「パリ植物園にて」という副題がついています。その目は柵の行き来に倦み果てもはや何物をも捉えない。あたかも目の前に千の柵があり千の柵の先に世界はないかのよう。力強くもしなやかな足取りがのっそりと小さな円を描く。あたかも弱った大きな意志の周りを
2019年10月16日 07:09
Christian Friedrich Hebbel, Herbstbild (1852)見たこともないような秋の日だ。息をひそめたような静けさのなかここかしこのあらゆる木から美しい果実の落ちる音がする。おお 自然の祝祭に手を出すな!これは自然みずからによる収穫なのだ。太陽の光のやさしさに耐えかねたものだけが今日 木の枝を離れて落ちてくる。Dies ist ein Herb
2019年9月26日 20:38
Stefan George, Es lacht in dem steigenden jahr dir (1895)高まりゆく年の中で、庭の香りはなおもほのかにあなたに笑いかけ、風にたなびくあなたの髪に木蔦と九蓋草を編み込む。風にそよぐ種子は なおも黄金のようだ、おそらく前ほど高く豊かではないけれど。薔薇の花は なおも愛らしく挨拶してくれる、その輝きもいくらか色あせてしまったけれ
2019年9月4日 19:34
Johann Wolfgang von Goethe, Wandrers Nachtlied (1780)ゲーテの代表作ともいわれる短い詩で、日本語訳も数え切れないほどあります。主なものはこちらで読むことができますが、比べてみると、みんな先輩の訳の強い影響下で訳したんだろうなというのがはっきりと感じられます。ぼくも既訳の引力と格闘しながら(その跡はいつにない五音・七音の多さとして残っていま