ゲーテ「さすらい人の夜の歌」(ドイツ詩を訳してみる 14)
Johann Wolfgang von Goethe, Wandrers Nachtlied (1780)
ゲーテの代表作ともいわれる短い詩で、日本語訳も数え切れないほどあります。主なものはこちらで読むことができますが、比べてみると、みんな先輩の訳の強い影響下で訳したんだろうなというのがはっきりと感じられます。
ぼくも既訳の引力と格闘しながら(その跡はいつにない五音・七音の多さとして残っていますが)、ぼくなりの新訳を作ってみました。
山という山の頂に
安らぎが宿り、
木という木の梢には
かすかに風が
吹くばかり、
森の小鳥たちも 口をつぐんでいる。
待つがよい、今にお前にも
安らぎが訪れるから。
(檜山哲彦・井上正蔵・片山敏彦・高橋健二・山口四郎・赤井慧爾・瀧崎安之助・手塚富雄・竹山道雄・森泉朋子・西野茂雄・星野慎一・大山定一の訳を参考にした。)
Über allen Gipfeln
Ist Ruh,
In allen Wipfeln
Spürest du
Kaum einen Hauch;
Die Vögelein schweigen im Walde.
Warte nur, balde
Ruhest du auch.
*
有名な詩だけあって、さまざまな作曲家が歌曲を作っています。
シューベルト
シューマン
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